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ホテル

(1)ホテル業界の概況

ホテル業界は利用者に対し、宿泊するための部屋や、ホテル内のレストランや結婚式場での各種サービスを提供している。

観光庁の「宿泊旅行統計調査」によると、2011年の国内ホテル、旅館および簡易宿泊所の延べ宿泊者数は4億1723万人泊(宿泊人数×宿泊数の合計。延べ宿泊数)。うち、日本人宿泊者数は3億9881万人泊、外国人宿泊者数は1842万人泊だった。これに対し、2015年の延べ宿泊者数は5億408万人泊で、日本人宿泊者数は4億3846万人泊(2011年より10パーセント増)、外国人宿泊者数は6561万人泊(同256パーセント増)。景気回復などによって日本人宿泊者数は徐々に伸びているが、それ以上に外国人宿泊者数はすさまじい勢いで増加している。

また、ホテルの数も増加している。厚生労働省の「衛生行政報告例」によると、2015年にはホテル施設数は9967(84.6万室)。2011年より施設数で104、客室数で約3.2万室増えていることになる。

政府は、「2020年の訪日外国人旅行者を4000万人、2030年に6000万人まで伸ばす」という目標を立てている。ホテル業界にとって、追い風が吹いていると言えそうだ。

宿泊者数の増加に伴い、ホテルの稼働率(客室のうち、実際に使われている部屋の割合)は高い状態が続いている。「宿泊旅行統計調査」によれば、2015年の客室稼働率は、宿泊施設全体で60.3パーセント。これは、2011年(51.8パーセント)より8.5ポイントも高い。特に、東京都や大阪府といった大都市のホテルでは、2015年の稼働率の年間平均が80パーセントを超えており、すでに収容力は、限界が近づいているとも言われている。

そこで、国内外の企業を問わず、これらの地域に新しくホテルを建設する計画が、数多く持ち上がっている。また、訪日外国人を地方に誘導する取り組みも盛んだ。例えば、愛知県、岐阜県、静岡県、三重県、石川県、富山県、福井県、長野県、滋賀県の9県は合同で「昇竜道プロジェクト」を立ち上げ、日本の文化や伝統を盛り込んだ地方観光ルートを提案している。そしてホテル業界も、地方自治体や周辺の観光・レジャー施設などと提携しながら、観光客を呼び込む工夫を重ねている。

(2)ホテル業界の仕組み

ホテルや旅館の客室は、下記図のように、自社サイトによる直接販売と、旅行会社・旅行代理店や旅行サイトなどを通じた委託販売によって顧客に提供される。最近ではインターネットからの予約が主流になりつつある。また、旅行予約サイトなどでは、ホテルの予約だけでなく、鉄道や飛行機の旅行券も併せて「セット予約」できる場合も多く、消費者の利用は増えている。

ホテル業界の仕組み

ホテルは、広い部屋や豪華なレストラン・結婚式場などの施設を備えた「シティホテル」、サービスや部屋の設備を最低限に抑えて、低価格で提供される「ビジネスホテル」、観光地などに建てられ、長期間の滞在も楽しめる「リゾートホテル」などに分類される。ただし、これらは明確に区別できるものではない。ビジネスホテルの中にも豪華な部屋を備えているところはあるし、低価格で提供されているシティホテルも存在する。

ビジネスホテルは、もともと宿泊に特化しているため、最大の収入源は顧客から受け取る宿泊料だ。一方、シティホテルでは、レストランやバーといった飲食部門、結婚式場などの宴会部門から得られる売り上げも収益の大きな柱となっている。そのため、宿泊部門以外にも、レストランなどの運営スタッフ、宴会部門を支える営業・企画職といった幅広い仕事がある。

(3)ホテル業界のHot Topics

外国人向けサービスの拡充

英語・中国語版のホームページやパンフレットの作成、外国語を話せるスタッフの拡充、日本文化を感じられるイベントの開催、などによって外国人を呼び込もうと工夫するホテルもある。また、インドネシアなどイスラム圏の国から日本を訪れる旅行者が増えているのに対応し、「ハラル認証」(イスラム教の戒律で摂取が禁じられている食材を使っていないなど、イスラム法に則って製造されたものであると認めるもの)を取得するホテルも登場している。

外資系高級ホテルの日本進出

日本国内では、富裕層向けの高級ホテルが不足していると言われる。そこで、富裕層顧客の取り込みを狙う外資系の高級ホテルが、都市部を中心に新しいホテルのオープンを計画している。

民泊へのルール作りが進む

「民泊」とは、ホテルや旅館ではなく、一般の民家に宿泊すること。海外では、インターネットの仲介サイトなどを通じて、その地域の住民が旅行者に、自宅の一室や所有する部屋などを貸し出すビジネスが一般的になってきている。日本では法律の整備を進めている段階だが、今後民泊が広がれば、ホテルにとってライバルになる可能性もある。

(4)関連業界とのつながり

旅行

客室を販売する際には、旅行会社や旅行代理店の力を借りる。また、パッケージ旅行の企画時に協力し合うなど、関係は深い。

IT(情報システム系)

インターネットの利用が一般的になる中で、自社サイトを強化していく必要性が高まっている。そこで、使いやすいWebサイトやチェックインサービスのシステムを作るため、IT企業と協働する機会も増えている。

外食・レストラン・フードサービス

宴会場や豪華なレストランなどを館内に有するホテルにとって、館内のレストランから得られる売り上げは大きな収入源。また、外部のレストランと協力してイベントを開催することもある。

監修:日本総合研究所 吉田賢哉

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