【2023年卒】就活スケジュールを解説!いつから何を始める?

就活を始めよう!と思っても、これからどんなことをすればいいのかわからない。採用手法やスケジュールの多様化、新型コロナウイルス(以下、新型コロナ)の影響などを不安に感じている…。そんな人は、2023年卒向け就活スケジュールの全体像を理解するところから始めましょう。

2023年卒の就活スケジュールのポイントは?

2023年卒就活スケジュールは前年から変更なし。ただし、独自スケジュールで進める企業や多様な採用手法もある

・「3月会社説明会、6月選考開始」だが、スケジュールにのっとらない企業も

採用手法の多様化を踏まえ、上記スケジュールにのっとらずに会社説明会や選考を実施する企業もある。業界・企業によってバラつきがあるので、情報収集を進めておこう。

・インターンシップ、就活のオンライン化が進む

新型コロナの流行を機に、オンラインでのインターンシップ、説明会、面接が増加。時間と距離の制約がなくなり、就活準備・就活にメリットだという声もある。今後も増える可能性があるので、慣れておこう。

・新型コロナの影響はあるが、企業は新卒採用意欲を維持

新型コロナの流行を受けて、選考スケジュールの遅れや、採用を中止した業界・企業があった。しかし、大卒求人倍率は2022年卒向けの調査で1.50倍。労働人口減が進む中、新卒採用ニーズは今後も継続していくと考えられる。

2021年3月以降に卒業・修了予定の学生の就活から、就活に関するルールの取り決めは経団連(日本経済団体連合会)主導から政府主導に切り替わりました。2023年卒の就活スケジュールについては、「3月1日以降に広報活動(会社説明会受付など)開始、6月1日以降に面接などの採用選考活動開始」と発表しています。また、政府は「2022年度卒業・修了予定者等の就職・採用活動に関する要請事項」を1265の経済団体に要請(2021年3月30日付)しており、あらためて「学生が学業に専念し、安心して就職活動に取り組める環境をつくる」ための日程順守を発信しています。

一方で、6月1日時点で内々定をもらっている学生もいるなど、独自のスケジュールで採用選考を進める企業もあります。業界・企業によって採用選考スケジュールは異なるため、「3月会社説明会、6月選考開始」をスケジュールの目安としつつ、選考が本格的に始まるまでに、行きたい業界・企業の選考スケジュールを確認しておくとよいでしょう。

新型コロナの流行によって、就活にどんな影響があった?

新型コロナの感染拡大の影響を受けて、2021年卒からオンライン(Web)でインターンシップ、採用選考を実施する企業が増えました。

2022年卒学生を対象としたインターンシップでは、「対面で実施(実施予定含む)する」と答えた企業は57.4%で、前年に比べて22.3%減少しています。一方、「Webで実施(実施予定含む)する」とする企業は54.0%。前年より36.5%増加しており、2023年卒においても、オンライン化の流れは続いていくでしょう(就職みらい研究所『就職白書2021』)。

2021年卒学生に向けて、選考プロセスごとにWeb・対面の実施経験を聞いたところ、「Web・対面どちらも実施」したケースがいずれのケースでも多く、「個別企業・各種団体等の説明会・セミナー」で64.8%。「面接選考」では71.5%になっています。

また、Webと対面の両方を経験した学生にどちらがよいか聞いたところ、説明会・セミナーは「Webの方がよい・どちらかというとよい」が55.8%と、半数以上がWeb開催を好意的捉えていることがわかりました。その理由の一つとして「交通費・時間の削減」を挙げる声があり、時間や距離の制約がないWeb活用にメリットを感じる学生も多かったと考えられます。オンライン化の影響は、就活にかかる費用にも見られ、2021年卒学生の活動費は、前年比で約4万円減。特に地方在住の学生は、移動機会が減ったことで交通費の負担が減少しました。

なお、面接選考では53.7%が対面の方がよいと答えています。理由としては、Webで実施する際の「通信環境・機材」の問題や、「対面の方が自分をわかってもらえる」「対面の方が会社の雰囲気がつかみやすい」などが挙げられました(就職みらい研究所『就職白書2021』)。

選考プロセスのオンライン化に、企業もさまざまな課題を感じたようです。2021年卒の採用活動振り返り調査で「Web選考において、対面選考と比較して伝えづらくなった情報」に最も当てはまるものを聞いたところ、「職場の雰囲気や組織風土」が33.9%と一番多くなりました。

多くの企業にとっても、初めての試みとなったオンラインでの採用活動。情報伝達の難しさを実感した経験から、より詳細でわかりやすい情報が必要だと、情報発信にいっそう力を入れていく可能性があります。

企業の新卒採用ニーズに影響はある?

