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公社・官庁

(1)公社・官庁の概況

ここでは、公社とは公益社団法人や公益財団法人など、私的な利益を追求するのではなく、公(おおやけ)、つまり社会のために存在している企業、または団体を指す。かつて中央官庁が担当していた事業のうち、一定の事務・事業を分離し、業務の質の向上や活性化などを狙って設立された独立行政法人も公社の一つと言える。

公社は、中央官庁や地方自治体と同様に公的な業務を手がけながらも、組織としては企業の形式を取っていることが多く、「官と民の中間」のような存在と言えるだろう。今後は「民間でできることは民間に任せる」という流れが進み、民営化される公社が増える可能性がある。また、国から割り当てられていた顧客・予算の範囲でビジネスを行うだけでなく、自ら顧客獲得や売り上げアップを目指す動きも増えそうだ。

一方、官庁には、国(中央官庁とも呼ばれる)と地方公共団体(地方自治体とも呼ばれる)などが該当。これらの、いわゆる「役所」のほか、警察や裁判所などを含むこともある。人事院の「国家公務員の数と種類」によれば、2015年度時点の国家公務員は約64万人。一方、総務省の「地方公務員数の状況」によれば、2016年4月時点の地方公務員数は約274万人となっている。

中央官庁は、「究極のゼネラリスト組織」と言われる。同じ部署で働く期間が数年間といった場合が多く、人によってはさまざまな部門で経験を積むことができる。幅広いフィールドで仕事をしたいと考える人に適していると言える。
中央官庁の役割は、例えば、経済産業省、文部科学省といった各組織がそれぞれ所管する分野について、広範囲に影響する課題を解決することである。なお、課題によっては中央官庁同士が連携することもある。例えば、経済や産業の発展には技術革新が重要となり、産業界や大学などが連携する「産学連携」の促進が課題となるが、このような場合には経済産業省と文部科学省の連携が必要となる。複雑化する世の中の課題を解決するために、今後も中央官庁が緊密に協力するケースが増えそうだ。

なお、公社の場合は一般企業と同様に就職活動を行う必要があるが、国家公務員と地方公務員になるためには、一般的に公務員試験への合格が求められる。

このところ地方自治体を悩ませているのが、全国各地の都市圏以外のエリアで進んでいる人口減少である。人口減少が続くと税収が落ち込み、公共サービスの質が下がったり、地域の活力が失われたりする。すると、さらなる人口流出を招く可能性もある。また、自治体の弱体化が加速すれば、その地域だけで住民向けのサービスを提供することが難しくなることが懸念される。そこで、最近では近隣の自治体同士で、道路・河川の管理、病院や学校の運営、ゴミ処分といった事業に取り組むことで効率性を高めようとする「広域連携」の動きも出てきている。

高齢化による医療・介護の需要の増加と、それに伴う費用増大も、地方自治体にとっては大きな課題となっている。自治体ごとに、自エリアの高齢化進展のスピード、医療・介護サービスの整備状況、地域コミュニティの状況などを見極めながら、地域住民のニーズに合わせて生活支援や住まい整備などを含めた包括的サービスを提供する必要に迫られている。ほかにも、子育て世帯や生活困窮者への支援、近い将来に更新時期を迎える公共施設や道路などの整備なども、自治体が担う大切な役割だ。

(2)公社・官庁の仕組み

公社の代表格は、前述の通り公益社団法人、公益財団法人と独立行政法人だ。公益社団法人は、公共の利益を実現するために作られた法人のこと。公益財団法人は、財産の運用を目的として作られた法人を指す。公益性の高い事業を進めるため、任意団体が法人格を取得して、公益社団法人や公益財団法人となるケースが多い。また、独立行政法人は、組織の業務効率や専門性を高めることを目的に、中央官庁から独立して生まれた法人である。

中央官庁には、内閣府、総務省、法務省、外務省、財務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省、防衛省などがある。これらは国の中枢機関として、それぞれの分野で行政を司っている。これに対し、権限が特定の地域に限定される組織が地方官庁で、例として税務署が挙げられる。

一方の地方自治体は、市町村や特別区などの「基礎自治体」と、都道府県という「広域自治体」に分類される。お互いが役割分担・連携をしながら、その地域に住む人々に対して福祉、保健、教育、警察、消防などのサービスを提供する役割を担っている。
これからの地方自治体には、地域のまとめ役・発信役としての役割が求められている。例えば、その地域の観光資源を旅行会社やホテルなどと協力して発掘し、それを地場メーカーやマスコミなどを巻き込みながら全国にアピールして成功している例も多い。情報を積極的に発信する力や、地域住民の中に飛び込んでそのニーズを聞き取る力も大事になるだろう。

(3)公社・官庁のHot Topics

地方自治体が何か新しい取り組みやプロジェクトを推進する際、多くの参加者を巻き込んで進める方が波及効果は大きい。そこで、民間企業や、地域住民によるボランティア活動との連携が注目されている。

コンパクトシティの取り組み

公共施設や商業施設といった都市機能を、徒歩や自転車で移動できる狭い範囲に集約した街のこと。コンパクトビレッジと呼ばれることもある。高齢者など車の運転ができない人でも生活しやすい、道路や上下水道の効率が高まるなどのメリットがある。

地域再生法改正案

政府が地域再生法改正案を閣議決定。高齢者の地方移住や地方自治体同士の広域連携などを促進するため、新たな交付金の仕組みを整えている。また、地方自治体に寄付をした企業の税金を軽減する「企業版・ふるさと納税制度」の導入なども盛り込まれた。

公務員の働き方改革や、女性採用の促進

男性が育児休暇を取りやすくなるような環境を作る、自宅など会社以外の場でも働ける「テレワーク(リモートワークとも呼ばれる)」の仕組みを整える、女性職員の採用を増やすなど、公務員の働きやすさを高める取り組みが加速中だ。

(4)関連業界とのつながり

介護

介護サービス事業者と協力し、地域住民向け介護サービスの質・量を充実させることが求められている。

旅行・ホテル

地域の観光資源を再発見し、観光客を呼び寄せる取り組みが活性化。観光地としてのブランド力向上を図る試みが全国各地で行われている。

地方銀行

地方銀行は地域経済の要であるとともに、さまざまな地域の情報が流れ込む場所でもある。そこで、地方自治体と地方銀行が協力しながら、地域経済を盛り上げていく必要がある。

監修:日本総合研究所 吉田賢哉

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