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初回掲載日:2026年6月9日

企業研究

63件の情報源

AIがWeb上の情報を収集・分析しました。

企業の特徴

畑の除草剤から、液晶画面や半導体に使う材料まで広げた、用途をしぼって作る化学メーカー。

  • 農薬、機能性材料、化学品、ヘルスケアを持つ会社。ひとつの看板商品だけでなく、用途ごとに別の製品群を積み上げている。

  • 土台は5つの技術。微粒子制御、機能性高分子設計、生物評価、精密有機合成、光制御を組み合わせて、材料を狙った性質に作り分ける。

  • 1887年に日本最初の化学肥料製造会社として始まり、2018年に社名から『工業』を外した。肥料から出発して、今の広い事業に移ってきた流れが見える。

用語ミニ辞典

  • ファインケミカル:用途をしぼって作る高機能な化学品。封止材、難燃剤、消毒剤などが入る。

創業ストーリー

  1. 創業

    1887年、日産化学の前身である東京人造肥料は、日本で最初の化学肥料製造会社として始まりました。きっかけは、後に世界的な化学者となる高峰譲吉が、留学先の英国で化学肥料の製造を知り、帰国後に日本でも必要だと渋沢栄一へ伝えたことです。当時の日本では食糧問題の解決が課題で、創業当初の社是は「利農報国」でした。つまり、この会社は「農業を支える肥料を日本で事業にする」ことから出発しています。

  2. 転換点

    大きな転機は1988年の石油化学事業からの撤退です。ここで会社は、量を追う事業から離れ、研究開発から高付加価値の製品を生み出す方向へ寄せました。会社自身も、これを「自らの強みを見極め、その領域に経営資源を集中する」判断だったと説明しています。2018年の社名変更で、業界の枠を越えて事業を広げる姿勢もはっきりさせました。

  3. これから

    今後は、長期計画「Atelier2050」と中期計画「Vista2027 StageⅡ」のもとで、新製品の創出を最重要課題に置いています。重点分野は「情報通信」「ライフサイエンス」「環境・エネルギー」で、機能性材料事業と農業化学品事業に経営資源を集中する方針です。あわせて、Scope1+2のカーボンニュートラルと、2030年を見据えた新製品開発も掲げています。

理念・大事にしていること

  • 理念/ミッション

    社会が求める価値を提供し、地球環境の保護、人類の生存と発展に貢献する

  • 価値観/行動指針

    有用で安全な商品とサービスを提供し、企業価値の増大を図ります

ココが違う

  • 田畑向けと半導体向けを同じ会社で持つ

    農業化学品では除草剤・殺虫剤・殺菌剤を扱い、機能性材料ではディスプレイ材料や半導体材料を扱っています。創業の原点は1887年の日本初の化学肥料製造会社で、今も食料と先端製造の両方に製品があります。仕事の向き先が、農地と工場の両方に広がっている会社です。

  • 研究開発にお金をかけて、自社で材料を作り切る

    2025年度の研究開発費は214億円で、売上高研究開発費比率は7.7%です。会社は5つのコア技術を磨き、数ある化学メーカーの中でも高い水準の研究開発投資を続けています。仕事は、試験で終わらず、量産や顧客用途までつなぐ動きが中心になります。

  • 成長領域を絞って資源を寄せる

    長期経営計画では、情報通信、ライフサイエンス、環境エネルギーを成長事業、素材・サービスを基盤事業として4つに整理しています。研究所人員も機能性材料分野を中心に増やす方針で、広く薄くではなく、伸ばす分野に人と資金を集める作りです。

