■「ミルキー」相手に格闘の日々
口で説明すると単純な工程に思えますが、実際は、大変複雑な動作の連続なんです。
5つのミルキーを箱に入れるといっても、ラインから流れてくるミルキーの間隔が一定でない。単純に箱に落下させるだけだと、一度に2段、3段重なってしまったり、 場合によっては、まったくミルキーが箱に入らないことも起こりえます。
単純落下だけでは、正確に5つ単位の箱詰めができない訳です。ですから、センサーを駆使してコンベアーのスピードを、流れているミルキーの数に合わせて、正確にコントロールできるようにしました。
それに伴うセンサー配置の位置設定にも苦労しましたね。
それと、箱に詰める時、商品が歪んだり破損しないようにするため、箱を落下させる前に、いったんミルキーをバケット(コンベアに等間隔の幅がある仕切りを持たせたもの)に収容させるんですが、積み上げ数や、仕切りの枚数によって様々な動きになるので、その適正配置を何度もシミュレーションしました。
■時間との戦い
でも一番難題だったのが納期…何とたったの1週間。
しかも1人ですべてを担当するんですよ!
各種制御・監視用のタッチパネルも兼任しましたから、きつかったナ~。しかも納品後、現場の工場に出向いて、配線なんかもしました。
分野が違うんですが、設計した人間でないとわからないところが、少なからずありますからね。やっぱり設計した技術者が、最後まで面倒を見ることが多いと思います。
■継続は力
新入社員のころはとにかく無我夢中でしたね。
機械用語やモーターの回転制御原理など、関連する分野は学生時代の専攻を問わず、とにかく勉強しました。
今でこそ、入社後の基礎研修や研究開発セクションの仮配属等、社員教育がシステムとして確立していますが、私の頃は新入社員研修が済んだらすぐ配属ですよ。
きれいに言えばOJT、下世話に言えば先輩の仕事を「盗む」みたいな感じでした。みんな忙しいから、こんなこと聞いていいのかなって躊躇することがよくありましたが、意外にみんなきっちり教えてくれるんですよね。
本当に鍛えられました。
入社した時は分からないことだらけで、当然、頑張ってもうまくいかないことの方が多い…正直、辞めたいと思ったことは1度や2度ではありません。
でも、今ようやく一連の工程が見えてきて、自分が設計しプログラムした機器が動くの見ていると、嬉しさがやりがいが湧いてくるようになりました。
本当に「継続は力なり」ですね。