| 社名 | 第一三共株式会社 |
|---|---|
| 本社所在地 | 東京都中央区日本橋本町三丁目5番1号 |
| ホームページ | https://www.daiichisankyo.co.jp/ |
詳細はリンク先外部サイトをご確認ください。 2026年5月11日時点情報
初回掲載日:2026年5月27日
企業研究
56件の情報源AIがWeb上の情報を収集・分析しました。
がん領域を軸に、病院向けの新薬を日本と海外に届ける創薬企業。
仕事の中心は、医療用医薬品の研究・開発・製造・販売。病院や医療関係者に、薬だけでなく必要な情報も届ける会社。
がん事業を中核に置き、病院や専門医で使う薬を主戦場にしている。今ある標準的な治療を変える薬を目指しているのが大きい。
強みはADC。抗体でがん細胞の目印を狙い、薬を中へ運ぶ仕組みで、エンハーツがその代表例。乳がん、胃がん、肺がんで承認され、世界約50カ国・地域で使われている。
研究の現場は、品川や葛西だけでなく、米国や欧州の拠点ともつながっている。探索研究から臨床開発、品質対応までを国をまたいで回している。
三共と第一製薬の統合で始まった会社で、120年以上続く創薬の歴史を土台にしている。昔からの薬づくりの積み重ねが、今の新薬開発につながっている。
大事にしているのは、「患者さんへの思いやりとイノベーションへの情熱」。患者さんの声を聞きながら、薬をどう届けるかまで考える姿勢がある。
がん以外でも、エドキサバンのように循環器の薬を世界へ広げている。発売後も臨床研究を重ねて、使われ方の幅を広げている。
ADC:抗体薬物複合体のこと。がん細胞の目印をねらう抗体に薬をつなげ、薬をがん細胞へ直接届ける仕組み。
創業
第一三共の原点は、1899年に始まった三共商店と、1915年に始まった第一製薬の前身にあります。三共は、米国で開発された胃腸薬タカヂアスターゼの販売から出発し、薬を売るだけでなく自分たちで作るために1905年に箱崎工場を開きましたが、すぐに手狭になりました。そこで1908年、箱崎工場の約10倍の広さがある品川の赤煉瓦工場を買収して製造を広げていきます。第一製薬は、当時の国民病の一つだった梅毒の治療薬サルバルサンの国産化から始まり、必要な薬を日本で形にするところから歩み出しました。今の第一三共は、この二つの流れを土台にしています。
転換点
2005年、三共と第一製薬が株式移転で第一三共を設立し、2007年に新生第一三共グループとして動き出しました。ここから会社は、二つの長い歴史を一つにまとめるだけでなく、がん領域を軸にした新しい創薬へ重心を寄せていきます。転機を決めたのがADCでした。ADCは長く実用化が難しく、第一三共も2010年に新たなADC技術の確立に向けた研究チームを発足します。研究は、三共が持っていた抗体研究と、第一製薬が持っていた薬物の研究成果を組み合わせながら進み、2013年にDXd ADC技術の確立へつながりました。2015年には2025年ビジョンとして「がんに強みを持つ先進的グローバル創薬企業」を掲げ、がん事業を中心とする方針を明確にし、2019年にはDS-8201でアストラゼネカとグローバル提携、2020年にエンハーツを発売しました。
現在
今の第一三共は、売上収益2兆1,230億円のうち海外売上比率が72.7%で、米国35.3%、欧州23.4%を占めています。主力のグローバル製品はエンハーツ、リクシアナ、ダトロウェイです。日本では、事業の中心となるイノベーティブ医薬品に加えて、ワクチンとOTC医薬品/ヘルスケア製品の3事業を展開しています。生活者向けではロキソニンS、ルル、トランシーノ、ミノン、クリーンデンタルが並び、病院向けの薬と日常の薬が同じグループに入っています。
これから
これからは、がん領域が中心です。2035年ビジョンの実現に向けて、2026〜2030年度の中期経営計画では、がん領域の5つの製品で20以上の適応症を上市することを目指しています。研究開発では『5DXd ADCs and Next Wave』戦略を掲げ、エンハーツ、ダトロウェイ、HER3-DXd、I-DXd、R-DXdの5つの主力ADCに資源を集中し、患者さんの十分な治療法がまだない領域に向けた次の候補も育てています。
ADC:抗体薬物複合体。がん細胞を目印にする抗体に薬をつけ、薬をがん細胞へ運びやすくした薬の作り方です。
理念/ミッション
革新的医薬品を継続的に創出し、多様な医療ニーズに応える医薬品を提供する
価値観/行動指針
