中越パルプ工業株式会社

紙というと、本やノート・コピー用紙などの書籍や文房具を連想される方も多いのではないでしょうか。直木賞・芥川賞受賞作品や、映画化された本などに当社の紙が使われていますが、実は他にもとても身近なところで皆さんの生活を支えています。例えばヨーグルトやアイスクリームのカップ、米や塩などの食料品を入れる紙袋、買い物をしたときに渡される紙袋、ビール瓶のラベルなど、見渡すと私たちの生活に紙は欠かせないものだと気づきます。さらに高岡工場では当社初となるティッシュやトイレットペーパーといった家庭紙マシンを2023年冬稼働に向け建設中です。グラフィック用紙の需要が減る中、生産体制の再構築により競争力を高めていきます。

森林資源の有効活用として、主に間伐材などの未利用木材を燃料とした「バイオマス発電設備」を稼働させ、「メガソーラー発電所」も設置し、発電・売電事業を行っています。2021年度の電力販売量は169,700MWh/年となり一般家庭の使用量4万件以上となっています。発電事業によるCO2排出量削減貢献量は73,500t相当になっています。現在売電事業は、製紙業と並ぶ事業の核となっています。また、パルプをナノレベルまで細分化し、様々な特性を発揮する次世代の高機能新素材「セルロースナノファイバー」の開発など、新技術を活かした新たな領域にも幅広く展開しています。一連の事業を通じて、持続可能な未来および循環型社会の実現に挑戦しています。

当社では「製紙業界の抱える構造的問題」「カーボンニュートラル社会実現への対応」を重要なリスクおよび機会と捉え、2030年に目指す姿を「ビジョン2030」として、既存事業の発展・環境ビジネスの発展・イノベーションにより、森林資源の有効活用を通じた循環型社会の構築と、持続可能な未来の実現を掲げます。その達成に向け、既存事業の構造転換、森林資源を活用した環境投資・環境ビジネス推進を柱とした「中期経営計画2025」を策定し、取り組みを進めています。