
プロフィール
代表取締役社長 平田 智有
新卒入社。関東のすき家店舗からキャリアをスタートし、ブロックマネジャー(BM)、ディストリクトマネジャー(DM)を経て別ブランドや米の調達仕入れなどの業務を経験。その後、ベトナム初出店を立ち上げから担当し約20店舗まで拡大。ベトナムにおける店舗展開の礎を築く。2024年より現職。現在は経営の最前線ですき家の成長戦略を練っている。
グループ採用企画室室長 山本 大輝
すき家でのアルバイト経験を経て、新卒入社。店舗運営の経験を積み、BMとして担当地域全体の店舗管理や人財育成に携わる。その後、人事部へ異動。2023年よりすき家の新卒採用の体制を一から構築し、現在は採用活動全般を担当。すき家の店舗で培った現場目線を活かした採用戦略を立案している。
01
「入社のきっかけと初期キャリア」
自分の成長をイメージできたのが、
すき家だった。
山本(人事)
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平田社長も新卒で入社されたんですよね。何が入社のきっかけや決め手になったのでしょうか。
平田社長
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飲食業に興味を持ち始めたのは、当時行っていた宅配ピザのアルバイトがきっかけです。さまざまな飲食業の会社を受けるなかで入社を決めた理由は、当時から「フード業で世界一を目指す」というビジョンを掲げ、とにかく拡大路線で元気だったから。
また、学生時代はプログラミングを学んでいて、パソコン作業を長くやっていたのですが、将来を考えたときに「9時から17時までデスクワークという働き方は自分に向いていないのでは」と感じていました。しかし、この会社であれば、自分自身が成長しながら様々なことに取り組めると思い入社を決めました。山本さんはどうだったんですか? 山本(人事)
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私は学生時代からすき家でアルバイトをしていて、そのなかでもっと店舗の運営に深く携わりたいと思うようになり、卒業と同時に入社しました。アルバイト時代には社員の仕事を深く理解していたわけではありませんが、当時の社員さんが常にチャレンジされている姿を目にし、社員として働くなかで成長できるということを私も確信していました。ところで、平田社長は、入社当初どのような業務を担当されていたのですか?
平田社長
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今でこそ社長をしていますが、私もはじめは店舗からスタートしました。調理や接客、発注管理、売上管理などをひと通り経験した後、関東のいくつかの店舗での勤務を経て、ブロックマネジャー(BM)として千葉ブロックの複数店舗を担当することになりました。それまではひとつの店舗の運営に集中できていましたが、BMは店舗それぞれの課題に対して、改善策を考える必要がある。この経験によって、全体を考慮して経営を考えられるようになりました。
山本(人事)
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私も関東の店舗からスタートしました。実際に社員として働き始めると、アルバイトよりも広い視点が求められることに気づきました。売上目標の達成やクルーの育成、商品の提供方法の改善など、責任の幅が一気に広がったことを実感しました。特に「どうすればクルーが長く活躍してくれるか」「どうすればより効率よく店舗運営ができるか」を日々考えて実践していたことが大きな学びになっています。はじめの頃は忙しく余裕がありませんでしたが、慣れていくにつれてより良い店舗運営を意識するようになりました。平田社長はBMを経験されたあと、どのようなキャリアを積まれたんですか?

平田社長
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その後はより広い地域を担当するディストリクトマネジャー(DM)になり、30歳目前でグローバル事業を担うメンバーを選抜する公募の一期生として手を挙げました。日本で、すき家以外のさまざまなブランドや米の調達などを経験し、すき家のベトナム展開に従事しました。日本でやっていたことをそのまま持っていくのではなく、現地の歴史や文化、食習慣、手に入る食材などを加味しながら“その国の「すき家」”を作り上げるチャレンジには、大きなやりがいを感じました。また、現地で起こるさまざまな問題に対して適切に対処している自分に気づいたときは「日本で培ってきたマネジメントスキルが海外でも通用するんだ」という自信に繋がりました。
山本(人事)
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日本と海外という違いがあっても、やはり現場経験がベースとなるんですね。より多くの学びを得るために意識されていたことはありますか?