コア・バリューは Innovation / Integrity / Accountability。行動の指針として Core Behaviors は Be Inclusive & Embrace Diversity / Collaborate & Trust / Develop & Grow。
がんに開発資源を集める
世界のがん薬市場は、IQVIAの2025年報告で2029年に4,410億ドル規模まで伸びる見込みが示されている。第一三共は『5DXd ADCs and Next Wave』戦略のもと、5つの主力ADCにリソースを集中している。大きい市場の中でも、がん領域の中核をADCで取りにいく作り方がはっきりしている。
同じ技術の土台で次の薬を増やす
DXd ADC技術は、リンカーとペイロードに特徴があり、同じペイロードとリンカーを別の抗体と組み合わせて、異なる標的の薬に広げられる。1つの製品だけを磨くのではなく、共通の技術基盤から次の薬を連続して生む作り方が、仕事の中心にある。
研究を社内完結にしない
120年にわたる創薬の歴史を土台にしながら、ビジネスパートナーやアカデミアとの連携を明記している。自前の研究だけで進めるのではなく、外の知見を取り込みながら、日本発の創薬を世界に届ける組み方になっている。
ADC:Antibody Drug Conjugate(抗体薬物複合体)。抗体に薬をつないで、がん細胞まで薬を届ける薬の形。
DXd ADC技術:第一三共が独自に持つADC技術。リンカーとペイロードに特徴があり、別の抗体へ広げやすい。
Core Behaviors:社員の日々の行動の指針。第一三共では Be Inclusive & Embrace Diversity / Collaborate & Trust / Develop & Grow を置いている。
医薬品業界は、人々の命と健康を守るために、病気の治療や予防に役立つ薬を研究・開発し、製造して世の中に届ける業界です。新しい薬の発見から、工場での大量生産、そして病院や薬局への流通までを一貫して行い、病気で苦しむ人々に希望と回復の機会を提供することで、社会の健康を根底から支えています。
業界でやっていること
『研究職』が新しい薬の種を見つけ、『開発職』がその薬が安全で効果があるかを臨床試験で確認します。承認された薬は『生産・品質管理職』が工場で安定して製造し、『MR(医薬情報担当者)』が医療機関に薬の情報を正確に伝え、適切な使用を促します。このように、研究から患者さんの手元に届くまで、多くの専門職が連携して薬という価値を創造しています。
この業界を見るポイント
「新薬の開発に注力しているか」と「既存薬の安定供給を重視しているか」で、企業のビジネスモデルや働き方が大きく異なります。新薬開発型は、画期的な薬を生み出すための長期的な研究開発投資や、グローバル市場での競争力が重要になります。一方、既存薬を扱う企業は、安定した品質での大量生産能力や、効率的な流通網の構築が強みとなります。どちらの「戦い方」に魅力を感じるかで、企業選びの軸が見えてくるでしょう。
知っておくとよい基礎知識
国内では高齢化が進み医療費抑制の動きがあるため、ただ薬を売るだけでなく、病気の予防や健康維持をサポートするデジタルサービスなど、医薬品以外の領域にも事業を広げる動きが活発です。また、新薬開発には莫大な時間と費用がかかるため、AIを活用して効率化を図ったり、大学やスタートアップ企業と協力して新しい薬を生み出したりする「オープンイノベーション」も進んでいます。
第一三共は、国内の定番薬で土台を作りながら、がん薬、とくにADCで世界を取りにいく会社として見るとわかりやすいです。比べる軸は「国内で安定した収益を持てるか」と「世界で通用するがん薬をどこまで伸ばせるか」で、同業の中でもがん領域への寄せ方が強い立ち位置です。
市場規模
日本の医療用医薬品市場は、2015年度から2024年度まで10.1兆円〜11.1兆円の間で動いており、10年でほぼ横ばいです。つまり、この業界は「数が自然に増える市場」ではなく、新薬や高付加価値の薬で単価を取れる会社が強い市場です。世界では医薬品支出が2028年に約2.3兆ドルまで伸びる見通しですが、日本は2028年まで年率-1〜2%の予測で、国内だけでは伸びにくい構図です。第一三共を見るときは、日本で守りながら、世界で伸びる薬をどこまで作れているかを見るのが大事です。
業界内ポジション
