これが私の仕事 |
電車に電力を供給する電車線設備に関する研究開発 電車はパンタグラフをトロリ線に接触させることで変電所からの電力を得ています。このトロリ線をはじめとする、線路に沿って設けられた電線を「電車線」と言い、私の所属する電車線構造研究室では、その機械的な構成に関する研究開発を行っています。
私は現在、メンテナンスを省力化するためにトロリ線を接続する金具の研究開発に携わっています。この金具は、トロリ線がパンタグラフの通過で局所的に摩耗した際の部分交換を実現する一方、接続箇所が摩耗等の弱点箇所になる可能性があります。鉄道分野は経験工学とも言われ、実機検証が先立ち現象理解は後からという面が多々あり、定性的に弱点とわかっていても、利点の勝る金具仕様や走行条件を定量的に求める過程は、難しくも挑戦しがいのある仕事です。 |
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だからこの仕事が好き! 一番うれしかったことにまつわるエピソード |
自分たちの研究成果が営業線で活用されること 入社2年目の時、試作金具の評価試験を任されました。その試作金具は、従来設備に前例のない地震被害が生じたことを受け、地震対策として先輩やメーカ等関係者が共同で開発したものでした。電車線というニッチな分野における前例のない地震被害への対策効果を検証するため、試験方法から検討する必要がありました。自身で勉強するとともに先輩・上司やメーカ等関係者と議論を重ね、合理的な試験方法を考案し、対策効果を定量的に示すことができました。試験結果を受け、試作金具は製品化され、従来設備に代わり新規開業区間に全面導入されました。その金具が実際の営業線に取付けられている姿を見た時は、嬉しく思うとともに、自分たちの成果が活用されることの責任感とやりがいを実感しました。 |
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ズバリ!私がこの会社を選んだ理由 ここが好き |
鉄道というモノを対象に多様な専門家の集まる「総合」技術研究所 就職活動当時、博士課程に在籍しており、実物を対象とした実験を通して現象解明する研究職に就きたい、あわよくば研究分野を変えて視野を広げたいと考えていました。
大学の先生に勧められ、鉄道総研に見学に来たところ、研究所内に大型の試験設備がいくつもあり、構造物・車両・電力・信号情報・人間科学など多分野の研究室が連携して、現象解明といった基礎研究から鉄道の現場で使われる実用的な応用研究まで実施していることがわかりました。常に新しい刺激をもらいながら仕事ができそうと思い、この会社を選びました。
研修期間から現在まで、自ら検討するとともに多分野の同期や先輩・後輩から学び、鉄道の現場で起こっている課題を解決していく点が最大の魅力だと感じています。 |
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これまでのキャリア |
新人研修(6ヶ月間)→電車線構造研究室(2年6ヶ月間)→鉄道事業者(JR)に出向(2年間)→電車線構造研究室(現職) |