文学部の就職先と就活のポイント|業界・職種・強み・専攻を生かすかどうか

文学部の卒業生が新卒時に就職した業界、配属された部署を紹介し、志望業界・職種の決め方などを解説。専門を生かすかどうか、企業が文学部の学生に期待していること、生かせる強みなど、文学部ならではの就活のポイントを、人事として新卒採用を20年担当してきた採用のプロが社会人の先輩へのアンケート結果と共に解説します。

文学部の就職先「業界」

文学部の先輩たちが就職した業界を、アンケート結果を基に紹介し、新卒ならではの「志望業界の決め方」も併せて解説します。

文学部の先輩たちが就職した業界

文学部を卒業した社会人200人に対して、「新卒で就職した企業・団体の業界」をリクナビが独自にアンケート調査したところ、文学部が新卒で最も多く就職したのは1位「サービス業界」(28.0%)という結果になりました。
次いで2位「メーカー業界」(17.0%)、3位「IT・ソフトウェア・情報処理業界」(13.0%)となっています。

サービス業界が割合としては高いものの、全体を見ると、文学部の卒業生はさまざまな業界で幅広く活躍していることがわかります。

Q 新卒で就職した企業・団体の業界に最も近い業界を教えてください(n=200、単一回答)

「新卒で就職した企業・団体の業界に最も近い業界を教えてください」に関するアンケートの回答グラフ

志望業界の決め方

就活で志望業界を決める場合は、「できること」「やりたいこと」の2つの側面から考えてみましょう。「文学部だから〇〇業界」などと固定概念にとらわれずに、まずは幅広い業界の中から考えてみることをオススメします。

1. 「できること」から志望業界を決める方法

自分ができることから志望業界を探す場合は、自分の能力・性格・価値観がフィットする業界を探してみると良いでしょう。
例えば、採用ページや募集要項などに書かれている「求める人物像」が自分と似ているか、求められていることを苦なくできそうかなどを考えてみましょう。
ほかにも、ホランドの職業適性タイプ理論(RIASEC)などの職務適性理論を参考にして、「自分の性格に合っている可能性がある仕事」から業界を探してみるのも良いでしょう。

例えばホランドの職業適性タイプ理論は、同じ職業に就いている人々は類似したパーソナリティー特性を示すことが多く、環境とパーソナリティーは相互作用しているという考え方を基に、パーソナリティーと働く環境を以下の図のように6つに分類したもの。自分がどのタイプに当てはまるかを考えることで、自分の特性を生かしやすい職業領域を考えるヒントにもなるでしょう。

ホランド職業環境6分類_関連のある職業領域

参考)ホランドの職業適性タイプ理論について
厚生労働省による配布資料「平成27年度 大学等におけるキャリア教育実践講座 参考資料」より

2. 「やりたいこと」から志望業界を決める方法

自分がやりたいことから志望業界を探す場合は、リクナビなどの就職情報サイトで、思いついた単語を入れて検索する「キーワード検索」を活用してみましょう。
例えば、ワインが好きなら「ワイン」とキーワード検索をしてみると、飲料メーカーだけではなく、専門商社やワインを自社で直輸入している小売店や外食産業などさまざまな業界がヒットするでしょう。こういった偶然の発見から、視野を広げてそれぞれの業界について詳しく調べていくことをオススメしています。

出版社や新聞社などマスコミを目指す場合

文学部から、出版社や新聞社などのマスコミを目指す学生も多いでしょう。
出版・メディア業界への就職には、正確な情報伝達や論理的な文章構成能力が不可欠。文学部で学んだ思考能力や豊かな言語能力は、文書作成や編集業務などで重宝されるスキルとなるでしょう。
また、文学部の学生は、さまざまな社会問題や文化的背景などを研究することも多いため、学生時代に得た幅広い知識を、出版・メディア業界での仕事に役立てられるかもしれません。心理学や人間科学を専攻しているなら、人の行動パターンに関する知識も豊富なため、報道や出版などを扱う企業で活躍できる可能性もあるでしょう。

一方で、出版・メディア業界は、志望する学生数に対して採用人数が少ない業界でもあります。「文章作成にかかわる仕事をしたい」という思いから志望するのであれば、その希望をかなえられるほかの業界や仕事にも目を向けておくことが大切です。
例えばIT業界は、Webメディアの運営やコンテンツ制作などで企画や編集、執筆などに携われるチャンスがあるかもしれません。文学部で培った思考力や問題解決能力も生かしやすいでしょう。