第一三共は、武田薬品のように多領域へ広く分ける型でも、Chugaiのようにロシュとの連携を土台にする型でもなく、DXd ADCという技術に資本と人を集めてがんで勝つ型です。2024年度のがん領域売上収益は6,514億円で、2025年度は9,000億円を見込んでおり、すでに研究だけの会社ではなく、売上の芯をがん薬に移しつつあります。国内では収益基盤を持ち、海外ではエンハーツを軸に米欧中へ広げるので、『日本で土台をつくり、世界で伸ばす』構造がはっきりしています。
DXd ADCという一つの技術を会社の中心に置いているので、「新しい薬を自分たちで生み出して広げる」仕事の流れが見えやすいです。
エンハーツは世界約50カ国・地域で承認されており、1つの薬を日本だけでなく米欧中へ広げる仕事が多いです。国ごとの承認や販売の違いを相手にする仕事を想像しやすい会社です。
国内医薬品事業が収益基盤なので、研究だけでなく、売る・届ける側の仕事も会社の中でつながって見えます。薬を作る会社というより、薬を世の中に通す会社としての全体像を持ちやすいです。
2024年度のがん領域売上収益は6,514億円で、2025年度は9,000億円を見込んでいます。すでに大きい実績を持つ事業を、さらに伸ばす段階にあるのが特徴です。
日本の医薬品市場は10年でほぼ横ばいで、薬価も制度変更の影響を受けやすいです。国内だけを前提にすると、売上を大きく伸ばしにくい環境です。
新薬は当たる薬と外れる薬の差が大きく、開発に時間もかかります。見込みどおりに進まないこと自体が、業界の普通のリスクです。
特許が切れると後発医薬品が出てきて、売上が急に落ちることがあります。新薬を継続的に生み続けないと、売上が細りやすい業界です。
海外で売る薬は、国ごとの承認や保険での扱いが違います。1つの国で通っても、別の国で同じように売れるとは限らず、時間と費用がかかります。
薬は安全性を守りながら作り、安定して届ける必要があります。原料、製造、輸送のどこかで止まると影響が大きく、供給責任が重い業界です。
ADC:抗体薬物複合体のことです。がん細胞を目印にして薬を運ぶ仕組みで、体の中でむやみに薬が広がりにくいように工夫した薬です。
薬価:公的医療保険の中で決まる薬の価格です。国の制度変更の影響を受けやすく、製薬会社の収益に直結します。
※上記はあくまで一例であり、実際とは異なる場合があります。
「1年目は固形製剤の現場メインで、製造ラインの立ち上げから、工程の決め方や中間製品の評価まで覚えていきました。7年目からは3年間、製剤技術研究所に出向して、処方や製法、工程内の品質まで学び直したのが大きかったです。今は生産技術グループで製法や試験法の改良、原料の見直しを担当し、後輩には『まず実際の製造状態を見る』と伝えています。数字だけでなく、現場の違和感を拾うのが好きな人に向いています。」
2010年入社
「入社後7年間は、オンコロジー領域の臨床試験の推進と計画を担当しました。最初は医療機関の管理が中心で、今は大規模なグローバル試験を動かし、国や地域、社内外の関係者の間で連絡の軸になる仕事をしています。患者さんや医療従事者に丁寧に説明しながら、段取りを組み立てる仕事なので、調整を苦にしない人や、人に分かる言葉で話せる人に合いそうです。大変さはありますが、チームで前に進める手応えが大きい仕事だと思います。」
2009年入社
「入社してから約6年間、開発部門、プロジェクトマネジメント、薬事など、幅広い職種の人と仕事をしました。担当する分野ごとに考え方が違うのが印象的で、自分の研究だけを深めるのではなく、相手の視点を聞きながら前に進める面白さがありました。2024年7月からはボストンへ赴任し、新しい研究分野を探す役割も担います。研究を掘り下げたい気持ちと、周りを巻き込む動き方の両方を楽しめる人に向いていると思います。」
2018年3月入社
MR:製薬会社の営業職。医師や病院スタッフに薬の情報を届け、使い方や患者さんへの役立ち方を伝える仕事です。
研究開発本部
研究職
薬のたねを実験で絞り込み、次の試験へつなぐ
候補物質の実験評価:細胞の準備から薬の効果確認、核酸やたんぱく質の分析、顕微鏡での観察までを行い、結果を研究チームに報告する。
他部署と候補を磨く:実験で得た結果を解釈し、他部署の協力を得ながら候補物質に改良を重ね、臨床試験につなげる。
研究チームで実験結果を持ち寄り、次に回す候補や条件を決める。
実験を回すだけでなく、結果をどう読むかと次の改良をどうつなぐかが重い。細胞や動物の実験から臨床試験へ進む前段を担うので、1回の判断がその後の開発に響く。
2026年8月26日更新
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