この絵は、素心の利用者の作品です。
「月光仮面」です。
彼らの描く作品は、その道の方々から高い評価を受けることがあります。
素心の利用者の中にも、テレビドラマの主題歌のCDのジャケットに使われたり、小説の挿絵になったりと立派な評価をいただいた人がいます。この月光仮面を描いた人も、昔から絵が上手で今は週2回画家の人と一緒に活動するNPOに通い、今度個展を開くのだそうです。
この人は昔、山下清と仲良しだったそうでユニークな人柄も負けていません。
さて、今日は地域の障害者自立支援協議会でした。
自立支援協議会は各市町村に設置されていますが、地域の中で障害があってもあたりまえに暮らせるための地域つくりの会議です。地域の関係機関(福祉事業者だけではなく、当事者、行政、民生委員、学校、警察等)に集まってもらいそのネットワークをもって困難な事例、制度上の課題、地域住民への啓もう等を検討します。
素心はこの事務局と自立支援協議会のベースになる市町村が実施する相談事業を地域支援センターそしんで受託しています。地域のさまざまな機関とネットワークを構築しています。
地域支援センターそしんには日々さまざまな相談が舞い込んできます。延べにすると4,000件/年を超えます。障害者というと、施設とイメージされると思いますが、実は施設を利用している人はごく一部で、多くの人は地域で生活しています。しかし、人生はアクシデントの連続です。平坦で順風満帆な日々なんて滅多にありません。子どもの発育について、進路・就職について、情緒が不安定で家で暴れている、入院できる病院を探してほしい、母親が入院してしまった、引きこもりで困っている、犯罪に巻き込まれてしまった等々ご本人やご家族では解決しきれない問題が起こります。その困難な状況を一緒に悩み・考え・行動し、地域生活を支えるのが相談支援員の仕事になります。
月光仮面のように、疾風のように現れて問題を解決する、そんなわけにはいきません。
人の困りごとは、学者があっさり「ニーズとサービスを結びつける」などという簡単な話では済まないことのほうが多いのです。何度も面接を重ね、関係機関との調整を重ね、行ったり来たりの途方に暮れる連続を経て、そしてやっと少し、光が見えてくるのです。
相談員はこの一緒に悩み・考え・行動するという関係作りが大切です。
なぜならその関係性こそが人を支える力だと考えるからです。
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