文学部の就職先「職種」

文学部の先輩たちが就職後に配属された職種を、アンケート結果を基に紹介し、新卒ならではの「希望職種の決め方」も併せて解説します。

文学部の先輩たちが就職・配属された職種

リクナビが「文学部の就職先」調査を200人に対して行った結果、文学部を卒業した人が新卒で配属された職種のうち、最も多かったのは1位「事務系職種」(46.5%)となりました。次いで2位が「営業系職種」(15.5%)、3位が「販売系職種」(12.5%)となっています。

Q 新卒で就職した企業・団体で、入社後に配属された部署に最も近いものを教えてください(n=200、単一回答)

「新卒で就職した企業・団体で、入社後に配属された部署に最も近いものを教えてください」に関するアンケートの回答グラフ

希望職種の決め方

新卒採用の場合は、「文学部だから〇〇職」などと固定概念にとらわれる必要はないでしょう。ただし、入社後にどんなキャリアパスがあるかは確認しておくことが大切です。また、職種別採用に応募する場合も、企業のカルチャーと自分がフィットするかは確認しましょう。

1. 新卒では職種にこだわりすぎる必要はない

近年は、選考の段階で配属先の職種を決める「職種別採用」も増えてきていますが、新卒採用においては職種を定めず総合職などに応募するケースも多いでしょう。多くの企業では、入社後に適性や成果、希望などによって部署異動するチャンスがあるので、新卒で就職する際には、職種にこだわりすぎなくても良いでしょう。
「文学部から事務職」などのように、固定観念で職種を選ぶ必要もありません。

2. 総合職などでの入社後にどんなキャリアパスがあるか要確認

ただし、研究職など一部の専門性が高い職種に対しては、大学院などで経験を積んでいる人しか採用していないケースもあります。企業研究時に、希望するキャリアパスがあるかを確認するようにしましょう。

3. 職種別採用でも企業カルチャーと合うかは要確認

また、職種別採用の場合でも、新卒採用では企業とのカルチャーフィットを重視する傾向にあります。例えば同じ事務職であっても、企業によって「自ら企画提案もできる人」「依頼された資料を手早く作成できる人」など求める人物像が異なります。
希望職種を決めて就活する場合も、「この職種で働けるならどこの企業でもいい」と考えるのではなく、企業ごとのカルチャーも確認することが大切です。

文学部の専門性を生かして就職するかどうか

文学部の専門性を生かして就職するかどうかを考えるために、「専門性を生かして就職した先輩たちの割合と就職先」「専門性を生かして就職したい人向けの業界・職種」を紹介します。

文学部の専門性を生かして就職した先輩たちの割合

リクナビが「文学部の就職先」調査を200人に対して行ったところ、新卒で就職した際に文学部の専門性を生かして就職したと考えている人は、全体の4分の1(25.0%)でした。
文学部の卒業生の4分の3(75.0%)は、新卒は専門性を生かさずに就職しているようです。

Q 新卒で就職した際、文学部の専門性を生かして就職したと思いますか(n=200、単一回答)

「新卒で就職した際、文学部の専門性を生かして就職したと思いますか」に関するアンケートの回答グラフ

就活では無理に専門性を生かす必要はない

アンケートの結果でもわかる通り、新卒で就職するときには、文学部の専門性を無理に生かそうとする必要はないでしょう。

新卒採用を行う企業の多くは、大学での経験にかかわらず、入社後に自社で必要な教育を提供して人材育成をしようとしています。さらに現在の就活市場は、企業が求める人材の数に対して、就職希望者の数が少ない状況です。そのため企業も、新卒者に対して専門性や実績などはあまり求めないケースの方が多いでしょう。

専門性を生かした先輩たちの就職先

アンケートの結果、「新卒で就職した際、文学部の専門性を生かして就職した」と考えている先輩たちの就職先業界は、メーカー業界、サービス業界、インフラ業界、公社・官庁業界、
商社業界、銀行・証券・保険・金融業界、百貨店・専門店・流通・小売業界、IT・ソフトウェア・情報処理業界など多岐にわたっていました。
配属された部署も事務系・営業系・販売系・IT系・技術系・専門系と幅広い回答が得られました。

