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不動産

(1)不動産業界の概況

不動産業界とは、土地や建物などにかかわる業界のこと。商業施設、ビル、マンション、リゾート施設などを開発するデベロッパー(開発業者)、注文住宅や、建売住宅などを手がけるハウスメーカー、物件の売買・賃貸を仲介する不動産仲介業者、マンションや一戸建ての販売を手がける住宅販売会社、そして、不動産物件を管理する管理会社などがある。また、マンションやビルなどの建設にかかわる総合建設企業(ゼネコン)なども、不動産業の重要な役割を担っている。

不動産経済研究所によれば、2015年に全国で発売された分譲マンションの戸数は7万8089戸。前年(8万3205戸)に比べて6.1パーセント減少し、2年連続でマイナス成長となった。北海道(1138戸、16.0パーセント増)、東北(1260戸、27.4パーセント増)、東海・中京圏(5000戸、14.6パーセント増)などの地域ではプラスとなったが、首都圏(4万449戸)では9.9パーセント減となるなど、最大の市場である首都圏の戸数が減少したことが、影響している。

一方、国土交通省によれば、2016年の新設住宅着工戸数は96万7273戸。前年(90万9299戸)より6.4パーセント増え、2年連続でプラスとなった。内訳は、「持家」が前年比3.1パーセント増の29万2287戸、「貸家」が前年比10.5パーセント増の41万8543戸、「分譲住宅」が前年比3.9パーセント増の25万532戸だった。貸家が大きく伸びた要因としては、相続税の節税を目指してマンションやアパートなどの貸家を建てる動きが活発化したこと、低金利が続いているため、貸家の経営によって収益確保を目指す人が増えていることなどが考えられる。

近頃では、中古マンション市場も活発だ。従来は新築マンションの建設などを手がけていた企業が、新たな収益の柱を求め、老朽化した中古マンションなどに大規模な改築・改装を施して価値を高める「リノベーション」や、壁紙の張り替えなど比較的小規模な手直しを行う「リフォーム」の市場に進出するケースが目立つ。

また、2020年にオリンピックが開催される東京都心部にも注目が集まっている。2017年時点の東京都心部では、老朽化したマンションの建て替えや、新規マンションの開発計画が数多く進行している。2015年は分譲マンションの戸数が減少していたが、今後に期待できそうだ。また、競技場として整備されたオリンピック会場跡地では、大会終了後、さらなる大規模開発が行われる予定。多くのマンションが供給されて市場が活性化すると期待される半面、供給過多になってマンション価格の下落につながる可能性も指摘されている。

一戸建ての分野でも、リフォーム部門を強化するなど中古市場への取り組みを進める企業は少なくない。また、中古住宅を貸し出す際に家賃保証を行う仕組みを整えるなど、所有者が自宅を貸し出しやすくする環境を用意するといった試みを始めたハウスメーカーもある。中古市場を活性化することで、リフォームなどの商機を増やすのが狙いとみられる。

さらに、近年は消費者の環境への関心が高まっていることもあり、省エネ型住宅への取り組みが加速している。普及期に入ってきたのが、「ネット・ゼロ・エネルギー住宅」。これはZEH(Zero Energy Houseの略。「ゼッチ」と読む)とも呼ばれ、家庭内の消費量より多くの電力を自家発電することで、エネルギー消費量を実質ゼロ以下にするというものだ。また、自家発電システム、蓄電池、HEMS(Home Energy Management Systemの略。「ヘムス」と読む。ITやセンサーを活用して住宅内のエネルギーを管理する仕組みのこと)などを組み合わせ、エネルギー消費量を減らすことを目指した「スマートハウス」関連の動向にも注目が集まっている。

(2)不動産業界の仕組み

不動産業界は、「建てる」、「販売する」、「貸す」、「管理する」企業の4つに大別できる。

不動産業界の仕組み

新築物件の場合、デベロッパーが土地を仕入れ、ゼネコンやハウスメーカーと協力しながらマンションや一戸建て住宅、ビルなどを建て、それをデベロッパー自身、あるいはハウスメーカーや販売会社が個人・法人の顧客に販売する。また、中古物件や賃貸物件の場合は、売り主・家主から買い主・借り主に仲介するのは、不動産仲介業者の役割。そしてマンションやビルは、建物の保守・管理をしたり入居者の満足度を高めたりするために、管理会社が管理サービスを提供している。

(3)不動産業界のHot Topics

アジアへの進出が活発化

不動産会社が中国やASEAN諸国に進出するケースが目立つようになっている。マンションなどの建設を手がけるだけでなく、街づくり全般に携わることもある。

旧耐震基準マンションの動向に注目

1981年、建築基準法の「耐震基準」が大改訂されたが、それ以前に建てられたマンションの中には耐震性に不安のあるものが少なくないと言われる。これらのマンションは2017年時点で築35年以上が過ぎており、今後、建て替えの議論が進むとみられる。

(4)関連業界とのつながり

都市銀行

デベロッパーは土地や物件を仕入れる際に必要な資金を、銀行から調達することが多い。また銀行には、企業や資産家が土地を売却するなどの情報などが入りやすいため、不動産会社が銀行から売地や売却物件の情報を得ることもある。

介護・福祉

高齢者向けの設備、サービスを備えたマンションを建設するため、介護事業者と連携することもある。

監修:日本総合研究所 吉田賢哉

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