また新型コロナの影響で、2021年卒の就活では多くの業界・企業で採用選考スケジュールの後ろ倒しや採用計画の見直しが起こりました。それに伴い、2022年卒の採用計画がなかなか立てられなかった企業も見られました。飲食業界や、航空業界、宿泊・旅行業界への影響は特に大きく、採用が難しくなったケースもありました。

これを受けて、「就職氷河期が来るのではないか」「今後、新卒採用を控える企業がますます増えるのではないか」と不安に思う方もいるかもしれません。

2022年卒の大学生・大学院生を対象とした大卒求人倍率は1.50倍と、2021年卒の1.53倍(2020年6月調査)から微減となりました。2020年卒の大卒求人倍率は1.83倍だったため、減少傾向は続いています(リクルートワークス研究所「第38回ワークス大卒求人倍率調査」)

ただ、長引くコロナ禍の経済停滞にもかかわらず1.50倍台を維持しているのは、企業の採用意欲が底堅いことの表れといえるでしょう。労働人口減が進む中、新卒採用ニーズは今後も継続していくと考えられます。

周囲の動きが見えづらいコロナ禍での就活。「自ら情報を取りに行く姿勢」を意識しよう

2022年卒の学生に就活開始時期を聞いたところ、約6割が「大学3年生9月以前」と回答しており、この傾向は前年から変わりません(就職みらい研究所「就職プロセス調査(2022年卒2021年4月1日時点)」)。

そして、活動開始時期が「大学3年生9月以前」と答えた学生の方が、「大学3年生10月以降」と答えた学生に比べて、「インターンシップに参加した」「面接選考を受けた」「リクルーターから接触された」などの活動量が多くなっています。これは、学校の授業のオンライン化や外出自粛などの影響により、自ら情報を取りに行く人と、自分からなかなか動けない人との差が大きくなっている結果とも考えられます。実際に、「周囲の就活生の様子が分からない」と回答した学生は、活動開始時期にかかわらず、全体で8割を超えています。

しかし、就活において準備すべきことは変わりません。新型コロナの収束はまだまだ読めない状況のため不安もあるかと思いますが、企業のホームページや就活準備サイトを見たり、オンライン開催のインターンシップを調べたり、オンラインでできることもたくさんあります。ぜひ自ら情報を取りに行く姿勢を大切にして幅広く業界、企業の情報収集に臨んでください。

いつ何を始めたらいい?2023年卒の就活準備スケジュール

一般的な就活スケジュール

2023年卒の一般的な就活スケジュール

※応募の内容とあなたの登録情報がリクナビから企業へ送信されるのは3月1日以降です。

2022年2月まで

自己分析、業界・企業研究をし、インターンシップに参加してみましょう!

就活準備の時期。まずは自分が何に興味があるのか、業界・企業研究を進めてみましょう。並行して、自分の興味のルーツや特徴を把握する自己分析を進めることも大切です。インターンシップに参加し、業界・企業理解を深めるという方法もあります。

採用のオンライン化により、会社説明会のアーカイブ動画配信を行う企業も増えています。

対面の接点が減っているからこそ、企業もWebサイトによる情報発信に意欲的になっています。インターンシップ実施予定などもチェックし、働くことへの関心を高めていけるとよいでしょう。

2022年3月から

就活が本格化。興味を持った企業の説明会に参加して、詳しい情報を集めましょう!

3月からは、企業説明会やOB・OG訪問などで、さまざまな企業、先輩と接触する機会も増えてくるでしょう。オンラインで参加する場合は、時間や距離の制約がなくなり、スケジュール調整がしやすいメリットもあります。進めてきた自己分析や業界・企業研究の結果から、興味を持った企業の説明会に参加して、さらに詳しい情報を集めましょう。

筆記試験や面接が始まる企業もあります。エントリーシートや面接のために、直前になって企業研究をやり直す人もいますが、忙しさのあまり体調を崩してしまっては本末転倒。時間に余裕のあるうちに、自己分析、業界・企業研究は計画的に進めておくことをオススメします。

2022年6月から

多くの企業で選考が解禁。納得できるまで就活に取り組んでいきましょう!

