アメリカ50州の中で最大の面積を誇るアラスカは、天然資源の宝庫。採掘された原油や天然ガスを輸送するパイプラインがいたるところで建設されています。天然ガスをアメリカ本土まで直接輸送できる延長2000キロの長大パイプラインもそのひとつ。その建設に大きく寄与したのが、日本の鉄鋼メーカーでした。直径が1mを超える大口径の鋼管でどのようにして2000キロもの長さのパイプラインを敷設するか。当初30年はかかるとされたこの技術開発を、日本のメーカーはわずか6年という短い期間でクリアし、技術力の高さを実証しました。ほぼ解明されたといわれる鉄の世界。しかし、鉄にはまだまだ私たちの知らない未知の可能性があることを、このプロジェクトはあらためて教えてくれています。