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出版・雑誌業界

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出版・雑誌

(1)出版・雑誌業界の概況

出版社には、多彩なジャンルの雑誌、書籍を手がける総合出版社と、文芸、情報、学習参考書、地図など特定の分野に強みを持つ出版社とがある。

出版科学研究所によると、2016年の雑誌・書籍の推定販売金額は前年比3.4パーセント減の1兆4709億円で、12年連続で前年を下回った。書籍はヒット商品の有無によって、販売金額は大きく変動するが、1996年をピークにしばらく低落傾向が続いている。雑誌はそれ以上に減少が続き、2015年の前年比8.4パーセント減に続き、2016年は前年比5.9パーセント減の7339億円。書籍の販売金額を41年ぶりに下回った。

(2)出版・雑誌業界の仕組み

出版業界では、雑誌や書籍は、それを作った出版社から出版取次(出版社と書店の間をつなぐ流通業者)を通じて、各書店へと流通するしくみになっている。大半の雑誌や書籍は、出版取次から書店に委託販売され、一定期間に売れなかった場合は、同じく出版取次を通して出版社に返品・断裁される。出版業界では、単に「取次」とも呼ばれている。

2016年は、出版取次で経営統合や自己破産申請などがあった。そこで、従来の流通業だけではなく、新たな分野に挑戦する出版取次も増えてきている。例えば、出版取次が主導する形で、書店の空間プロデュースなどを運営・指導したり、書店の無い地域にワゴンカーによる移動書店を展開し、実際に本を手に取って購入したいという消費者のニーズに応えたりする動きもある。また書店や出版取次が新たにインターネット書店への対応を充実させるなど、世の中の変化に応じたさまざまな対応も進められている。

出版業界は不況と言われるが、書籍やコミックは原作としてアニメ化やドラマ化、映画化されることで一挙に注目を浴びたり、海外での人気に火がついたりして、大ヒット作品となることもある。そこで、将来を期待できそうな作者や作品を発掘して育てることや、他業界(テレビ、映画、ゲーム、おもちゃなど)と連携しながらブームを作り出して、より大きなビジネスチャンスに結び付けるといった試みも進められている。このような手法は「クロスメディア」(後述)と呼ばれ、近年注目を浴びている。

また雑誌の収益構造は、広告収入が大部分を占めているため、広告主が求めている読者層や特定のターゲットに絞り込むことで、好調を維持しているものもある。例えば、女性誌では、「30代後半の働くママ向けの雑誌」とターゲットを非常に狭くすることで、該当する読者からの支持を得られる場合も大いにある。

活字離れが言われて久しいが、MMD研究所の「2015年版:スマートフォン利用者実態調査」によれば、15歳~60歳未満の男女が一日にスマートフォンを利用する時間は、3時間以上が46パーセントと全体の半数近くを占めている。つまり、出版以外のコンテンツに接触する時間が増え、雑誌や書籍などの紙媒体への接触時間が減っているのが現状。このため、インターネットとの連動性を高める動きも活発だ。
出版各社は電子化対応を加速させ、自社の記事コンテンツをインターネットで配信し、有料会員を増やす取り組みや、出版社名や雑誌名を冠したオリジナルサイトの充実化が図られている。

(3)出版・雑誌業界のHot Topics

紙媒体の市場規模が縮小する中、電子書籍やインターネット上の購読サイトなどの事業分野の存在感が増している。

クロスメディア

書籍や雑誌などの紙媒体だけでなく、アニメやテレビ、映画などメディアをまたいで展開し、ヒットコンテンツを生み出そうとする動きが活発。コミックなどでキャラクターがヒットすると、ライセンス商品化やゲーム化など広がりが大きい。

インターネット書店の運営

「インターネット書店」とは、ネット上で書籍や雑誌の販売をする書店のこと。インターネットの普及とともに、このような書店で購入する人が増えている。そこで、従来の出版取次各社やリアル書店も、インターネット書店の運営などに乗り出している。

電子コミックの市場規模拡大

インプレス総合研究所の発表によると、2015年度の電子書籍の市場規模は前年比25.1パーセント増の1584億円、電子雑誌の市場規模は前年比66.9パーセント増の242億円だ。電子書籍の中でも8割を占めるのが電子コミック市場。電子コミック専門の電子書店も登場している。そのため、出版各社は自社のコミックを電子化し、よりこの分野を拡大しようと取り組んでいる。

電子雑誌の定額読み放題サービスが順調

雑誌の休刊・廃刊が相次ぐなど、業界を取り巻く環境は厳しいが、電子雑誌は定額制の読み放題サービスが大幅に伸長。また、期間限定で電子雑誌が無料で読めるサービスなどを提供することで、雑誌への接触機会を生み出そうという取り組みもある。

(4)関連業界とのつながり

通信

配信を行う通信事業者(通信キャリアとも呼ばれる)と出版社が協業して、インターネット上の購読サイトを展開。雑誌など電子書籍の定額読み放題サービスを提供している。スマートフォンやタブレットで読むことができる手軽さから、専用アプリでの展開も進んでいる。

広告

雑誌の収益源の多くを占めるのが広告収入である。かつての女性誌の「付録ブーム」などのように、特定のターゲットを狙った新たな広告の仕掛けを作ることが模索されている。

テレビ・映画

書籍やコミックがドラマや映画の原作として使われることで、大きなヒットになる場合もある。

監修:日本総合研究所 吉田賢哉

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    業界データ

    平均勤続年数(年)

    • 新聞

      17.8

    • 放送・テレビ・ラジオ

      15.7

    • 出版・雑誌

      11.3

    • 通信

      11.3

    • 広告

      8.3

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    平均年齢(歳)

    • 広告

      33.4

    • 通信

      36.3

    • 出版・雑誌

      37.6

    • 放送・テレビ・ラジオ

      37.6

    • 新聞

      43.5

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    女性の育児休業取得者比率(%)

    • 出版・雑誌

      100.0

    • 新聞

      100.0

    • 通信

      95.7

    • 広告

      94.9

    • 放送・テレビ・ラジオ

      89.4

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    男性の育児休業取得者比率(%)

    • 通信

      11.5

    • 広告

      8.0

    • 新聞

      5.2

    • 放送・テレビ・ラジオ

      3.9

    • 出版・雑誌

      1.0

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    平均月別所定外労働時間(時間)

    • 新聞

      16.5

    • 通信

      22.1

    • 放送・テレビ・ラジオ

      27.0

    • 広告

      27.2

    • 出版・雑誌

      28.6

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    平均有休休暇消化日数(日)

    • 通信

      11.5

    • 出版・雑誌

      9.9

    • 放送・テレビ・ラジオ

      8.9

    • 広告

      8.4

    • 新聞

      7.8

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    役員の女性比率(%)

    • 広告

      15.3

    • 出版・雑誌

      10.9

    • 放送・テレビ・ラジオ

      10.7

    • 通信

      10.3

    • 新聞

      4.8

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    管理職の女性比率(%)

    • 出版・雑誌

      29.3

    • 広告

      21.5

    • 通信

      15.1

    • 放送・テレビ・ラジオ

      13.3

    • 新聞

      11.2

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