建設コンサルタントのキャリアビジョンについて考えてみました。
建設コンサルタントは各社で得意としている道路、橋、ダム、河川、地質などの部門があります。弊社であれば上水道及び工業用水道、下水道になります。
これらの専門部門の業務をしていくわけですが、だいたい10年ぐらいでその部門を極めていくのが一般的です。
〇入社から3年目
目標:担当する部門の専門技術をおおまかに理解する。
簡単な業務(配管設計、管きょ設計)は一通りこなすことができる。
方法:担当する業務の全体をおおまかに理解する。
→OJT
仕事で携わる新しい技術、方法を積極的に覚える。
→基準書、設計要領を読み込んで理解する。
過去の報告書、成果品を読み、設計手法を覚える。
〇4年目から7年目
目標:業務を一人で回せるようにする。
難しい業務、新しい業務に挑戦する。
方法:合理的なやり方ができるように意識する。
業務責任者になったつもりで、主体的に考えて取り組む。
技術士補を取得する。
〇8年目から10年目
目標:建設コンサルタント技術者として一人前になる。
新しい業務、難しい業務でも一人で回せるようになる。
担当した業務で利益を上げる。
方法:新しい業務、難しい業務に積極的に取り組む。
業務の回し方を極める。
技術士、RCCMを取得する。
建設コンサルタントとして20代は日々の業務で精一杯で、ゴールが見えない状況で作業に追われることもあります。その状況に不安や辛さを覚える可能性もあります。
ただ30代になり、一人で大まかに業務をこなすことができるようになれば景色は一変します。
全体の業務がわかるようになれば、業務を自分でコントロールできるようになりますし、面白さも出てきます。業務さえ工程通りに進んでいれば、残業せずに定時であがり、飲みに行ったり、有休をとって旅行に出かけたりといった裁量で働けるようになります。
30~40代になってくると業務を実施して、納期に良い成果を納めるだけでなく、技術営業、業務計画、実行予算、コスト管理を含め業務管理を自分で全部やって、利益を出していくような経営能力も求められます。ここまでくれば建設コンサルタントの技術者としてはおおよそ一人前と言えます。
業務全体を把握しながらですので、会社員でありながら、個人事業者のような感覚で働くことができます。その時点で、一生食うには困らない技術が身についてきます。
インフラの市場がゼロになることはありません。更新、補修ニーズや人手不足の状況を考えると、一時的に不況になることもあるかもしれませんが、悲観的な業界ではないと思います。
一度、この業界に挑戦してみることをおすすめします。