平田社長
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すき家の仕事は、新人のアルバイトの方でもすぐに覚えていただけるようにシンプルになっています。どなたでも活躍いただけるように、誤解を恐れずにいえば「誰でもできる」ように考えられているんです。しかし、そんな仕事も「どうしてそうなっているのか」「どうすればもっと効率よく動けるのか」など、目的を意識するかどうかで学びに大きな差が生まれます。たとえアルバイトでも経営者の視点を持つことが、その後のキャリアを拓くことに繋がると思います。私も当初は1店舗の運営を極めることを目標にしていましたが、働くなかで店舗からエリアへ、エリアから日本全国へ、そして海外を含めたすき家全体の成長を考えるようになっていきました。今では入社当時からは想像できないほどにキャリアの幅が広がったと感じています。
山本(人事)
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マニュアルがしっかりしていて誰にでもできる仕事だからこそ、そこで何を意識して行動に移すかが次のキャリアに繋がっていくのですね。

02
「広がるキャリアと挑戦できるフィールド」
挑戦できる環境があるから
キャリアが広がる
山本(人事)
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キャリアの選択肢の豊富さもすき家の魅力のひとつです。あらためて、社長のこれまでのご経歴を踏まえてキャリアの可能性について聞かせてください。
平田社長
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すき家では、店舗での経験をベースにしながら多様なキャリアを描けることが大きな特徴です。私自身、店舗でオペレーションを学び、BMやDMと昇進し、別のブランドや海外事業を経験、そして現在は社長を務めるなど、実に幅広いキャリアを積んできたと自負しています。山本さんはBMを経て、今は人事を担当されていますが、店舗での経験が活きていると感じることはありますか?
山本(人事)
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ありますね。採用活動は一人ではできないため、部下やクルーを指揮することが重要となります。複数店舗のマネジメント経験があるからこそ、チームを動かして仕事が出来ていると感じています。また、問題発見、原因確定をする能力なども店舗での経験によって身に付けることが出来ました。どこの部署でも基本的な仕事の考え方は同じだと感じています。
平田社長
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やはり店舗での経験がベースになりますよね。ちなみに、どのような経緯で人事に異動になったのですか?
山本(人事)
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入社当時はすき家の社長を経験して、未来の社長を教育する立場となるキャリアを考えていた中、人事に異動となりました。なぜ異動になったのかと当時の上司に聞いたときに、店舗運営を真面目にやっているので、その力を活かして店舗が好きな人を採用してほしいからだと言われました。今では現場に戻ったり別の部署を経験することで成長していき、理念実現に向けて活躍していきたいと考えています。
平田社長
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そうなのですね。店舗マネジメントを突き詰めるキャリアもあれば、山本さんのように人事や教育部門へ進むキャリアも、さらには私のように海外事業やマーケティングなどに携わるキャリアもあります。実際にBMから教育部門へ異動して研修プログラムをつくった社員もいます。現場を知っているからこそ、実践的な研修を考えることができるんですよね。
山本(人事)
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そのキャリアの広がりを学生の皆さんにも伝えていきたいですね。すき家で働くことで、「一つの仕事だけでなく、さまざまな挑戦をできる環境がある」ことを、より多くの方に知ってもらいたいと思っています。また、年齢や性別に関係なく、実力次第でキャリアアップできる環境がありますよね。
平田社長
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すき家では、経験年数ではなく実力と成果を重視する評価制度を採用していますので、年齢や性別に関係なく、成果を出せば責任あるポジションに上がれます。実際に、アルバイトだった女性社員が数年でBMになり、海外駐在員として活躍しているケースもあります。今では現地のオペレーションの標準化やスタッフ教育などを担当しています。
山本(人事)
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彼女もまた「誰でもできる仕事」を意識高くやっていた人でしたよね。
平田社長
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そうですね。彼女はアルバイト時代から世界一を決める接客コンテストなどにも積極的に参加し、社員になってからも「どうすればもっと効率的に店舗を運営できるか?」を常に考え、具体的な改善提案を実践していました。現在の活躍は、その結果ですね。
山本(人事)
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年齢や性別、経験年数に関係なく評価してもらえる。私は採用担当として、キャリアの広がりに加えて、そうしたすき家の「チャレンジできる環境」を学生の皆さんに伝えています。「こういう仕事をしてみたい」と積極的に自ら発信することも重要ですよね
平田社長
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その通りです。すき家は、ただの飲食店ではなく「成長できるフィールド」です。本人の意欲と努力次第で、さまざまなキャリアパスを築くことができます。

03
「すき家として目指す未来と挑戦」
世界中のどこに行っても
当たり前にあるブランドに
山本(人事)
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すき家の今後のビジョンについてはどうお考えですか?
