SANCのスタッフがはるの利用者の皆さんが描いた絵をステッカーにしてくれたので、すぐに自分のスマホやパソコンに貼った。
利用者の方の絵が身近にあるのはやっぱりうれしい。気持ちもあがる。
はるには障害のある方たちの芸術文化活動をすすめるSaga ArtBrut Network Center(SANC)がある。
佐賀県文化課より委託を受けて、佐賀県内の障害のある方たちがアート活動に触れる機会を作ったり、支援者の皆さんがアート活動を取り入れるきっかけづくりなどをしている。
福祉は生活を支援することだと思われることがある。
確かに生活を支えていくことは基本中の基本。
でも、人の生活は衣食住が足りれば幸せということではない。
生活のなかで、いろいろな人たちとの出会いがあったり、達成感があったり、好きなことに没頭したり、非日常のようなイベントがあったり、そんな日々を豊かにすることがあるから充実した生活になる。
生活に安心と豊かさがあることで、人の生活は幸せに近づくのだと思う。
アートはその豊かさを創り出してくれる大切なフィールド。
今週、佐賀市内のクリニックのスタッフさんがデイケアの活動にアートを取り入れたいと相談に来られたので、SANCのスタッフと一緒に対応した。
SANCの「ゆっつらアートデイ」(アトリエ開放日)に来られているデイケアの利用者さんがアート活動をやりたいと提案されているとこのこと。
自分はその方にお会いしたことはないが、(アートが好きなんだなぁ)、(利用しているデイケアで提案するなんてスゴイなぁ)、と思いながらやり取りをさせていただいた。
スタッフさんが心配していたのは「自分はアートをやったことがないが教えることができるだろうか」ということ。
はじめてアート活動を取り入れるときには誰もが心配になることかもしれない。
そのことに対しては「私たちも教えることはしません。ご本人さんたちが取り組みやすい環境(場所、時間、材料、きっかけなど)を用意するのが支援者の役割なんです。」とお伝えする。
私たちがすすめているのは、上手なものを作ることではなくて、その人が何でもいいから表現すること。
その人らしさが出て、ご本人が表現できたことによろこびを感じて、ご本人のことを知っている周りの人たちもその表現を見てうれしくなること。
アートの根源は人に見せるものではなくて、自分の衝動を何らかの方法で表現することではなかったかな。
そのスタッフさんにはSANCの出張ワークショップを活用することをおすすめして、アート活動を取り入れるサポートをしていくことになった。
あいさつしたり、仕事をしたり、ごはんを食べたり、散歩をしたり、おしゃべりをしたり、そんな日常のなかにアート(表現)をする時間が加わるといいと思う。
私もアートをするのは得意なほうではないが、利用者の皆さんが描かれる絵を見たり、歌やダンスなどの表現を見たり、ステッカーやTシャツなどで身近に感じることは、この上もなく好きだ。
社会福祉法人はる
理事長 福島龍三郎
「りゅうさぶろぐ」より