主力事業/サービス

  • 基礎化学品工場や車の排ガス処理に使う、基本の薬品をつくる仕事。硫酸、硝酸、アンモニアのような工業薬品に加え、半導体洗浄用の高純度薬品や高品位尿素水「アドブルー」を扱います。半導体向けの高純度品と、車向けのアドブルーが同じ事業に入っているのがわかりやすい特徴です。
  • ファインケミカル電子部品や身の回りの製品に入る、特殊な化学材料をつくる仕事。封止剤用の特殊エポキシ「テピック」、ハロゲンフリー難燃剤「メラミンシアヌレート」「PHOSMEL-100」、化粧品原料「NFG」、殺菌・消毒剤「ハイライト」などがあります。電子材料から衛生用品、化粧品まで用途が広く、目的ごとに機能を細かく分けているのがこの事業らしさです。
  • ディスプレイ材料スマホやテレビの画面を作るときに使う材料をつくる仕事。液晶配向材「サンエバー」や無機コーティング材「NHC」、フィルム用ハードコート材料を扱います。アジアを中心に広がるディスプレイ市場向けに、画面の土台や表面を支える材料をそろえているのが特徴です。
  • 半導体材料半導体を細かく作る工程で使う材料をつくる仕事。反射防止コーティング材「ARC」を中心に、多層プロセス用材料や仮貼り合せ材も展開しています。半導体の微細化や高集積化に合わせて、製造工程に必要な材料を広げているのが特徴です。
  • 無機コロイド水の中にとても細かい無機の粒を分散させた材料をつくる仕事。 「スノーテックス」「オルガノシリカゾル」「ナノユース」「アルミナゾル」があり、光学フィルムのコート、精密鋳造、研磨剤、封止材、電気絶縁ワニスなどに使われます。使う場面に合わせて粒の大きさや形を変え、用途ごとに提案するのが強みです。
  • 農薬畑や田んぼの作物を守る薬をつくる仕事。除草剤・殺虫剤・殺菌剤を開発、製造、販売していて、「ラウンドアップ マックスロード」「グレーシア」「タルガ」などがあります。食料生産の現場向けに、作物や病害虫の種類に合わせた製品をそろえているのが特徴です。
  • 緑地管理用薬剤ゴルフ場や公園の草・虫・病気を抑える薬をつくる仕事。「イカルガ」「ベスグリーン」「インプール」「イザナミ」などを扱います。農地向けの農薬とは使う場所が違い、芝生や景観をきれいに保つ現場向けの事業です。
  • 動物用医薬品ペット向けの薬のもとをつくる仕事。ペット用外部寄生虫薬の原薬を開発・製造し、「ブラベクト」の原薬を扱います。人向けの薬や農薬とは別に、動物の健康にしぼった専門性の高い領域です。
  • ヘルスケア医療用の薬を開発して世に出す仕事。血液中のコレステロールを下げる薬の成分「ピタバスタチンカルシウム水和物(リバロ)」や、血圧を下げる薬の成分「エホニジピン塩酸塩(ランデル、FINTE)」があります。薬の完成品に近い領域を持っているのが、この事業の大きな特徴です。

業界全体を理解する

「メーカー業界」とは?

メーカー業界は、原材料から最終製品まで「もの」を企画・製造し、世の中に送り出すことで人々の生活や社会の基盤を支える業界です。製品が消費者の手に届くまでの全工程を担うこともあれば、特定の部品や素材に特化して、他のメーカーを支えることもあります。私たちの身の回りにあるあらゆる製品の誕生に深く関わり、日々の暮らしを豊かにする価値を提供しています。

  • 業界でやっていること

    メーカー業界では、まず『商品企画』が市場のニーズやトレンドを捉えて新製品のアイデアを生み出します。次に『研究開発』がそのアイデアを実現するための技術や素材を開発し、『生産管理』が効率的な製造ラインを構築。そして『資材調達』が国内外から必要な原材料や部品を確保し、工場で製品が形になります。完成した製品は『品質管理』によって厳しくチェックされ、『営業』が顧客に提案・販売することで、私たちの手元に届けられます。企画から販売まで、各職種が連携して「ものづくり」を推進するバリューチェーンが特徴です。

  • この業界を見るポイント

    メーカー業界の企業を見る際は、「誰に何を売っているか」という視点が重要です。例えば、一般消費者向けの製品(BtoC)を扱うメーカーは、スーパーや家電量販店で目にする機会が多く、流行やブランド戦略が仕事の面白さにつながります。一方、企業向けの部品や素材(BtoB)を扱うメーカーは、普段は目に触れないところで、自動車やスマートフォンといった最終製品を支えています。どちらのビジネスモデルに魅力を感じるかで、企業選びの方向性が見えてくるでしょう。

  • 知っておくとよい基礎知識

    メーカー業界では、国内の人口減少や国際競争の激化に対応するため、製品の「高付加価値化」と「グローバル展開」が加速しています。単に安く大量に作るだけでなく、環境に配慮した素材を使ったり、AIを活用して生産効率を上げたりと、より質の高いものづくりを目指しています。また、海外市場での成長を取り込むため、現地のニーズに合わせた製品開発や、海外企業の買収なども積極的に行われています。

業界ナビでもっと詳しく見るメーカー業界の構造・トレンドを深掘りできます

業界マップ

日産化学は、化学メーカーの中でも『原料を大量に売る会社』より、『半導体材料と農業化学品のように、使い道がはっきりした高機能素材で勝つ会社』として見るとわかりやすいです。2025年度は機能性材料と農業化学品が売上の中心で、会社もこの2分野に経営資源を集中しています。比べるときは、会社の大きさよりも『どの用途向けの材料に強いか』『自分で性能を作り込む力がどれだけあるか』を見るのが軸です。

