金属の塊を削ったり、叩いて形づくったり、金属製品の作り方はいくつかありますが、当社の技術は「鋳造(ちゅうぞう)」と呼ばれる技術。溶かした鉄を型に流し込み、製品の形にする、モノづくりの源流となる技術です。70年以上にわたり蓄積してきた技術・ノウハウを活かして、他社では「難しい」と言われる複雑な形状の製品づくりを実現しています。新しいことに挑戦するモノ作りの醍醐味をたっぷり味わえます。
日本国内は人口減少が続いていますが、海外を見渡せば世界人口は増加しており、同時に食糧危機の課題解決が求められています。その解決策のひとつになり得るのが「農業機械の自動化」です。当社最大の取引先である(株)クボタが取り組む、スマート農業や無人・自動運転の農業機械に、当社の鋳造製品が搭載されています。当社のモノづくりの仕事は、世界的には食糧難にあえぐ人々の役に立ち、国内では後継者不足に課題を抱える農業の助けになる、社会貢献性の高い仕事と言うことができるでしょう。自動車のように普段から目に見える製品ではありませんが、確実に、そして「食料」という最大の課題に貢献できる仕事に取り組んでいます。
当社では100kgサイズの製品を作ることが可能になっています。これだけ大きな鋳造品を作ることができる鋳物工場は中部地区でも数少なく、その強みを活かして、100馬力を超える大型トラクター部品や建設機械用の部品、トラックのエンジンハウジングといった製品にも挑戦しています。また、先の需要を見込んだ新工場も順調に稼働しています。生産効率を上げ、「ヤマキに任せたい」というお客様の期待に応える体制の強化にも積極的に取り組んでいます。2018年に新築した事務棟をはじめ、社員にとって働きやすい環境の整備も同時に進めています。
当社の技術を頼って「他社ではできないから」と依頼されるお客様も大勢います。複雑な形状の製品を得意としている当社ですが、初めて作る製品や、難しい製品にチャレンジすることもしばしば。当然ですが、最初からうまくいくことは滅多にありません。失敗して当たり前。2回目・3回目と、回を追うごとに失敗を減らしていけばいいのです。当社は大量生産ではなく、多品種少量生産品が中心です。生産数が1日数個~数十個というものが大半ですから「今度はここをこう変えよう」と工夫を加え、改善しながらモノづくりに取り組みます。大切なのは、「不良品を1個も作らない!」という強い意思と、目的を成し遂げるまであきらめない粘り強さです。
事業内容 | 【鋳造品の製造、機械加工】
トラクターやマリンボート、自動車、真空ポンプ・高圧ポンプなどに使われる様々な金属製品を作っています。 200g程度の小さな製品から100kg程度の大きな製品まで、大きさも形状も多種多様です。 今後はさらに大きな製品にもチャレンジし、加工・組付まで一貫した製造を行っていきます。 |
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設立 | 1959年5月(創業1951年1月) |
資本金 | 2,435万円 |
従業員数 | 118名 |
売上高 | 50億円(2023年4月) |
代表者 | 代表取締役社長 鈴木英二 |
事業所 | 愛知県西尾市寺津町四ノ割横道西10-1 |
関連会社 | YMK(株)
寺津産業(株) (株)CCS |
主要取引先 | (株)クボタ、(株)荏原製作所、日本ギア工業(株)、
愛三工業(株)、(株)川本製作所、(株)安永、 (株)豊田自動織機、中央可鍛工業(株)、自動車部品工業(株)、 コマツキャステックス(株) |
ヤマキグループ | 鋳造の技術のみならず、付帯する様々な技術の内製化を進められるよう関連会社でヤマキグループを形成しています。
鋳造品の製造に必要な資材商社として機能する「寺津産業(株)」、鋳造用金型の修理・メンテナンスを担う「YMK(株)」、そして近年、中子(なかご)と呼ばれる鋳造になくてはならない部材を製造する「CCS(株)」をグループに設けました。グループの総合力で、調達から製造まで一貫した生産が可能な体制を整え、事業強化を進めています。 |
当社への評価 | 【はばたく中小企業・小規模事業者300社】
2019年6月、経済産業省・中小企業庁より「はばたく中小企業・小規模事業者300社」に当社が選定されました。当社独自の生産性向上への取り組みが評価されての選定です。引き続き、より良いものづくりへ邁進して参ります。 【地域未来牽引企業】 2020年10月には、同じく経済産業省より「地域未来牽引企業」に選定されました。これは、地域経済の中心的な担い手となりうる企業を外部有識者の検討結果を踏まえて選定されるものです。ヤマキの経営状況の安定性や、地域経済への貢献期待や成長性の観点から選ばれたものと捉えています。 |
ビジョン | 【ブランド価値の向上と、伝統技術の継承】
鋳物(いもの)は頑丈で、リサイクル性も高く、世の中のあらゆる所で使われています。また古くは「御鋳物師(おんいものし)」の称号で高い技術を評価されていた仕事でもありました。 ヤマキとしてはこの伝統産業や高い技術を後世にも残していく使命を感じています。そのためには今の最大の取引先であるクボタを通じて、農業に陰ながら貢献することも重要ですが、将来的には「ヤマキの鋳物」と呼んでもらって信頼や評価を貰えるようなブランド力を高めたい。 BtoBのビジネスの枠を超えて、自社独自の商品を持ち、消費者と直接繋がれるBtoCの領域も見据えたいと考えています。 |
地域への取り組み | 【小学生に鋳物(いもの)教室を開催】
地場産業である鋳物づくりにふれ合ってもらう事を目的として、地元の小学校で鋳物教室を開催しました。西尾市の鋳物工業協同組合からの依頼でもありましたが、ヤマキとしても地域の方々に正しく認知される良い機会として、2日間の教室に取り組みました。 地元に根付くヤマキという鋳物会社を知ってもらい、未来あふれる子供たちの中から将来の鋳物マイスターが誕生することを今から願ってやみません。 |
女性活躍 | 生産工程の多くが自動化されたラインでは、女性の社員も活躍しています。子供の頃から持つモノづくりへの興味を思い出し、接客業から転身。単純作業ばかりではない、考えながら動いていくモノづくりに充実感を得ています。
研修1カ月は専任の教育係がつき、その後も周りの先輩スタッフからフォローを受けつつ成長中です。「鋳物独特のにおいもありますが、すぐ慣れました」と、頼もしいひと言も。グローブから抜いた指の爪先には、しっかり自作のネイルを楽しみながら働けている様子が感じられました。 |