今日は以前未知の金属《BEGA》との闘いをご紹介したいと思います。
(すみません、写真は非公開です)
ある日、宅急便でお客様から見たこともない材料が突然送られてきました。
箱を開けると、鍛造品のような材料が2本入っていました。
状況が分からないので御客様に確認すると、
「それ、ベガという材料なんですがガンドリル加工できますか?」とのこと。
「ベガ?・・・ストリートファイターのボスキャラ?こと座のベガ???」
弊社には、材料のデータベースというものがあり、
その中を確認すれば国内で手に入る約800種類の材料を調べることができます。
でも、ベガなんて材料は記憶になく、やっぱり検索しても見当たりません。
お客様に「全く未経験の材料ですので、ミルシート(鋼材の材質を証明する添付書類)か
何か参考になるものを頂けないでしょうか?」
とお願いしたところ、数時間後に御客様から回答がありました。
「購入した材料メーカーへ問い合わせましたが、
特許に関わる部分なので、成分等は一切非公開みたいです。それでも加工できますか?」
正直、心の中では完全に「No!!」です。
それでも、やる前から負けを認めるみたいですごく嫌です。
しばし沈黙のあと、 「失敗する可能性はありますが、是非やらせてください。」
技術のメンバーにも状況を説明して、材料の使用目的から成分を推測していく。
その途中で、さらに衝撃的な電話が!
「あの~外径加工もお願いしたいのですが・・・」
・・・・・・・・・「本気ですか?本気ですよね・・?」
もうやるしかないです
複合旋盤のリーダーTさんとも打ち合わせをして、
とりあえず旋盤はインコネル(ニッケル基の超合金)程度の条件で
加工してみようということになりました。
鍛造品なので、外径の黒皮部分(切削加工が施されていない金属の表面部分)を取るのは、
当然大変だろうと推測していましたが、想像を絶するワークでした、、、
でも、これで終わりではないのです。
そうです、ガンドリル加工が残っているのです。
その前の状況を見ているだけに、
加工条件はインコネルよりさらに半分近くまで落とした条件を選定。
そして、加工をスタート。
「ん?意外に切削音は静かだなぁ。。。」と思った数分後、
みるみる切削音に変化が現れたので、慌てて加工をストップ。
刃先を確認すると、摩耗で刃先がボロボロ・・・折れなくて良かった。
刃物を再研磨して、同じ条件で再スタート。
なんとか加工することができました。
2本目も同じようなやり方でしかできませんでしたが、
なんとか終了。本当にスト2のベガみたいに強敵でした。
ちなみに、BEGAと書くみたいで、スト2のベガ・こと座のベガはVEGAです。
こんなわけの分からないものでも、あきらめずにやっちゃいます。
そんな当社のモノづくりに少しでもご興味の方は是非一度説明会へお越しください♪