  • 市場規模

    この会社がいる市場は、半導体材料のように先端化で材料の種類が増える市場と、農薬のように食料生産を支える安定需要の市場の両方です。SEMIによると、半導体材料の世界市場は2024年に675億ドルで前年比3.8%増でした。高性能計算や高帯域幅メモリ向けの先端材料需要が伸びたことが背景です。一方、農薬の国内出荷金額は令和6農薬年度で4,071億円、令和5農薬年度の3,999億円からほぼ横ばいです。つまりこの業界は、ただ数を増やすより、半導体なら『より難しい工程に入れる材料』、農業なら『安全性や効き目で選ばれる薬剤』で差が出る市場です。

  • 業界内ポジション

    日産化学は、総合化学のように原料や樹脂を広く抱える会社ではなく、機能性材料と農業化学品に重心を置く会社です。2025年度売上高2,795.9億円のうち、機能性材料は1,001億円、農業化学品は862億円で、会社の稼ぎ頭になっています。さらに、精密有機合成、高分子設計、微粒子制御、生物評価、光制御をコア技術に置き、韓国・台湾・中国蘇州にも研究開発拠点を持っています。つまり、売る量で押す会社というより、顧客の製品に合わせて材料の性能を詰める会社として業界内で立っています。

同じ業界の企業

  • 日産化学株式会社売上高2,795.9億円。機能性材料と農業化学品が中心で、用途特化の材料を作る力に寄せた会社。
  • 住友化学株式会社売上収益2兆3,285億円。Agro & Life Solutions と ICT & Mobility Solutions に資源を集中しつつ、国内のポリオレフィン事業再編も進めている。日産化学よりはるかに大きい総合型で、農業とICTの両方を持つ広い構えが特徴。
  • 三井化学株式会社売上収益1兆8,091.6億円。グローバルスペシャリティへの転換を掲げ、基本素材と高機能素材を切り分けて事業ポートフォリオを組み替えている。日産化学より規模が大きく、会社全体の変革そのものが比較ポイントになる。
  • ADEKA株式会社売上高4,165億円。5つの事業分野を持ち、海外売上比率は54.4%。化学品の中でも添加剤や機能性材料に強く、日産化学と近い『高機能素材型』の比較相手。
  • クミアイ化学工業株式会社売上高1,704.6億円。農薬及び農業関連が売上の主柱で、国内外の農業向け需要に強い。日産化学より農薬にさらに寄った会社として比べやすい。

なぜこの会社か

  • 半導体と農業の両方を持つので、原料一本足の会社より、需要先が分かれている。半導体材料は先端化で材料が増え、農薬は食料生産に直結するため、仕事の成果を社会の場面で想像しやすい。