政府主導の現行ルールで採用を実施する企業では、6月から徐々に内々定が出始めます。

ただあくまでも、就活の目的は内定ではなく「本当に自分にマッチした企業に出会う」こと。企業の採用担当者も、自社にマッチした学生を見つけるまでは採用活動を継続する傾向があります。1年を通して採用を継続している(通年採用)企業、夏休み以降に採用活動を実施する(秋採用)企業もあり、就活スケジュールはあくまで目安。個人差もあり、早く終えることがいいとは限りません。

長い社会人人生を自分らしく過ごせるよう、自分がその企業に対して何の価値を提供できるのか、逆にどんな条件を企業に求めているのかを考えながら、納得できるまで就活に取り組んでいきましょう。

具体的に何をしたらいい?就活準備のポイントを解説

「就活準備が重要とはわかっていても、何を始めればいいの?」と思う人もいるでしょう。そんな人に向けて、就活準備としてやっておきたいことを紹介します。なお、どれから着手しなければいけないといった、順番は特にありませんので、できるところから進めてみてください。


インターンシップ参加

就活準備期にぜひ参加したいのがインターンシップ。業界動向や具体的な仕事内容などについて話を聞けるほか、そこで働く社員の方の雰囲気、カルチャーに触れられる機会でもあります。

就活で学生が知りたいと思った情報と、実際に知ることができた情報には毎年大きな差があります。企業が提供した(「開示している」と回答した)情報と学生が知ることができた情報の差が顕著なのは、「社内研修・自己啓発支援の有無とその内容」「自社が求めている具体的な能力・人物像」「具体的な仕事内容」などです。

「自社が求めている具体的な能力・人物像」では、企業側の情報提供率が76.6%なのに対し、学生が知ることができたと回答したのは23.2%(就職みらい研究所『就職白書2021』)。本当に知りたい情報を集めることがいかに大変かを示しています。

2023年卒の就活においても、対面・Web両方でのインターンシップ実施が予想されます。ぜひ参加してみて、自分の知りたい情報を取りに行きましょう。

インターンシップを選ぶ上では、企業名などにとらわれすぎず、自分が知りたいことを経験できるインターンシップかどうかで見るのもいいでしょう。例えば、「営業って実際にどういうことをするんだろう」「マーケティングの仕事って面白いのかな」など疑問があれば、解消してくれるプログラムもたくさんあります。大手企業だから、人気業界だから…という理由で選ぶだけではなく、何が知りたいのかを明確にして、プログラム内容から選んでいくと、得るものも多いでしょう。

リクナビでは、実際に企業のプログラムに参加した学生による「インターンシップ・1day仕事体験の評価」を掲載しています。自身の希望や志向に合ったインターンシップに参加し、企業や仕事理解を深められるように、先輩たちの声を参考にしてみてはいかがでしょうか。

関連記事:インターンシップ基礎知識ガイド
関連記事:オンラインインターンシップとは?選び方と参加するためのポイント

自己分析

自己分析とは、「自分の特徴を理解するために、これまでの経験や考え方を振り返り、整理すること」です。例えば、これまでの人生で進学や部活、ゼミ、アルバイトなど大きな選択をする際に、何を重視して決断してきたのか。感情が大きく揺さぶられたときはどんな瞬間だったのか。人生の出来事を一つひとつ振り返ることで、自分の性質が見えてきます。

自己分析によって、自分の特徴や性質を言語化しておくことは、初めて会う企業の担当者に自分についてわかりやすく伝える上でとても大切です。

コロナ禍で、予定していた学生生活を送れず、心苦しい思いをしている方もたくさんいると思います。悲観しがちな状況下で、自分なりに意味を見いだし起こした行動があれば、それもまた、自分の特性を伝える一つのエピソードになるでしょう。

自己分析は、就活の時期にかかわらず、いつやってもいいでしょう。普段から、自分の言動を振り返る癖をつけておくのも大切です。

 

あなたに向いている仕事がわかる「リクナビ診断」を受検しよう

関連記事:“自己分析”は就活でどうして必要なの?方法は?

