はるの生活介護では、ミーティング時に隔週で自閉症の障害特性について学ぶミニ勉強会を実施しています。
どんな内容かというと。
毎回ひとつの特性を取り上げます。
特性の説明資料を順番に読み上げます。
A4半分の紙に生活介護の利用者の当てはまる行動をそれぞれで書き出します。
書き出したらみんなで共有します。
こんな感じです。
スタッフのみんなは普段から利用者の行動をよく見ているので、思いつく行動がいろいろと出ます。
特性によっては出すのが難しいことがあり、そんなときには私がアドバイスすることもあります。
自閉症支援の基本は特性理解と環境調整です。
はるでもこれまで何度も自閉症支援について研修を行ってきたので、スタッフのみんなもその意識を持って支援を考えてくれることも多くなりました。
しかし、特性の理解が大切と分かっていても、自閉症の特性を理解することは慣れないと難しいものです。
自分もはじめのころはまったく理解ができなかったことを思い出します。
それまで経験してきた行動の見方に縛られてしまい、自閉症の特性から行動を見るということになかなか視点が切り替わらなかったからです。
さらに難しいのは、学んだ特性を実際の利用者の皆さんの行動を結び付けることでした。
これは何度も特性を考えたり、特性から利用者の行動を見る練習をしていくしかありません。
でも、自閉症の特性から皆さんの行動を見ることができるようになると、行動の意味がとても分かりやすくなりました。
「支援に困ったときには特性に立ち返る」
これは自閉症支援のベテランの方たちがよく言われることです。
難しい行動に対してやみくもに対応を考えても上手くいかないことも多いものです。
そのような時にあらためてその人の特性を振り返ると、行動の意味や対応方法が分かりやすくなります。
「学び続けることが大切」
これも皆さんが口をそろえて言われることです。
一度や二度の研修を受けただけでは自閉症の特性を理解することは難しいと自分の経験からも思います。
そして、分かっているつもりでも、つい特性からの見方を忘れてしまって経験上の見方に縛られてしまうこともよくあります。
はるにコンサルに来ていただいている方は「自分は自閉症の特性について同じ話を何百回も聞いて、自分でも説明できるようになった。」と言われていました。
自閉症の特性について学び続けること。
それが自閉症の方たちを支えていくための基本であり、いい支援をするための秘訣です。
生活介護のミニ勉強会は30分ほどのシンプルな内容ですが、とてもいい勉強会をやってくれてるなぁと毎回思っています。
社会福祉法人はる
理事長 福島龍三郎
「りゅうさぶろぐ」より