これが私の仕事 |
高レベル放射性廃棄物の新しい処理方法について研究開発を行っています。 核のゴミとして排出される高レベル放射性廃棄物(HLW)ですが、現在ではそのまま地層処分する方法が考えられています。それに対して私たちの研究グループでは、地層処分前にHLWに対して有害度低減処理を行う方法の実用化を目指しており、その処理のために必要な加速器駆動核変換システム(ADS)の研究開発を行っています。
ADSは加速器と原子炉を合体させたシステムです。それらの接続部分にあたる構造物は既存の原子炉には存在しないため、一から開発する必要があります。さらに、ADSでは冷却材(熱を輸送する物質)として水の代わりに液体金属を使用するため、その違いに伴う影響を明らかにする必要があります。数値解析や実験を実施し、これらの研究課題に対する新しい知見を得ること、それらを学会や論文として発信することが私の仕事です。 |
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だからこの仕事が好き! 一番うれしかったことにまつわるエピソード |
国内外の研究者との共同研究は非常に貴重な経験でした。 ADSの研究開発はJAEA以外でも精力的に行われています。私は所属1年目からJ-PARCやベルギーの研究所の専門家の方々とともに共同研究を行っており、2年目の夏に国際学会でその研究成果を発表する機会がありました。その準備においては、自分が分担するタスクをこなすのももちろん大変でしたが、共同研究者との情報共有や議論の面でも苦労しました。特にベルギーの方との議論は英語だったため、情報や意見を正確に伝えるために何度も翻訳を確認しながらメールを書きました。
それでも苦労した分、国際学会での発表が無事に終わったときは達成感が大きかったです。自分の興味がある分野について国内外の専門家と協力し、国際的な場で成果を発表したことは、研究職ならではの貴重な経験だったと思います。 |
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ズバリ!私がこの会社を選んだ理由 ここが好き |
ADSにかかわる研究を続けたい一心でした。 私の学生時代の研究テーマもADSにかかわるものでした。学生時代の研究を通して、ADSに期待される利益と、それを実現するための研究課題が多くあることを知り、大学を卒業してからも同じテーマで研究を続けたいと強く思うようになりました。国内で主体的にADSの研究開発を行っているのは当機構のみだったので、志望理由には困りませんでした。
ADSの研究開発においてその分野は多岐にわたるため、私が現在所属しているグループの研究者はそれぞれが異なる専門分野を持っています。したがって、自分の研究分野に近い専門家の意見を聞くために、別のグループの先輩研究者に相談する機会も多いです。所属に関係なく様々な分野の専門家の意見をいつでも聞ける環境にいることは、研究者として働くうえでとても恵まれていると思います。 |
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これまでのキャリア |
2018年入社 核変換システム開発グループに配属(現職・5年目) |