以前、当社CEOの駒井が「人を大切にする経営学会」から依頼をいただき、
メールマガジン向けに寄稿させていただいたことがあります。
(【人を大切にする経営学会】メールマガジン 第137号 2017年7月7日配信)
私たちネオレックスの想いとして、学生の皆さん向けにも紹介します。
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なぜ人を大切にするのか? ネオレックスの場合
株式会社ネオレックス
CEO 駒井 研司
ネオレックスは、メンバーを家族のように考えています。「社員」という言葉は、あまり使いません。「部下」「指示」「やらせる」といった表現を使うこともありません。新卒採用も、新しい家族を迎えるつもりで行っています。
今年で30周年。父が創業し、母と共に育て、今は社長である兄と弟の私が経営を担うようになりました。兄が入社して18年、私が入社してからは15年になります。
依頼を受けたこの原稿のテーマは「人を大切にする経営」。執筆にあたり「なぜ私たちは人を大切にする経営をするのか?」「なぜ私たちはメンバーを家族と考えるのか?」と考えてみました。しかし、明確な理由が分かりません。この時初めて、それは私たちにとってあまりに自然なことであり、疑問を持ったことも深く考えたこともなかったのだと気が付きました。そこで、経緯や原点を知るため、専務である母に聞いてみました。
「関わりを持った人はすべて、幸せであって欲しい」
母は若い頃からずっと、このように考えていたそうです。そして父もまた、「すべての人」とまでは言わないが、「がんばる人を応援する」という考えがあり、周囲の人が幸せになれるよう支援したいとの想いがあったとのことでした。
だから2人は創業後も当然のように、日々一緒に過ごす仕事仲間を大切にし、時にはプライベートまで踏み込んで関わってきました。そこから自然と、お互いが家族のように想うようになり、いつしかネオレックス全体が家族のようになっていったということです。
「人を大切にする経営」として、ネオレックスも様々な取り組みをしています。例えば、年に3回行う個人面談。社長と私が一人一人と対話します。仕事のことでも、仕事以外のことでも、何でも話したいことを話してもらう。言いにくいことも言ってもらう。仕事の希望があれば、よく聞いて、できるだけ添えるようにする。アドバイスや提案、苦言も伝えます。時には1人の面談が数時間に及ぶこともあります。
あるいはネオレックスには、結婚や子育てを支援する手当があります。月額で、配偶者手当3万円、未就学児1人あたり2万5千円など。プライベートの悩みやトラブルに踏み込んで、一緒に取り組むこともあります。メンバーと共に、怖い思いや悲しい思いをしたこともありました。専務(母)は創業以来、メンバーの子どもたちの誕生日に本を贈っています。1人1人のことを考えながら、毎回苦労して本を選んでいるようです。
事業も拡大してきました。当社のクラウド勤怠管理システムは、提供開始から13年。今では、1,000人以上規模の企業を対象としたマーケットで国内トップシェアとなりました。自己管理を支援するために開発したiPhoneアプリは、世界92ヶ国でダウンロードされています。最近新たに開発したiPadをタイムレコーダーにするアプリは、タイムレコーダーとしては22年ぶりとなるグッドデザイン賞を受賞しました。
今回改めて、こうしたあらゆる取り組みはみんな、「関わりを持った人はすべて、幸せであって欲しい」という想いから行ってきたのだということが分かり、腑に落ちました。
収益を確保することも、みんなが日々の仕事を通して成長や達成感を味わえるようにすることも、お客様の高い満足度を追求することも。すべては、この想いを原点としていたのです。
これからも、10年、50年、100年と、ネオレックスを存続させ、事業を続けていこうと考えています。経営は世代交代を重ね、人は入れ替わり、創業者のことを知る人もいなくなります。でもそんな中でも、この原点は忘れてはいけません。
「人を大切にするのは、その方が問題が少なくて済むから」
「お客様を大切にするのは、その方が利益が出るから」
例えばこんな風に考えるようになれば、ネオレックスという会社はおかしくなってしまいます。
「関わりを持った人はすべて、幸せであってほしい」。この原点を忘れずに、これからもネオレックスを、みんなで、より良い会社に育てていきます。