これが私の仕事 |
量子化学計算と分子動力学法計算から化学特性に迫る 計算シミュレーションの部門では、大規模な並列計算機を駆使し計算科学手法によって実測データを解析したり、実測が困難な物性の予測を行うことを主な業務としています。私は現在、シュレーディンガー方程式の求解を行い、電子構造に支配される物性値を予測する量子化学計算と、古典力学的に原子の運動を計算して熱・統計力学的な物性値などを予測する分子動力学計算に取り組んでいます。例えば、化学結合エネルギーの定量評価や分光学的なスペクトルの計算を行う際には量子化学計算を用います。これはXPSなどの分光分析データの予測などに活用できます。また、物質の相転移や多数分子の化学反応シミュレーションを行う際には分子動力学計算を用います。化学反応プロセスの予測に活用することで、お客様の効率的な研究開発を後押しすることができます。 |
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だからこの仕事が好き! 一番うれしかったことにまつわるエピソード |
プログラミングをゼロから覚え、解析コードを書く 学生時代はほとんど取り扱っていなかったプログラミングを覚え、データ・計算結果の処理や数理最適化を行うプログラムなどを作成したことは、成長を実感したことの一つです。前例もない内容に着手した時は不安や戸惑いもありましたが、≪課題を分割して計画的に進める≫≪整備性も考えつつ確実に動くコードを組み合わせる≫≪自信のないものは出力既知の入力を与えチェックする≫といった過程を通して期間内にやりきりました。この経験を通してプログラミングへの理解度や、初見の課題に対応する自信も高まり、数々の教訓も得ました。他のチームメンバーとも協力してプログラムを作成した経験から、他の人が確認しやすいように仕事をする、何より1か月後の自分が見て戸惑わないように整理するといった、仕事全般に共通する学びも得ることができました。 |
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ズバリ!私がこの会社を選んだ理由 ここが好き |
領域横断 仕事の面白いと感じるところは、分野の枠にとらわれず、様々な材料・物性を扱い、バーチャルに試行錯誤できるところです。MSTでは、幅広い分野のお客様から問い合わせをいただきます。それゆえ、世間一般のR&Dと異なり、限られた製品分野の限られたテーマをひたすら追求するというよりも、製品分野、素材分野に応じた分析手法の適用可能性を追求していくことになります。MSTでは、扱う素材や分析目的、解析する物性も様々なため、それぞれの課題ごとに適切な方法を選ぶことが重要なポイントです。妥当な手法を見極めてやりきること、そして考えて結論を導くということにやりがいを感じています。シミュレーションは、実測に比べ試行錯誤することも沢山ありますが、一方で興味が尽きることはありません。知的好奇心を刺激される仕事ではないでしょうか。 |
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これまでのキャリア |
2023年度入団→分析評価部ISGにて計算シミュレーションを担当 |