1年目の営業、萩谷は、夏過ぎから先輩のお客様を引き継ぐことが増えてきました。
引継ぎ、つまり担当が変わるということですから、お客様も少しの不安があるものです。
最初の挨拶は先輩と一緒に行き、それからは1人での訪問が増えていきます。
新しい関係性を構築していくのは、営業の大事な仕事になってきます。
そんな、引き継いだお客様のうちの1件のエピソードです。
気さくなおばちゃんという感じの店主さんが営む飲食店。
電話で何度かやり取りをしていたお客様。
求人のお手伝いでお店に伺ったのですが、ちょうど忙しいタイミングだったようです。
お仕事の邪魔はできませんから、こういう場合は待つことが多いのですが、待っている間も、「待たせてごめんねー」と、声をかけてくれたり「これあげるわー」と、野菜ジュースをくれたり。
待ちぼうけにならないよう、気を遣ってくれました。
求人を提案する営業とお客様というビジネスライクな関係ではなく、人と人との信頼関係があると、感じられる瞬間だったようです。
こちらからの求人の提案に関しても、「萩谷さんに任せるからやっておいて!」と、言っていただけるほどに。
任せていただけるのは、信頼でありプレッシャーですが、うれしいと感じる瞬間でもあります。
今の萩谷の目標は、このお客様に下の名前で呼んでもらうこと。
引き継いだ時、先輩はそう呼ばれていたので、ひそかな目標としているのです。
些細なことですけど、それもまた信頼の証ですね。