お勧めの仕事選び・キャリアパス
ケーススタディ
- Mさん(男性)
千葉大学
建築系(修士)
父親・兄も設計職をしているMさん。自身も設計職を希望して建設会社をまわるも、競争倍率が極めて高く、最終選考の候補まで残ることはあっても内定には至らなかった。
夏期休暇に入り、設計職の募集がほとんど無くなるなか、Mさんはあくまで建設業界に拘って就職したい意向であったので、建設業界での就職枠として施工管理職を勧めるも、当初、Mさんは応募に後ろ向きだった。
しかし、家族に相談をすると、これまで設計の話しかしていなかった父の口から、施工管理の仕事について「実地で家造り・街づくりを体感できる」「チームワークで建設に携わる要の仕事」など肯定的なコメントが多く聞かれた。果たして面接に赴いてみると、父の話をなぞるような興味の沸く仕事内容の説明があった。施工監理職の魅力を発見したMさんは、集合住宅建設に実績のある建設会社に就職を決めることとなった。
- Nさん(男性)
法政大学
建築系(修士)
商業施設の設備管理A社の総合職として採用。当面の仕事は設備技術になるが、将来、設計プロジェクトに携わることの出来る就職である。設計職を希望して、ゼネコン・大手設計事務所、ハウスメーカーへもトライするも力及ばず。
アドバイザーからはいくつか応募漏れがあることが指摘された。Mさんが見落としていたのは、入社から数年間は設計以外の仕事に就くことも前提となっている総合職採用の企業群であった。
A社に関しては、設備技術職ということで当初興味が薄かったものの、会社説明会で、「A社が扱う設備を導入する場合、設計にも大きな影響を与えるため、建築の早い段階からプロジェクトに参加できる」「A社からも設計提案を行うため、建築士資格を持つスタッフが社内に必要」という話を聞き、徐々にモチベーションを高めていった。A社への就職は、大規模建設プロジェクトに関わることが出来るという点で、Nさんが一度は諦めかけた夢を実現するものとなった。
- Sさん(女性)
北海道大学
建築系(学士)
大手流通の子会社である情報システム会社に就職。家族の病気のため、親元に戻って就職を決めたいSさん。しかし、実家のある千葉県に戻る交通費の捻出にも苦心していた。
事情を聞いたアドバイザーは、各企業に協力を求め、Sさんが大学のある北海道から実家に戻ってくる2週間に集中的に面接をセッティングした。
就職で狙いを定めたのは建築業界と類似点の多いIT/情報システム。
建設業界がゼネコンを中心とした企業連合でプロジェクトに当たるのと同様に、巨大システム開発も発注者を中心に多くの開発・運用会社が連携を取りながら仕事を進めている。個々人の業務でも、計画性や構成力などが問われるなど、両業界は共通点が多い。
面接では、Sさんのロジカルな思考・几帳面さが評価され、見事、予定通り2週間で内定を獲得した。
- Iさん(男性)
横浜国立大学
土木系(学士)
大学入学以後、新NPO法人の立ち上げや新サークルの創設など、自身が起点となって組織を動かす面白さを体験していたIさんは、シンクタンク・マーケティング会社のリサーチ職などに応募する一方、ベンチャー企業への就職を考えていた。
しかし、個人で将来性の高いベンチャーを選別するのは難しく、エージェントを活用。
アドバイザーはIさんの志向を詳細にヒアリング、環境関連・医療系・システム関連の3社をピックアップした。会社説明に出席し、環境(災害対策)コンサルティング会社に強く惹かれるようになると、活動的なIさんは自身で企業・業界研究を進めると同時に、大学横断で災害対策の研究会を立ち上げるなど、就職活動中にも様々なアクションをみせた。こうした姿勢は、企業側にも高く評価されて、幹部候補生としての就職が決定した。
- Tさん(男性)
名古屋工業大学
建築系(修士)
商社の技術営業職に内定。中小の設計事務所から設計職で内定をもらうも、正社員採用ではなかった為、周囲の反対があり、Tさんは就職活動を再開。
しかし、既に設計職の応募枠はなく他の職種を考えていくことになった。
大人しい性格で黙々と仕事こなすタイプのTさんは、営業職には適性がないと自己分析をしていたが、営業職にも様々なタイプがあるとアドバイザーからアドバイスを受け、応募。
結果、内定をもらうことが出来たのは、建設会社の施工監理職と機械部品商社の技術営業であった。
前者は大学の専攻に近い反面、デベロッパー・建築業者・建材メーカー・リース会社・役所・現地住民など、各方面と積極的に交渉して現場をまとめいく仕事。後者はルート営業として、数千点に及ぶ商材の特性を勉強・記憶して、開発エンジニアに提案していく仕事。仕事の理解が進んだ時、Tさんが自身に向いている職場を悩むことは無かった。