ここでは、先輩たちが「就職先・配属先に対して、専門性を生かして就職したと考えている理由」をいくつか紹介します。

【教育業界に就職して、資料作成などの業務に従事】
言葉を扱う仕事だから。

【航空・空港業界に就職して、空港での業務に従事】
語学やコミュニケーション力が必要とされたから。

【専門商社業界に就職して、営業部での仕事に従事】
お客さまと電話で話すことが多いので、正しい日本語を使うことが常に求められているから。

【地方公務員に就職して、文化財にかかわる業務に従事】
自分の専門と直結した仕事内容だから。

【ホテル業界に就職して、ホテルフロント業務に従事】
さまざまな文化の人との交流に役立ったから。

専門性を生かして就職したい人向けの業界・職種は?

文学部の専門性を生かして就職したい人は、自分が興味を持って身につけた知識・スキルで活躍できる業界を目指してみましょう。文学部で学んだ内容を生かせる業種・職種であれば、選考の際に評価されやすいのも特徴です。

ここでは人事・採用コンサルティングを行う人材研究所の曽和利光さんに、専門性を生かしやすい業界、職種の例を挙げてもらいました。

文学部の専門性を生かしやすい業界の例(8選)

  1. 卸売、小売業界
  2. IT業界
  3. 出版・メディア業界
  4. メーカー業界
  5. 教育業界
  6. 医療、福祉業界
  7. サービス業界
  8. 国家・地方公務員

文学部の専門性を生かしやすい職種の例(4選)

  1. 総務・人事職
  2. 事務職
  3. 編集者
  4. 営業職
  5. 教職員(中学校教諭・高等学校教諭)

文学部の強み・企業が期待していること

ここでは文学部での学生生活を通して得られやすい強みや、文学部の学生に対して企業が期待していることの例を6つ紹介します。

  1. 文章力
  2. 情報収集力
  3. さまざまな分野の教養
  4. クリティカルシンキング
  5. 語学力
  6. プレゼン能力

1. 文章力

文学部生の強みとしてまず挙げられるのは、文章力でしょう。文学部はレポートや論文を書く機会も多く、自身の考えを文章で論理的に伝える能力を育んでいるとも言えます。培われた高い文章力は、就職した後にもビジネスメールの作成やキャッチコピーの考案など、仕事で役立つ場面がたくさんあるはずです。
就活においても、エントリーシート(ES)や履歴書などの書類作成の際に、端的でわかりやすい文章を記載できることが、大きな強みとなるでしょう。

2. 情報収集力

就活では、「なぜその業界を志望するのか」「なぜその企業に就職したいのか」自分なりの答えを見つけるために、企業研究や業界研究など情報収集が欠かせません。文学部では、日々の研究や論文作成のために参考文献などを探す機会も多いので、情報収集力が培われているはずです。
就職した後にも、未経験の業務について自分で調べながら進める際など、鍛えた情報収集力を発揮する機会は多いでしょう。

3. さまざまな分野の教養

文学部は、一般教養科目などで国語や社会、歴史、外国語などを幅広く学びます。そのため、限られた分野や専門分野を学んできた学生よりも教養力が高い傾向にあります。
就活のWebテストや適性検査、SPIなどを受ける際に、一般教養や一般常識に関する問題が苦にならない人も多いでしょう。

4. クリティカルシンキング

クリティカルシンキングとは、現状の課題・問題が何か、その事象を「批判的」に捉えて、
本質的な課題や解決策を見つける思考法のことです。
文学部では、正解のない問いに対して自分一人で考え、答えを導き出していくことが求められるケースも多いので、クリティカルシンキングが身につきやすい傾向にあります。
就活では「他社ではなく自社である理由」や「ほかの業界ではない理由」などを見つける際に役立ち、就職後も会議や議論の中で物事の本質を見極める力として活用できるでしょう。

5. 語学力

文学部は第二言語・第三言語の履修が求められることも多く、英語をはじめとする外国語の学習機会に恵まれているのが特徴です。留学をするための環境が整っている学校も多いでしょう。
ビジネスシーンでの需要が多い英語に加えて、第二外国語能力を高いレベルで習得できれば、外資系企業やグローバル展開する企業など、就職先の選択肢がさらに広がります。就活の選考においても大きな強みになるでしょう。

