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(1)旅行業界の概況

旅行会社は、旅行者のために交通機関や宿泊施設の手配を行ったり、パッケージ旅行のプラン作成や販売などを行ったりする。

観光庁の「宿泊旅行統計調査」によると、国内における2015年の延べ宿泊者数は約5億408万人泊(「人泊」とは、宿泊人数×宿泊数のこと)。前年に比べて6.5パーセント増えた。このうち、日本人の延べ宿泊者数は4億3846万人泊で、前年より2.3パーセント増。一方、外国人の延べ宿泊者数は6561万人泊で、前年より46.4パーセントも増えた。国籍別に見ると、第1位は中国(1629万人泊)、第2位は台湾(1049万人泊)、第3位は韓国(674万人泊)という順位だ。

訪日外国人が増えた理由のひとつは、2003年に端を発した「ビジット・ジャパン事業」だ。観光庁などが中心となり、海外消費者に向けた宣伝活動や、旅行会社への働きかけを強化したことで客足が伸びた。また、円安も強力な追い風となった。2011年には1ドル=75円台まで上昇した円相場は2013年初頭から円安傾向に転じ、2015年6月には125円台になった。これにより、外国人にとって日本は手頃な旅行先となったのだ。訪日外国人の増減と為替の相関は強い。また、格安航空会社(LCCとも呼ばれる)による安価な座席供給量の増加、大型クルーズ船の寄港の増加、消費税免税制度の拡充なども、訪日外国人の増加に一役買っている。

そこで今後ますます必要になるのが、外国人対応策だ。各社は英語版や中国語版のホームページやパンフレットなどを作成したり、外国語に対応できるスタッフを増やしたり、宗教や戒律による食事の制約に対応したレストランを案内したりなどの取り組みをすすめている。

日本人を対象とした分野では、「着地型観光」によって観光客を増やそうとする取り組みが活発だ。着地型観光とは、旅行者を受け入れる地域が主体となり、地元お勧めの観光資源を盛り込んで企画した観光プログラムのこと。農作物の収穫や伝統行事への参加など、従来定番の観光では味わえない「体験」を用意するプログラムが人気となっている。

(2)旅行業界の仕組み

旅行会社は法律で、「旅行業」と「旅行業者代理業」の2つに分かれている。旅行業者は、海外・国内の旅行を企画できる「第1種」、国内旅行のみの企画ができる「第2種」、一定の条件下で国内旅行を企画できる「第3種」にさらに分類される。
一方、旅行業者代理業は、旅行業者と代理契約を結び、ツアーなどの旅行商品を代理販売する。

旅行会社は、ホテルや航空会社などから部屋や座席を仕入れ、ツアーというかたちにまとめる。そして、自社の店舗やインターネットサイト、旅行代理店を通して旅行者に販売する仕組みだ。旅行の企画を立てる過程でレジャー施設と協力する機会も多く、各地域の特産物を作るメーカーや地方自治体とも緊密な連携が求められることもある。

最近、旅行業界では、インターネット専業の旅行会社が売り上げを伸ばしている。というのも、店舗の維持費や人件費を抑えられることから、リーズナブルな価格帯の旅行を提供できるからだ。そこで、店舗営業を中心とする従来型の旅行会社も自社サイトを充実させ、ネットでの販売に注力する動きが活発化している。店舗で扱う付加価値の高いツアーと差別化をはかりながら、インターネット専業会社に対抗できる価格帯の旅行商品を扱って、売り上げ拡大に取り組んでいる。

(3)旅行業界のHot Topics

2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催を控え、外国人旅行客への対応はますますホットな話題となるだろう。

外国人の地方への誘導

東京~大阪間は「ゴールデンルート」と呼ばれており、訪日外国人からの人気が高い。しかし、今後も訪日外国人が増えると、この地域で受け入れられる人数の限界を超えるとみられている。そこで、ゴールデンルート以外の地方へと外国人を誘導することが必要だ。例えば、愛知県、岐阜県、静岡県、三重県、石川県、富山県、福井県、長野県、滋賀県の9県は合同で「昇竜道プロジェクト」を立ち上げ、外国人にとって魅力的な地方観光ルートを新たに作ろうとしている。

ビッグデータの活用

スマートフォンの情報提供アプリなどを通じ、訪日外国人が日本滞在中にたどったルートや、関心を持った施設などの情報を取得。それらをビッグデータを活用して分析することで、新たな観光資源の発掘や、より良い旅行ルートの提案に生かそうとする試みも始まっている。

(4)関連業界とのつながり

IT系企業(情報システム系)

外国語の翻訳や観光情報提供サービス、ビッグデータによる顧客分析など、さまざまな分野で、協業の可能性が増加している。

航空・空港

パッケージ旅行を企画するため、航空会社から座席を仕入れる。まとめて仕入れることで、消費者に格安な航空券を提供できる。

ホテル

国内外のホテルと契約を結び、宿泊用の部屋をパッケージ旅行に組み込む。最近ではホテルの稼働率が上がり、部屋が押さえにくくなるケースが増加。

鉄道

国内旅行を企画する際には、鉄道会社とのやりとりが不可欠。鉄道会社が旅行会社を経営するケースもある。

地方自治体

地方自治体と協力しながら、各地の観光資源を発掘して国内外の旅行者に向けて発信する機会が今後増えそうだ。

監修:日本総合研究所 吉田賢哉

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