一昨年八月、稲盛和夫さんがお亡くなりになられました。
稲盛さんの著された「生き方」を手にした日から、
以来二十年にわたって続く文字通り「生き方」を実践する日々。
盛和塾で学び、解散後もその後継である京都経営塾で学びを続け、
ソウルメイトとともに、社員とともに、「心を高める、経営を伸ばす」毎日を送っています。
元盛和塾生として、稲盛さんは今もこの先もずっと塾長であり、わが師です。
お亡くなりになられて早や一年半ほどになりますが、
(不謹慎と言われるかもしれませんが)不思議と喪失感はありません。
それは、塾長が生前そのカリスマ経営者という「存在」としてだけでなく、
一貫して進むべき「道」を私たち塾生に説き続け、伝えてくださっていたからだと思います。
忙しい経営のふとした時に、今でもすぐそばに塾長の存在を感じることがあり、
無意識に頭の中で、時には声に出して塾長に話しかけていることがあります。
私にとって塾長は自分を変えて下さった、
「生きる」ということを教えてくださった人生の唯一無二の師。
思えば自分のこれまでの人生を振り返ると、
何もかも必然としか言いようのない巡り合わせの連続でした。
私がまだ一社員だった頃から社長は経営に準ずる様々な仕事を与えて下さり、
経験を積ませていただきました。
それは今でも本当に大きな自信となっていて、
また、事業の承継を決断する際には心が壊れそうな壮絶な体験をしましたが、
それも今となっては現在の自分を形成する上ではなくてはならないことだったと思います。
そのように思えるのも塾長のおかげです。
現在の自分は過去の生き方の成果であり、
未来の自分は今の生き方が作り出す成果だと塾長から教えていただきました。
そして、塾長は私たち塾生に
「私を目指すのではありませんよ、私の目指したところを目指すのですよ。」と残して下さっています。
この言葉は塾長がお亡くなりになられた今、
私たちが何を為すべきかを見失わずに進める拠り所となっています。
「勤勉」、「感謝」、「反省」と、塾長が教えて下さった実践に努め、
これからも全従業員の物心両面の幸福のために「道」を進み続けます。