業界・企業研究

業界・企業研究は、自分の志向に合う業界・企業はどこかを見極めるために行います。自己分析によって見えた自分の特徴と、企業が求める要素の共通点は何か。両方が重なる部分を見つけるためにも、業界・企業の理解を深めることが大切です。

企業研究で最も大事なのは、自分とのマッチングを見極めることです。特にカルチャーフィット(社風など、企業文化が合うかどうか)は、異動により仕事内容が変わっても、その企業にいる以上変わらずに求められるでしょう。企業文化が自分に合っているかどうかは、日々のパフォーマンスや幸福感に非常に大きな影響を与えます。

オンラインでの説明会やインターンシップでは、カルチャーを“直接感じる”機会は減ってしまいます。だからこそ、社員の方が話す言葉や内容、企業ホームページなどでよく使われる言葉などから、社風をイメージすることが重要になります。

2021年卒学生へのアンケートでは、就職先を確定する際の決め手として、「自らの成長が期待できる」が最も高くなっています(就職みらい研究所『就職プロセス調査(2021年卒)』)。トップであることは前年と変わりませんが、2020年卒調査の56.1%から、49.8%と6.3%減少しました。

一方、2位の決め手である「会社や業界の安定性がある」は34.9%と、前年から3.4%増加しています。新型コロナの影響から、安定性や知名度、福利厚生の充実を重視する傾向が強まっているとも考えられます。

すぐ先の未来がわからない、予測できない状況が続いていることもあり、企業選びでは「持続可能な働き方ができるか」が重要なポイントになっています。

つまり、どの企業でも通用する力がつけられるか、柔軟な働き方ができるか(働き続けられる制度が充実しているか)、が新たな“安定”の概念になっているともいえるでしょう。

入社後に個人のスキルアップや成長をどれだけ支援してくれる会社なのか、キャリアアップの可能性や、業界としての成長性、将来性があるかどうかも大切なポイントになります。

 

気になる企業を選んで「企業選びの軸レポート」を作ろう

「企業研究シート」をダウンロードして企業研究を進めよう

関連記事:業界研究のやり方・ポイントを徹底解説!
関連記事:このポイントを押さえよう!就活に役立つ企業研究のやり方

OB・OG訪問

企業ホームページや公開情報には載っていない“リアルな声”を聞けるのが、OB・OG訪問の最大のメリットです。身近にいる“働く大人”に話を聞くことでも、「働くとは何か」への理解が深まります。

オンラインの説明会やインターンシップなどで、社風など、会社の中の情報を直接取得しづらい状況だからこそ、OB・OG訪問の機会を増やし、多方面から情報を集めるのもいいでしょう。

OB・OG訪問はいつからでも行えますが、就活が本格化する3月以降は、エントリーシートの提出、説明会参加などで自分自身が忙しくなります。また、社会人側も、年明け以降はOB・OG訪問の依頼が集中しがちなので、早めに動いておくといいでしょう。

OB・OG訪問時の注意点などは、以下の記事で確認してみてください。
関連記事:就活でOB訪問(OG訪問)をするメリットは?依頼メール、質問例からマナーまで解説!


エントリーシートや履歴書の準備

3月ごろにはエントリーシートの提出が重なり、夜な夜な書いても終わらない…といった事態も起こります。

そこで、自己分析、業界・企業研究を進め、ある程度業界が絞れたら、エントリーシートの作成準備を進めておきましょう。代表的な質問は「志望動機」「自己PR」「学生時代に力を入れたこと」です。

自分の強みと、企業の特徴や求める人材像との共通部分はどこにあるか。双方が重なる点を意識しながら、複数パターンの文章を作成しておいてもいいでしょう。具体的なエピソード、事実をきちんと盛り込むことで、自分にしか書けない内容になります。学校の先輩、社会人の先輩、友人、家族など第三者に読んでもらい、伝わりにくい部分を推敲(すいこう)できると理想的です。

 

OpenESでエントリーシートを書き始めよう

関連記事:プロが教えるエントリーシート書き方のコツ

筆記試験の準備

就活の選考では、筆記試験が実施される企業もあります。国語、数学といった能力に関する問題、適性検査、一般常識問題、時事問題、小論文など、どのような問題が出題されるかは企業によってさまざまです。

リクナビでは言語分野(語彙<ごい>力や文章を読んで理解する力を問うような問題)、非言語分野(計算力や論理的に考える力を問うような問題)に関するリクナビオリジナル問題にチャレンジできる「言語・非言語Webテスト」が体験できます。ぜひ就活準備の一環として受検してみてください。

 

リクナビオリジナルの問題にチャレンジしよう

監修:就職みらい研究所所長 増本 全

記事制作日:2021年4月1日 記事更新日:2022年2月1日 

合わせて読みたい記事