環境への取り組み

省エネへの取り組み

世界最高水準の省エネ技術。

社会生活に欠かせない「鉄」。 その製造プロセスでは多くのエネルギーを必要としますが、 日本の鉄鋼業は1971年以降約5兆円もの資金を投じ、世界でいち早く省エネ・環境対策に取り組んできています。 現在、鉄鋼業界は、2020年度をターゲットとした「低炭素社会実行計画フェーズI」を推進中。 また、2014年11月には、2030年度をターゲットとする「低炭素社会実行計画フェーズⅡ」を策定。 成長戦略と環境対策を両立させていることこそ、日本の鉄鋼業が秘める底力。ちなみに、 RITE(地球環境産業研究所)が発行したレポートにおいても、 日本の鉄鋼業界は世界で最も高いエネルギー効率を誇っていると評価されています。 今後も業界全体で省エネ・環境投資や技術開発を続けて、地球環境への責任をはたしていきます。

鉄鋼業のエネルギー効率の国際比較

図:日本のエネルギー効率は世界最高。グラフで表していて、左から日本100、韓国103、独109、中116、英117,仏119、伯122、印123、露128、米130と立体的な縦グラフが階段のように上に大きくなっている様子。
出所:「エネルギー効率の国際比較」RITE,
(日訳・数値化は日本鉄鋼連盟)

製品による省エネ貢献

製品を通して、環境問題を解決。

鉄の生産に要するエネルギー削減のみならず、そこで生み出される製品や副産物を通しても、社会全体に省エネ効果をもたらしています。それは、優れた技術力を擁する日本の鉄鋼業だから果たせること。たとえば、軽くて丈夫な鉄を開発供給することで、自動車や船舶の軽量化を実現し、燃費の改善につなげています。また、発電効率をさらに向上させる電磁鋼板も大きく貢献。こちらは発電所やハイブリッドカーのモーターに使用されています。こうして製品によって削除されたエネルギーをCO2に換算すると、2017年度は2973万トンにもおよんでいます。これは日本全体の年間排出量の約2%にあたる数字。日本の鉄鋼業界は、私たちの暮らしにごく身近な製品を通して、環境問題解決に大きく寄与しているんです。

鉄鋼製品・副産物によるCO2 削減効果
(2018年度・国内+輸出)

図:CO2削減量 3106万 t-co2。円グラフで表しています。自動車1380、変圧器889、船舶262、変圧器ボイラー548、電車28。
出所:日本エネルギー経済研究所データより鉄鋼連盟作成

セクター別アプローチへの取り組み

「地球益」を考えて、世界の鉄鋼業界を革新。

「地球益」を考えて、世界の鉄鋼業

を革新。

地球規模での温暖化対策を目指すには、発展途上国を含めた全ての国が温室効果ガスの削減に向けて取り組みを行うことが重要です。今後もインド等の途上国を中心に世界の鉄鋼需要の拡大が確実視されるなか、日本の鉄鋼業界はセクター(業界)別アプローチを提唱しています。日本の鉄鋼業が今まで培ってきた世界最高レベルの省エネ技術を諸外国へ移転することで、一番エネルギー効率の良い方法で鉄を製造することができ、世界規模でのCO2削減が可能となります。すでに中国、インドとの2国間連携やアセアンとの多国間連携を通じて、日本鉄鋼業の省エネの取り組みの紹介や、相手国政府に対する省エネ分野での政策提言などを実施しています。このような取り組みの結果、日本からの優れた省エネ技術・設備の各国への移転・普及によるCO2削減効果は年間約5500万トンに達しています。日本鉄鋼業は、これまで培ってきた省エネ技術やノウハウを国際貢献のために他国の鉄鋼業にも提供するという英断を下し、このセクター別アプローチを主導しています。 ※クリーンエネルギー大臣会合でAPPを発展的に開放し、新たな官民の国際枠組としてGSEPを設立。

主要各国・地域の粗鋼生産量推移

図:線グラフで主要各国・地域の粗鋼生産量推移を表している。1900年多い順番でCIS、EU28、日本、米国、中国、インド。1995年ごろから、中国が生産量2番目に。2005年には、中国が1番目に。2019年、一番低かったインドが、3番目の生産量になりました。
出所:worldsteel(世界鉄鋼協会)
単位:100万t