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国立研究開発法人 理化学研究所 仁科加速器研究センター
応用研究開発室 生物照射チーム
室長 チームリーダー 阿部 知子

人類にとってより有用な植物の育種技術の開発と研究。
原子力とイオンビームにはその可能性がまだまだある。

私たち生物照射チームでは、日本国内に設置されている数カ所の重イオン加速器を用いて、高速重イオンが生物に与えるさまざまな効果の研究、その応用として植物の育種を行っています。国内外180もの団体と共同研究する中で生まれた新品種のいくつかは、すでに市場に出回っています。例えば「涙の出ないタマネギ」。

ハウス食品はこの開発に先立ち、新たな催涙成分合成酵素の発見をイギリスの総合科学誌「Nature」紙に掲載し、2013年にイグノーベル化学賞を受賞しています。

人類が「原子力」を利用して100年。これまで加速器科学研究は原子核物理や原子力工学により進められてきた分野という印象がありますが、医学や農学でも学術面・応用面で優れた研究開発が進められています。原子力とイオンビームを活用した科学技術には多くの可能性やブレイクスルーへの期待があります。このような、いわゆるイノベーションを推進するためには、柔軟な考えを持った様々な分野の方々を巻き込んだ総合的で多様な取組がますます重要になると考えています。