6. プレゼン能力

文学部の授業は、自分の考察や意見をまとめたり、発表したりする機会が多い傾向にあります。相手にわかりやすく伝えることや、論理的に伝えるプレゼンテーション能力が培われるので、就活でも面接やグループディスカッションに活用できるでしょう。
また、就職した後も、社内会議でのプレゼンや、営業先に提案する企画立案などにも役立つ強みとなるでしょう。

文学部の就活のポイント

ここでは、文学部ならではの就活のポイントを5つ紹介します。

  1. 一般的な就活スケジュールに加えて、企業の独自選考スケジュールをチェック
  2. 社会人としての業務や社会の仕組みを具体的にイメージする
  3. いろいろな語学を習得する
  4. 学んだことを生かして活躍しやすい職種や環境を選ぶ
  5. 学内外で人脈をつくる

1. 一般的な就活スケジュールに加えて、企業の独自選考スケジュールをチェック

文学部生が就活をするときは、政府が主導する一般的な就活スケジュールに加えて、企業独自の選考スケジュールもチェックするようにしましょう。
外資系コンサル企業や、外資系金融企業、ベンチャー企業などの中には、独自のスケジュールで採用選考を進める企業もあります。過去の選考や、説明会の開催時期、エントリーシートの受け付け時期などを調べ、カレンダーにメモをしておくと良いでしょう。

<一般的な就活スケジュール(政府が主導する現行ルール)>

一般的な就活スケジュール

就活スケジュールまとめ|学年ごとの流れ・卒業年次別の動向

2. 社会人としての業務や社会の仕組みを具体的にイメージする

文学部での学びは、ビジネスに直接的にかかわりのない内容が多いため、「やりたいことが明確になりにくい」傾向があります。そのため就活では、社会人としての業務や社会の仕組みをどれだけ具体的にイメージできるようになるかがカギとなります。
例えば、大学で専攻している分野と共通点のある業界を探したり、インターンシップ等のキャリア形成支援プログラムにいくつか参加したりして、具体的な働くイメージをつかみましょう。
例えば、教育分野を専攻している学生なら、塾や予備校などの教育業界や教育関連の出版社などを、文学を専攻している学生なら、IT業界などで文章力を生かせるコンテンツ制作の仕事など検討してみるのもよいでしょう。

3. いろいろな語学を習得する

文学部では、英語を学んでいる学生も多いでしょう。
外資系企業で働きたい場合や、海外での活躍も視野に入れている場合は、英語はもちろんのこと、そのほかの外国語も習得しておくと就活でも有利になりやすいでしょう。
実践的な語学力を身につけておけば、就活で高い評価を得られるはずです。

4. 学んだことを生かして活躍しやすい職種や環境を選ぶ

就活では、自己分析をして、知識や教養、自分の適性を把握した上で、活躍しやすい環境や職種を選ぶことも重要です。
文学部は論理的思考力と情報収集能力を磨きやすい学部で、資料作成を得意とする人も多いため、事務職や営業職、総務職などで活躍しやすいでしょう。数字に弱いと思われがちなので、簿記など数字にかかわる資格を取ると周りとの差別化にもつながるかもしれません。
もちろん、いくら適性がある職種であっても、最終的には自分自身で納得して就職先を決めることが大切です。

5. 学内外で人脈をつくる

文学部では教員になる人や大学院へ進学する人、海外留学を選択する人も多く、卒業後の進路は多岐にわたります。そのため、民間企業を志望する学生や、そこで働く卒業生はほかの学部に比べると比較的少ない傾向にあるでしょう。このことは就活においては、学部の同級生と就活の情報交換をしづらく、志望企業のOB・OGを見つけづらい難点となります。
そこで、大切になってくるのが人脈。サークルや部活で、ほかの学部の同級生や先輩とも交流を持ち、学校のキャリアセンターなどを活用して志望企業のOB・OGを紹介してもらうようにしましょう。

図書室にいる学生

文学部の就職についてよくある疑問

文学部の就職についてよくある疑問にお答えします。

Q.文学部は就職できないと聞きました。就活では不利ですか?

