みなさんこんにちは!
今回は、内航船と外航船についてお話してみようと思います。
ここでは漁船や巡視船、保安部、海上自衛隊などの生活物資を運ばない船舶は除外してお話します。
内航船とは簡単にいうと、日本沿岸20海里の中を繰り返し航行する日本国内の荷物を専門に日本人だけで運航する船舶のことを指します。
1海里が約1.8キロですので、日本沿岸から約36キロ圏内で日本人船員は内航船を日夜航行させています。
日本国内の内航船には日本国籍を持たない外国人は乗船することができないとされています。これは、国防上も必要なこととされており、自国の沿岸輸送は自国船に限る「カボタージュ制度」が大きく関与しています。
これは、日本以外の海外の沿岸でも適用されている制度になります。
外航船とは日本からすると、海外航路を中心に航行する船舶全般のことを指します。
日本と海外との輸出入を行う船舶も外航船で行われています。
外航船には日本人も乗船することはできますが、日本人は総コストが高い等との理由でほとんどの外航船には外国人が船員として乗船しています。
最近はコストメリットだけでなく、日本人よりも優秀な外国人船員が沢山いるようですよ。
邦人会社でも外航船を所有していることが多いですが、ほとんどは外国人を乗船させていることがほとんどのようです。
ですので、日本人船員の出番はやはり内航船が主流と言えるのではないでしょうか。
しかしながら、近年の日本人船員不足やコスト低減のため、内航航路(沿海航路)にも外航船を投入検討するべきではないか、また、内航船自体に外国人船員を乗船させてもいいのではないか、という意見もあります。
ただし、外航船は従来巨大すぎるため、それに慣れた外国人は着離桟は自分たちで行うことがなく、専門家に任せています。
また、荷物の揚げ積みも長時間かけてゆっくりと行いますが、内航船のサイズで頻繁に自分たちがチームワークで着離桟、荷物の揚げ積みを緻密に行っている日本人の運航方法に外国人が対処できるのかどうかは疑問です。
一度、外国人だけで内航船を動かしてみると国内の物流がどうなるのか、試験的に実施してみるのもいいかもしれません。これはやりたい会社が先陣を切って試験的にやるべきだと考えています。
色々な発見があると思いますが、一つの大きな危険性もあるだろうと想像しています。
東日本大震災の際は、原発の問題で日本の輸出入に関わっていた外国人船員は自国に逃げてしまったと聞いています。その際、日本沿岸で日本の生活物資を運んでいたのは日本人船員の内航船が主流だったという過去の歴史があります。
もしも、普段から日本沿岸の内航の物資輸送を外国人に任せていると、有事の際に自国に帰られたら日本人の生活は終わりです。もはや海で運ぶ内航船の物量は日本人の生活の根幹を支える相当な量になっています。
これは、実はほとんどの日本人には知られていません。
逆にこれが、内航船事業の面白いところと言えるのではないかなと思ったりしませんか??
とりあえず、弊社は内航船の会社ですので日本人船員だけを雇用しています。