2022年卒就活スケジュールは前年から変更なし
ただし、独自スケジュールで進める企業や多様な採用手法が増える
一般的な就活スケジュール

※リクナビでは、2月中旬からプレエントリーの受付が開始します。応募の内容とあなたの登録情報は3月1日に企業へ送信されます。
2022年卒の就活スケジュールのポイント
- 「3月会社説明会、6月選考開始」のスケジュールは変わらない
- 採用手法の多様化や新型コロナウイルスの影響含めて、上記スケジュールにのっとらない企業も出てくる。
動き方には企業によってバラつきがあるので、行きたい業界・企業の情報収集は広く進めておこう - オンラインでのインターンシップ、合同企業説明会、会社説明会、面接が増える傾向に
2020年卒から就活に関するルールの取り決めは経団連(日本経済団体連合会)主導から政府主導に切り替わりましたが、スケジュール自体は「現行の日程を変更する必要が生ずる可能性は高くない」としています。そのため、2022年卒向けスケジュールも従来と大きく変わらず、3月から会社説明会受け付け開始、6月から面接や選考が解禁と発表しています。
しかし2021年卒の就活では、新型コロナウイルスの影響により、多くの業界・企業で採用計画の見直しやスケジュールの後ろ倒しが余儀なくされました。
「新型コロナウイルスの影響による2021年卒採用課題」の調査によると、76.0%の企業が「採用スケジュールの見直し」と回答(就職みらい研究所『【緊急調査 第2回】2021年卒採用活動プロセスの見直しの現状』)。
その結果、6月1日時点での内定率は、2020年卒採用では70.3%だったのに対し、2021年卒採用では56.9%に。7月1日時点で、73.2%となっており、例年の約1カ月遅れで推移したことがわかります(就職みらい研究所『就職プロセス調査』)。
例年は募集を終えている時期まで採用活動を継続する企業も多く、その影響から、2022年卒の採用計画がなかなか立てられなかったケースも見られました。
新型コロナウイルスの影響を受けて、「就職氷河期が来るのではないか」「新卒採用を控える企業が増えるのではないか」と不安に思う方もいるかもしれません。業界によって影響度の差が大きく、企業の中には、2022年卒の採用が難しくなったところも一部あるでしょう。
2021年卒の大学生・大学院生を対象とした大卒求人倍率は1.53倍(2020年6月調査)と、前年の1.83倍より0.3ポイント低下しました(リクルートワークス研究所「第37回ワークス大卒求人倍率調査」)。売り手市場が続いてきたここ数年の流れからは大きな変化が見られます。
ただ、就職氷河期やリーマン・ショック時のような低水準までは落ち込んでおらず、労働力人口が減少していく日本社会において、引き続き新卒採用を続ける企業は多いと予想されます。
また、この1年で採用手法も大きく様変わりしました。「2022年卒においてWeb説明会・面接の割合を増やす」と回答した企業は約27%となっており、オンラインツールを活用した就活はより一般的になっていくでしょう(就職みらい研究所『採用活動中間調査2021年卒』)。
コロナ禍の状況でも、6月1日時点で半数以上が内々定をもらっていることからもわかるように、独自のスケジュールで採用時期や選考を進める企業もあります。3月からは会社説明会参加、エントリーシート提出、選考など、就活が忙しくなるので、行きたい業界・企業の情報を広く集めるなど、2月までにぜひ準備を進めておきましょう。
2 月 まで
インターンシップに参加してみましょう!
就活準備の時期。まずは自分が何に興味があるのか、業界・企業研究を進めてみましょう。並行して、自分の興味のルーツや特徴を把握する自己分析を進めることも大事です。
インターンシップに参加し、業界・企業理解を深めるという方法もあるでしょう。2020年卒のインターンシップの参加率は62.2%と年々上がっています。また、インターンシップに参加している学生の方が、不参加の学生より就活を終えた後の納得度が高いという結果も出ています(就職みらい研究所『就職白書2020』)。
企業にインターンシップの実施予定を聞いたところ、新型コロナウイルスの影響で採用計画を立てにくいことから、2022年卒向けのインターンシップについては、実施を「検討中」「未定/わからない」と回答する企業が約4割を占めました。
ただ、実施すると答えている企業は約5割あり、実施しないと決めている企業は約1割という結果になりました(就職みらい研究所『採用活動中間調査2021年卒』)。
一方、就職みらい研究所が行った、2022年卒の学生に対する調査では、2020年9月時点でインターンシップに応募した学生は51.9%、参加した学生は46.8%。平均参加社数は4.03社でした。そのうち、Web(オンライン)開催が3.19社、対面開催のものが1.33社で、Web開催のインターンシップが対面開催のインターンシップの参加社数を上回る結果となりました(就職みらい研究所『2022年卒 インターンシップ・就職活動準備の現状に関する調査』)。
このことから、コロナ禍においても企業にとってインターンシップが重要であるというスタンスは変わらず、Web開催によって機会を提供できるように各社が取り組んでいることがうかがえます。
また、就職みらい研究所が行った、コロナ禍での就職活動実態調査(2020年4月28日~5月8日調査)では、インターンシップ参加・非参加で内定取得率に差があることがわかりました。
「これまでに内定を取得したことがある」と回答した学生のうち、インターンシップ参加者では49.2%、非参加者では24.7%に。その実情を見ていくと、インターンシップ参加者は、企業の情報収集やOB・OG訪問などのさまざまな就活プロセスを、積極的に行っていたことがわかりました。
仕事や働き方についてよりリアルな情報に触れ、企業理解を深めることが、コロナ禍にも影響されにくい就活につながったといえるでしょう。
例年、2月にインターンシップを開催する企業もあります。社会人の先輩に話を聞き、具体的に働くイメージにつなげてはいかがでしょうか。時間に余裕のある準備期なら、スケジュール調整もしやすいでしょう。
3 月 から
興味を持った企業の説明会に参加して、詳しい情報を集めましょう!
3月からは、合同企業説明会やリクルーター、OB・OG訪問など、さまざまな企業、先輩と接触する機会も増えてくるでしょう。オンラインでの実施が増えると予想されますが、時間や距離の制約がなくなり、スケジュール調整がしやすいメリットもあります。これまで進めてきた自己分析、業界・企業研究の結果から、興味を持った企業の説明会に参加して、さらに詳しい情報を集めましょう。
筆記試験や面接が始まる企業もあります。エントリーシートを書くためや、面接のために、直前になって企業研究をやり直す人もいますが、忙しさのあまり体調を崩してしまっては本末転倒。
時間に余裕のあるうちに、自己分析、業界・企業研究は計画的に進めておくことをオススメします。
6 月 から
納得できるまで就活に取り組んでいきましょう!
政府主導の現行ルールで採用を実施する企業では、6月から徐々に内々定が出始めます。
ただあくまでも、就活の目的は内定ではなく「本当に自分にマッチした企業に出会う」こと。企業の採用担当者も、自社にマッチした学生を見つけるまでは採用活動を継続する傾向があります。1年を通して採用を継続している(通年採用)企業、夏休み以降に採用活動を実施する(秋採用)企業もあり、就活スケジュールはあくまで目安。個人差もあり、早く終えることがいいとは限りません。
長い社会人人生を自分らしく過ごせるよう、自分がその企業に対して何の価値を提供できるのか、逆にどんな条件を企業に求めているのかを考えながら、納得できるまで就活に取り組んでいきましょう。