平田社長
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すき家の目標は「世界中のどこに行っても当たり前にあるブランド」になることです。
また、現在海外ではアジアを中心に展開していますが、今後はまだ店舗のない国や地域にも展開していきたいと考えています。例えば新興国では人口が増加し外食産業の需要が高まっているため、大きなインパクトがあると考えています。 山本(人事)
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海外展開を加速する上で、重要になることはありますか?
平田社長
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基本的には日本でやっていることを海外でやるということですが、国によって歴史や文化、食材の違いなどがあるためそっくりそのまま持っていくというわけにはいきません。その地域に適応しながら、すき家のブランド価値を維持・向上させていくことが重要です。たとえば、宗教上の理由から牛肉を食べない国もあります。そうした食文化に合わせながらメニューを展開することも実施しています。
実際、私が立ち上げを担当したベトナムでは、牛丼だけでなく、ラーメンやカレーなど日本食としてより馴染みの深いメニューも導入し、現地の食文化とマッチするよう工夫しました。 山本(人事)
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ブランドを維持・向上しながら、”その国の「すき家」”を確立していくということですね。国内においてはどのような展開を予定していますか?
平田社長
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現在、店舗のリニューアルと出店の両方を進めています。特に、店舗のデザインの変更に取り組んでいます。
また、新規出店においては、都心、郊外に関わらず積極的に展開していく予定です。地域のニーズに合わせた店舗を増やしてくことでより多くの人々に利用してもらえるようにしていきます。
また、そこで働く人にとっても価値あるブランドに育てていきたいです。 山本(人事)
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採用の現場でも、企業としての成長だけでなく「社員一人ひとりの成長を支える環境」を伝えることを大切にしています。働く人がスキルアップできるからこそ、それが結果的に企業全体の成長にもつながると考えています。

04
「求める人物像と一緒に成長する未来」
ワークライフ“シナジー”を
起こせる人
山本(人事)
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すき家で活躍できるのは、どのような人財だといえるでしょうか?
平田社長
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そうですね…いくつか共通点がありますが、特に「主体的に行動できる人」が成長しやすい環境です。「誰でもできる仕事を意識高く」という話がありましたが、言われたことをただこなすだけではなく「どうすればもっと良くできるか?」を考えて自ら動ける人は、その後も活躍しているように思います。
山本(人事)
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普段、無意識に改善案を考えてしまう人もすき家に向いているといえるのではないでしょうか。すき家には「ワークライフシナジー」という考え方がありますよね。仕事とプライベートのそれぞれが相乗効果を生むようにするという考え方です。
平田社長
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大切ですね。たとえば、私は家族と外食に行くときに「スタッフの動きはどうか?」「この仕組みはすき家でも活かせるか?」と自然に考えてしまうことがあります。また、自分の目線だけでなく家族の目線や感じたことも参考にしています。
山本(人事)
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日常の中で気づいたことを仕事に活かせる人は、成長のスピードが早いですよね。私自身も人事の仕事に就いてからは、採用に関係するニュースや情報が自然と気になるようになり、結果的に仕事に対するモチベーションが高まっています。
平田社長
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また、社内で活躍している人を思い浮かべると、変化を楽しんでいる人が多いですね。飲食業はニーズが変化しやすい業界です。人々の価値観も多様化しています。新メニューの導入、業務効率化のためのシステム更新など、現場の環境も日々変わります。そうしたなかでも変化を前向きに捉え、自ら考えてどんどん改善できる人は、どのようなポジションでも活躍できると思います。
山本(人事)
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どれだけキャリアアップしても、改善意識をもって仕事と向き合えるか。そして、その改善意識をもって普段から生活することがすき家で活躍するためには重要ですね。それでは最後に、すき家で働くことを考えている学生に向けて社長からメッセージを贈っていただいて対談を結びにしたいと思います。
平田社長
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「すき家」は単なるチェーン店ではなく、社会人として、人として成長できるフィールドがあります。日本一、そして世界一を目指すなかで多くのポジションやチャンスが生まれるだけでなく、それらを自らの意志をもって掴み取っていける風土があります。
そのために重要となるのが「1店舗の店長経験」です。「複数店舗」は「1店舗の積み重ね」であり、その経験こそが自身の可能性を無限に広げていくカギになります。仲間と協力しながら、担当する店舗を昨日より今日、今日より明日へとより良くしていくなかで、自分のやりたいことや適性を「すき家」で見つけていってください。
