『Nさん』(2024年3月卒就活生)と話す機会がありました。
Nさんは、既にうちの会社から内定が出ており、他社の選考をまだ受けながら、どの会社に行くべきかを悩んでいる状態。第一志望の業界と職種(大学で学んでいることを活かせる場所)を受け続け、落ち続けているようでした。
そのため、自信がなくなっており、他の業界・職種にも目を向けるようになって、うちの会社を受けてくれたようです。
話していて思ったのは、明らかに他に対する志望度は低く、第一志望の業界と職種に対するこだわりが強いということ。
「うちの志望理由は?」
→「マイナビで見つけて、他の業界や職種に目を向けようとおもったから」
「うちの選考で語ったビジョンは?」
→「思い出せません」
弊社は「自分で自分の人生をコントロール出来る個人を増やす」というビジョンを掲げている会社なので、「ビジョンは?」という問いに対して「変化に対応できたり、やりたいことを見つけられるようになりたい」という回答があり、「この環境を使ってそういう状態を目指しなさい」という理由から、内定を出したよう。
内定が出ている状態とはいえ、このままの状態で入るべきではないと思い、キャリア対話のような時間にしました。
僕は話を聞いてから、こう言いました。
「たぶんさ、第一志望の業界と職種で一度働かないと、納得できないよね」。
すると、「確かにそうかもしれません」とハッキリした口調で返答が。
第一志望の業種を受け続けて、落ち続けているという事実がある中で、「どの会社でもいいからその業界と職種で働くために受け続ける(どの会社で働くかは関係ない)」という姿勢を感じたので、その言葉を投げかけました。
第一志望じゃない業界・職種の会社を受け続けている状況の中で、「納得するまで就活を続ける」と言っていましたが、「どんな状態になったら納得するの?」と問うと回答が返ってきません。
仮に期限を決めて、「この会社(第一志望じゃない業界・職種)に行く」と決めたとしても、その期限の後に、第一志望の業界と職種で企業があれば、間違いなくその選考を受けると思いましたし、Nさんも「間違いなくそうします」と答えていました。
外的要因による意思決定をしたとしても、心の中での踏ん切りはついておらず、機会があればそっちに行く状態を『納得した状態』とは言えません。
心の中での納得状態を作ってほしいと思い、結果的にうちの会社に来なくてもいいから、第一志望の業界と職種で働けるような武器を与えました。
「落ちた理由はわかる?」
フィードバックやNさんなりの分析から、総じて「企業分析が足りない」という理由が出てきました。
ただ、話を聞いていると、足りないのは企業分析ではありません・・・『自己分析』です。
「そんなのやってる」と思いますが、僕の感覚値では、ほとんどの人の自己分析はそうではないです。
自己分析をちゃんとやってないから、選考の結果に一喜一憂してしまって、合格をもらうことで自信を持ち、不合格になったら自信をなくしてしまう。
自己分析というのは、自分の目指す方向性を明確にすること。
企業は、ミッションやビジョン、理念などを言語化することで、目指す方向性を明らかにしていますから、自分が目指す方向性と合致する企業を見つけて、そこを受ければいいだけなんです。
そうすれば、「自分はこういう理由でこの方向を向いています。御社はこういうビジョンを掲げながら経営しており、それは自分と同じ方向を向いています。この会社で働くことで、自分はこういう成長を遂げられて、自分の人生はこうなっていくと思います。そうすれば、この会社に対してもこういう貢献ができるようになると感じました。」ということが自然と出てくるはず。
企業分析が足りないから内定がもらえないというのもあるかもしれないけど、企業分析する前に、自分のことを理解していなければ意味がない。
自己理解が不足してるままに企業分析をしても、表面的な受け答えしかできませんからね。
「仕事を通してどんな成長を遂げたいのか?」という問いを徹底的に考えて、その状態を目指せる企業を受けていきましょう。