就活生の皆さん
こんにちは。
エイエイエスの山本です。
皆さん、2021年に芥川賞にノミネートされた、
「推し、燃ゆ」という小説をご存じでしょうか?
活字を読む機会が滅多になくなっていた大学時代の私が読んだ
数少ない小説のひとつです。
物語は主人公の女子高生が熱狂的に応援していたアイドルが
ファンを殴ったことで炎上したところから始まります。
「推しが燃えた。ファンを殴ったらしい。」
という書き出しからスタートするこの物語は、
「推し」に対する価値観によって感じ方が変わる内容だと思いました。
「推し、燃ゆ」というタイトルでありながら、
ファンを殴った推しに対し主人公が怒りをあらわにするシーンも、
あからさまに悲しむシーンもここでは登場しません。
推しだけが生きる支えであり、生きる意味であった主人公の人生が
ただただ静かに崩れていく繊細な描写がとてもリアルで
感情移入せずにはいられませんでした…。
また、今の時代を生きる若者の心理描写や
主人公が感じている周囲からの抑圧などの表現や言い回しも魅力的でした。
しかし、これは恐らく私にも所謂推しという応援している方がいて、
主人公と自分を重ねてしまっているが故の感想だと思います…!
現に同じ小説を読んだ友人は、
何故主人公が他人のことで人生を狂わせているのかが理解できず、
読んでいてやきもきしているようでした。
私は自分と違ったとらえ方をした友人の話を聞き、
家庭環境や身の回りに複雑な事情を抱えていた主人公は
自分に期待をしない代わりに
ほかの誰かに自分の人生を奪ってほしかったのかもしれないと思いました。
読む人によって主人公への感情、物語への印象が変化するので、
周りの方と感想を伝え合うのも面白いと思います◎
普段小説を読まない方にもおすすめの一冊です。
ぜひ読んでみてください!