これが私の仕事 |
幼児向け書籍の校閲 現在の私の担当は主に幼児向けの書籍なのですが、その担当になって初めての仕事が、折り紙の本でした。誤字・脱字のチェックをはじめ、文字づかいが指定通り(総かな、わかち書き)か確認し、折り紙を折りながら図を確かめ、図に対する説明が適当か(読者に伝わるか、同じ動作を異なる文言で説明していないか等々)を考え……などして校閲します。大人向けの本に比べて幼児向けのものは、図やルビ(ふりがな)が多く使われるので、ただ文字を読むだけでなく、多種のことに対してチェックが必要です。幼児向け書籍は紙が特別だったりオールカラーだったりして印刷に時間がかかるため、こちらが忘れたころに見本が届きます。それを見て苦労を思い出し、ホッと……するよりは、間違いが残っていないかドキドキするというのが本心です。 |
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だからこの仕事が好き! 一番うれしかったことにまつわるエピソード |
地味な前進を糧にしています 年次的には、中堅社員としてバリバリ! といったところなのでしょうが、自分はまだまだ「未熟者」の意識です。誤字を百パーセントの精度で見つけることはできない。調べ物をすれば新しい知識がどんどん得られる。知るべきことはまだたくさんある。
ずっと机に向かって座り、文字を読み、調べ、ゲラに書き込むだけ。しかも、入社後数年は先輩社員からのフィードバックがあって、「この指摘はいいね!」「このエンピツは駄目でしょ」と教えてもらえても、いまとなってはそれもなく、自分の校閲が良いのか駄目なのかもわからない。「仕事をしていて嬉しさを感じること」が生まれようもないのです。そんななかでは、先に述べたような、「自分がまだまだ前へ進めること」がささやかな糧となっているように思います。 |
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ズバリ!私がこの会社を選んだ理由 ここが好き |
校閲職を目指すと、選択肢は少ない 「この会社」を選んだというよりは、校閲という仕事を選んだうえで手当たり次第に入社試験を受け、なんとか得られた内定が講談社1社だった、というのが自分の結果なのですが……。
そもそも学生時代、自分のまわりにマスコミを目指す友人が多く、彼らの話を聞くうちに校閲という職を知ったのが始まりでした。校閲職で採用をしている会社は大手の出版社・新聞社しかなく、いま思えば無謀な挑戦だったように感じます。結局、2シーズンにわたって就職活動をすることになりました。講談社での面接がもっとも普通に「おしゃべり」できたことはよく覚えています。つまり面接で、講談社と私の「お見合い」がうまくいったということなのだと思います。 |
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これまでのキャリア |
校閲各部署(文芸誌→幼児誌→週刊誌等担当)をまわった後、入社10年目に出産のため産休&育休取得。約1年後、校閲(ノンフィクション系書籍担当)へ復職。現在は幼児向け書籍担当。 |