近年は、就活生の人数よりも、企業が求める採用人数の方が多い売り手市場のため、「どこにも就職できない」という状況は考えにくいでしょう。
ただし、企業が学生に対してスカウトを行うターゲティング型採用では、文学部の学生を積極的に採用したいと考える企業が少ない傾向にあるのも事実です。これは、文学部での学びが、教養や学術探究の側面が大きく、ビジネスの最前線とは直結しにくいからです。

「文学部は就活に不利」という考えは、就活における初期段階で企業からの働きかけが少ないことに基づいているので、決して「文学部だから就職できない」という意味ではありません。言うなれば、自ら行動量を増やすことで簡単に払拭できる程度の不利でしかないのです。
もしも文学部で就活に苦戦することが心配ならば、エントリー社数や説明会への参加社数を増やし、機会があればインターンシップ等のキャリア形成支援プログラムにも参加して、企業との接点を増やすことを心がけてみてください。

Q.文学部生が取得すると就活で有利になる資格はありますか?

文学部の就活に役立つ資格としては、以下の7個が挙げられるでしょう。

  1. TOEIC(R)などの言語資格 ※800点以上が望ましい
  2. 日商簿記検定試験
  3. マイクロソフト オフィス スペシャリスト(MOS)などのIT関連資格
  4. 国語科や社会科の教員免許
  5. 臨床心理士やメンタル心理カウンセラーなど ※学科による
  6. ファイナンシャル・プランナー(FP) ※2級取得を目標に3級から始める
  7. プログラミングやIT系の資格

文学部から外資系企業や商社などを志望する場合は、言語資格が有効です。例えば「TOEIC(R)」であれば800点〜900点くらいを目指しましょう。
また、「日商簿記検定試験」などによって数字への強さを証明できれば、文学部の強みである語学力と相まってほかの学生との差別化を図ることもできるでしょう。IT系の資格に挑戦する文学部の学生も増えており、「プログラミング系の資格」は出版業界やマスコミへの就職に、「Webデザイナーやアプリ開発の資格」は、デザイン会社や広告代理店への就職に有利になるでしょう。

Q. 教員採用試験と、民間企業への就活は併願可能ですか?その場合のポイントを教えてください。

教員採用試験と民間企業への就活は、併願可能です。試験に合格するかどうかわからない状況下で、民間企業への就活を進める就活生も少なくありません。

応募者が教員採用試験と併願していると判明した場合、企業の採用担当者は「試験に受かったら内定辞退して教員になるだろうな」と考えることが多いでしょう。近年は、予定していた人数を採用できない企業も少なくないため、辞退しそうな学生に対して人事が内定を出すことをためらうケースも考えられます。
就活の選考で不利になる可能性もあるので、教員採用試験と併願していることを、企業側にわざわざ言う必要はないでしょう。教員採用試験を受けているか、受かった場合にはどうするのかを問われた場合は、ほんの少しでも迷いがあるのならば「決めかねています」というような回答にとどめておくと良いでしょう。

なお、応募種別や地域にもよりますが、これまで教員採用試験の実施日の目安は6月、合格発表はおおむね9月〜10月とされていました。しかし文部科学省の方針により、2025年度からは試験実施日の目安が5月に早まります。民間企業の最終面接前の時期と重なる可能性があるので、正確な試験実施日を早めに確認し、試験準備と面接準備のスケジューリングを立てましょう。

 

「リクナビ」ではインターンシップ&キャリアを検索したり、就活スケジュールのほか、就活準備に関するノウハウ記事をチェックしたりすることができます。学生時代の過ごし方を考える際、就活に関する情報も確認してみましょう。

 

【調査概要】
調査期間:2024年9月18日~9月24日
調査サンプル:文学部を卒業した社会人200人
調査協力:株式会社クロス・マーケティング

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曽和利光さんプロフィール写真

【監修】曽和利光さん
株式会社人材研究所・代表取締役社長。1995年、京都大学教育学部教育心理学科卒業後、リクルートで人事コンサルタント、採用グループのゼネラルマネージャーなどを経験。その後、ライフネット生命、オープンハウスで人事部門責任者を務める。2011年に人事・採用コンサルティングや教育研修などを手掛ける人材研究所を設立。『「ネットワーク採用」とは何か』(労務行政)、『人事と採用のセオリー 成長企業に共通する組織運営の原理と原則』(ソシム)など著書多数。最新刊に『コミュ障のための面接戦略』(星海社新書)がある。

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記事作成日:2025年2月6日

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