最近はchatGPTが注目を集めるようにAI技術の発展が目覚ましいです。そこで、AI技術によって建設コンサルタントの仕事は奪われるのではないかと危惧されている方もいるかもしれません。
今回はAI技術が建設業界に対してどのような影響を及ぼすのかについて考えてみたいと思います。
建設業界はインフラの老朽化、災害対策のための国土強靭化などにより需要が増加傾向で人材不足の問題があります。
国もそれらの問題を解決するためにIT技術の導入がなかなか進まない建設業界に対して、AIなどの最先端技術を活用することで建設現場の効率化を高め、人材不足を補うことを狙いとして、「i-Construction」を推進しています。
近年では建設業界でも資材運搬ロボットや無人施工ロボット、AIドローンで3D測量や構造設計の自動化などAIの開発・導入が進んでいます。
そこでAIの得意なこと苦手なことを挙げてみました。
AIが得意なこと
・膨大な情報を速く正確に処理すること
・反復的なタスクをくりかえすこと
・複雑なパターンの認識
・データから予測・分析
・画像や音声の認識
・言語処理など
AIが苦手なこと
・人間のような物事の判断
・新しい状況への瞬時の適応
・データが少ない状況での予測
・芸術、クリエイティブな作業
建設コンサルタントがAIに勝るところを考えてみました。
・発注者（顧客）に対する情緒的な質問・コミュニケーション
・発注者（顧客）と信頼関係を構築していく
・発注者（顧客）のニーズ、地域的な特性、背景を理解し、それを反映した施設を設計すること
・合意形成などのコミュニケーションが必要な作業
AI技術は何か１つのことに特化した行動が得意で、過去から抽出される限られた情報で思考していきます。建設業界では状況に応じて臨機応変な対応が必要不可欠です。そのように状況に応じて柔軟かつ、複雑な思考を行うことは人間にしかできないのです。
社会資本整備は地域ごとに変数・条件が数多く存在しており、定性的な課題も多いため、AIだけで進めていくことは難しいです。発注者の要望を把握して、関係者同士の調整を図って、課題を解決して、プロジェクトを総合的にまとめる建設コンサルタントの仕事はなくならないと思います。
AI技術をうまく活用することで人間が働きやすい環境を作れるのは大きなメリットです。AI技術を有効活用しながら働きやすい環境を整備していくことが大切です。
