理系の進路

理系の進路

理系学生の進路には、大きく分けて4つの“分かれ道”がある。
まず学部生が直面するのが、「大学卒業後に就職するか、大学院に進学するか」。就職に関しては、応募方法に「自由応募か、推薦応募か」という選択肢がある。
また志望する仕事内容や雇用形態などによって「民間企業か、公的研究機関・官公庁か」も選択のポイントだ。さらに、理系学生が文系職に就くことは珍しくなく、志望職種は文系学生より幅広く考えられるといえる。
4つの“分かれ道”で、どちらを選ぶべきなのか?進路選択のポイントをチェックしてみよう。

選択1
選択2
選択3
選択4

選択1学部卒で就職 / 大学院へ進学

専門性は必要か、どこで身に付けるべきか。それを知るには、学部生のうちの就職活動が有効!

自分の専攻を生かせる仕事をしたいと考えている場合、大学院に進学して専門性を高めた方がいいと考える人は多いだろう。実際、学部生のうち、40~50%ほどが大学院に進学する。

しかし、必ずしも院進学した方がいいとはいえないケースもある。企業の中には、自社の教育・育成制度を通じて業務に合った専門性を高めてほしいと考えているところもある。こうした場合、学部卒で社会に出て、仕事を覚えることは、企業と個人双方にとってメリットとも言える。
同様に、志望する職種が専攻と直結していない場合、学部卒で社会に出て早く仕事を習得することは企業にも自分自身にもメリットと言える。
一方、高い専門性が必要で、修士のほうが望ましいという企業や職種もある。

いずれにしても、学部生のときに就職活動はしておいた方がいい。早く就職して現場で学んでいくべきか、進学して専門性を高めるべきかは、実際にたくさんの企業を見ていく中でわかることが多い。

選択2自由応募 / 推薦応募

断れない、内定時期が遅いなど、推薦応募にはリスクもある。自由応募でさまざまな企業と出合おう!

理系学生の中には、学校推薦や教授推薦で就職するという選択肢がある人もいるだろう。
専攻を生かして働ける可能性が高いのはメリットといえるが、基本的には、内定した場合に断ることができない点に注意が必要だ。
また、推薦といっても、必ず内定が出るわけではない。想定外に不合格となり、慌てて自由応募で活動を始める学生も多い。推薦応募は併願が許されない場合が多いほか、一般に自由応募とは選考時期が異なる。内定時期が遅いため、推薦で落ちてしまうと就職先の選択肢があまり残っていないこともある。

自由応募は推薦応募と比べて内定を得るまで苦労することが多いが、自分を見つめ直す機会になり、より自分に合う企業と出合う可能性が高くなる。
幅広く企業を見ることで視野が広がるのも大きなメリットだ。

最終的に推薦を受けるとしても、最初から推薦応募のみに限定せず、自由応募でさまざまな企業と接してみよう。

選択3民間就職 / 公的機関・官庁就職

「公的機関・官公庁=安定」ではない。柔軟にキャリアを選択できるのは民間企業

公的機関の研究職は専攻とのマッチングが図りやすい進路といえる。学んできたことを生かしたいという人には選択肢の一つとなるが、契約で任期が決まっていたり、プロジェクトの終了とともに契約が終了したりするケースもあるため、雇用形態には留意しておく必要がある。
また、官公庁への就職を目指して公務員試験を受ける場合、合否発表は民間企業の採用ピークの後。公務員一本に絞るのはリスクが高いといえるだろう。
さらに、公的機関に研究職で就職した場合、キャリアが固定化されやすい点にも注意したい。働き始めた後で“研究漬け”が合わないと気付いても、キャリアの変更はしにくいのだ。

民間企業の場合、はじめに研究職や技術職に就いた後、その道を究めたり、マネジメントに進むなどキャリアは多様。希望して文系職に異動するケースもある。ただし一方で、事業の方針などで研究が中止になる、異動で業務が変わるといったことも多い。
民間企業では、研究テーマや専攻にこだわりすぎず、幅広く学ぶという意欲が求められる。

選択4理系職 / 文系職

文系職でも理系の素養が生かせる!専攻にとらわれず視野を広げてさまざまな可能性を探ろう

理系学生の中には、“文系職を希望しても選考で不利なのでは?”という不安を持つ人もいるようだ。だが、“理系だから不利”ということはまったくない。文系でも理系でも、大切なのは、なぜその仕事がしたいのか、なぜその企業で働きたいのかが明確に語れること。
技術的な知識が必要な営業職や、ロジカルな思考力が求められるコンサルティング職など、文系職にも理系の素養が生かせる仕事はたくさんある。『計画を立て、実験し、検証する』という研究の経験は文系職でも役立つし、そこを評価する企業も多い。

理系職を選ぶ場合は、就職活動を始めるときに視野が狭くなりがちなことに注意が必要だ。専攻を生かそうと考え、最初に企業を絞り込みすぎる人がいる。
しかし、内定が得られない可能性もある。選考のピークを過ぎてから『選択肢を広げよう』と思ったら、採用活動を終えている企業ばかりだった…ということも。

就職活動では、最初に視野を広げることが大切。学部や専攻、研究内容にとらわれず、まずはたくさんの企業を知り、徐々に絞り込んでいくというステップを踏もう。