帝国製鋲株式会社

東京ー大阪間の東海道新幹線に始まり、山陽・東北・上越、そして今からは、北海道新幹線。海外では台湾やインドの高速鉄道と新幹線のレールを固定する部品を手掛けてきました。弊社の売上に占める鉄道業界のシェアは約60％（2023年度実績）。鉄道における技術力と提案力に磨きをかけ、事業の礎を築いてきました。安全性の追求に余念のない建設・インフラ分野の売上は30%、その他インフラに欠かせない製品製造を行っています。また、先端技術の最前線とも言える航空宇宙防衛、リニアモーターカーなどの分野も視野に入れ、新素材・チタン合金を使った製品づくりにも挑戦。大きな飛躍に繋がるプロジェクトが複数進行中です。

私たちがつくるボトルやねじは、長いものだと1メートルもあります。高層ビルや橋梁などの鉄骨をつなぐハイテンションボルトなどがそれですが、量産できないものも多く、その場合、人の手で一つひとつ仕上げていくことになります。体積が大きいだけに、強度のばらつきを抑え、高い精度と強度を実現するのは難しいですが、約100年の実績と図面さえあれば、どんな製品でも作れる技術力が私たちの強み。現在、売上の約60％を鉄道関連の製品で占めていますが、今後、チタンなどの非鉄金属製品を強化することで、次世代を担う事業を育成。柔軟な発想と多種多様な業界に携わってきた経験を活かし、わくわくするモノづくりを追求していきます。

長い歴史の中で、1番難しかった依頼のひとつが、海を越えやってきた、ニュージランド仕様の“スクリュースパイキ”。レール締結装置の一種です。ねじ底径の太さが３段階で変わるという独特の形状で、ねじの高さを均等に切ろうとしても一筋縄ではいきませんでした。試行錯誤の連続で試作品が完成したのは、ニュージーランドに向けて飛び立つ当日。契約は見事成立し、約15年で累計約2,034万本を納品しました。私たちは、鋼材を常温加工する「冷間圧造」と加熱加工する「熱間鍛造」を併設する数少ないメーカー。この特性を活かし、どんな無理難題にも果敢に挑戦することで、これからも新たなニーズを掴み取っていきたいと思います。