菱輝金型工業株式会社

CFRP（炭素繊維複合材）は金属材料に比べ、圧倒的な軽さと強さから特に宇宙開発や航空機、空飛ぶクルマ（eVTOL）の胴体や翼等、構造部品に採用されています。また、限りない低燃費性と生産技術の追求から世界中の宇宙・航空機メーカーがCFRPのさらなる素材と成形技術の開発に力を入れており、その要となるのが当社の得意とするCFRPを成形する『金型の技術』です。CFRPは複合材料のため鉄やアルミといった素材を成形する金型にはない知見を必要とし、中でも当社は航空宇宙向け熱硬化成形型の国内50％以上を製造するトップメーカーです。量産品ではなく、まだ見ない未来を変えていく、あらゆる宇宙・航空機開発に携わっているのも大きな特徴です。

飛行機の胴体や翼となれば、それをつくるための金型も大きくなり、さらには厳格な安全品質が求められます。当社は、ざっと大型バス一台分に及ぶワーク（加工対象物）の切削加工が可能な最大級マシーン（画像）を保有し、大型高精密加工を強みにしています。業界の知られる所では、このスケールの機械を使う企業は当社含めて国内2社のみ。独自のプログラミングにより、ワークの素材の種類や図面に応じて削る位置、角度、深さ、そして工程ごとに適した多種工具が自動で選択される全自動のマシーンだが、最終的には金型表面を職人技術で磨き仕上げをするという、他社ができない技術力が国内外の大手航空機メーカーに選ばれています。

航空宇宙部品は、ミクロン単位の誤差でも大変な事態を引き起こしてしまいます。そのため厳しい品質保証が義務付けられています。当社ではお客さまの開発要件に応じて製作した金型で、実際に成形した加工品を三次元レーザー測定機で測り、製品の三次元モデル（3Dデータ）と照合、測定ソフトウェアで誤差を検証／金型調整／品質保証／保全までをサポート。測定が困難な対象物や複雑な形状も測れる、高度な精度保証体制を構築しています。ロケット打ち上げ前には現地に出張し、品質保証の測定に加わることも度々あり、航空宇宙業界の経験と実績から、研究機関、自動車、半導体、鉄道、建設等、様々な業界からも品質保証のオファーが増えています。