  • 精密有機合成などの5つのコア技術があり、研究テーマが『この用途にこの性能をどう出すか』になりやすい。研究、品質、製造、営業がつながる仕事をイメージしやすい。

  • 韓国、台湾、中国蘇州に研究開発拠点があり、顧客の近くで材料を詰める仕事がある。国内だけで完結しない開発や調整に関わりやすい。

  • 会社として機能性材料と農業化学品に資源を集中する方針を明確にしているので、何に力を入れる会社かが見えやすい。研究テーマや投資先が散りにくい。

業界の課題・リスク

  • 半導体材料は、顧客の設備投資や半導体市況の変化で需要が動きやすい。

  • 農薬は登録や使用ルールが厳しく、販売前の安全確認に時間がかかる。

用語ミニ辞典

  • 機能性材料:半導体やディスプレイなど、特定の用途で性能を出すための材料です。

  • 農業化学品:農作物を病害虫や雑草から守るための薬剤です。

  • コア技術:会社が長く積み上げてきた、ものづくりの土台になる技術です。日産化学では精密有機合成、高分子設計、微粒子制御、生物評価、光制御がこれに当たります。

  • 登録:農薬を売る前に、国のルールに沿って安全性や使い方を確認し、許可を受けることです。

成長・キャリアパス

  • 1年目入社1年目は、まず現場の流れを体で覚える時期です。工場なら、生産管理で受注計画を見ながら、製造・原料・在庫・物流の段取りをそろえます。研究なら、セルフスタート研修で自分のテーマを探して提案し、先輩や上司、他部門の人に相談しながら形にします。まだ一人で何でも決めるのではなく、先輩に確認しながら、会社の仕事のつなぎ方を覚えていく感じです。
  • 3年目3年目になると、1つの仕事を覚える段階から、周りを巻き込む段階に進みます。研究では、入社3年目から製造プロセスの見直しや新技術導入を考える役割に入る例があり、IRではホームページの見直し、決算説明会資料づくり、投資家との個別面談まで担当します。相手も、先輩中心から、工場・本社・投資家・海外拠点まで広がります。
  • 5年目5年目ごろは、前任のやり方をなぞるだけでなく、自分が主担当として前に出る場面が増えます。工場では新しい動物薬の原薬プラント立ち上げを任され、既存の建屋をどう作り替えるか、品質トラブルをどう防ぐかまで詰めます。営業では海外現地法人の立ち上げを任されることもあり、社内の先輩や現地スタッフ、外部の協力先と細かくやり取りします。
  • 10年目10年目ごろになると、個別の担当をこなすだけでなく、会社の進む方向に近い仕事へ寄っていきます。入社10年目以内の社員が2030年の将来像を考えて経営に提言するプロジェクトがあり、若手のうちから事業の方向づけに関わる土台があります。営業・研究・工場・IRで積んだ経験をつないで、海外拠点や横断プロジェクトを引っ張る役回りに進むイメージです。

※上記はあくまで一例であり、実際とは異なる場合があります。

先輩の声

  • フラスコの反応を工場の実機で再現するプロセス研究が仕事です。2年目までは医薬品のプロセス研究を担当し、3年目からは既存の作り方を見直したり新技術を入れたりする役割へ移りました。正解が一つではない課題を、自分で調べて詰めていく仕事なので、細かい条件を考えるのが好きな人に向いていると思います。

    2010年入社

  • 入社3年目にIRへ移り、ホームページの見直し、決算説明会資料の作成、投資家との個別面談を担当しています。年のべ300社を超える投資家と向き合い、経営の考えを少しでも正しく持ち帰ってもらうのが仕事です。数字や資料を作るだけでなく、相手の思い込みをほどきながら説明するので、話す相手ごとに伝え方を変えられる人に合っています。

    2015年入社

用語ミニ辞典

  • IR:投資家や株主に向けて、会社の考え方や業績をわかりやすく伝える仕事です。

  • プロセス研究:研究室でできた反応を、工場で安全に、安定して、無理なく作れる形に変えていく仕事です。

  • 生産管理:受注、製造、在庫、出荷の段取りをそろえて、製品をきちんと届けるための仕事です。

  • セルフスタート研修:入社1年目の社員が、自分でテーマを探して提案し、形にする研修です。

職種別の働くイメージ

物質科学研究所 戦略技術グループ

研究職 物質研 合成

工場で回る作り方を、新しい反応ごと整える

この職種の業務シーン

  • 既存プロセスの見直し:物質科学研究所の戦略技術グループで、今ある製造プロセスを見直す。現行のやり方だとコストが高いか、製造のスケジュールを短くできるかを確かめ、新しい反応や技術を入れられる形まで詰める。

  • フロー反応の導入検討:連続式のフロー反応を使って、バッチ反応では難しかった製造に切り替えられるかを検討する。装置を小さくできるか、環境負荷を下げられるかを見ながら、実際の工場で使える方法を探る。

1週間の山場

  • 現行プロセスのコストや日程を見直す検討会

  • 新反応を工場に入れられるかを比べる打ち合わせ

実務の実際

  • 正解が最初から決まっていない課題が多く、情報を集めて自分で仮説を組む必要がある。うまくはまると、工場の作り方そのものを変えられる。

用語ミニ辞典

  • 理化学製剤:医薬品の候補を、実際に使える薬の形へ整えるための研究や処方づくり。

最近のニュース・トピック

  • 令和8年熊本地震の被災者のみなさまへの支援について、義援金として1,000万円を日本赤十字社を通じて寄付すると発表しました。

    2026年08月25日

  • 日産化学のキャラクター「ヘキサゴン鳥」が、「NIKKEI企業キャラクター総選挙2026」にエントリーしました。

    2026年08月17日

  • 業績連動型株式報酬制度に係る追加拠出に伴う自己株式の処分を決議しました。

    2026年08月07日

  • 2027年3月期第1四半期決算短信を公表しました。

    2026年08月07日

  • 2027年3月期第1四半期決算説明会資料を掲載しました。

    2026年08月07日

  • 2026年7月の自己株式の取得状況を公表しました。

    2026年08月04日

  • 2026年6月の自己株式の取得状況を公表しました。

    2026年07月02日

2026年8月30日更新

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企業概要
社名日産化学株式会社
本社所在地東京都中央区日本橋二丁目5番1号
ホームページhttps://www.nissanchem.co.jp/