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外食・レストラン・フードサービス業界

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外食・レストラン・フードサービス

(1)外食・レストラン・フードサービス業界の概況

店舗に行って食事をすることを「外食」と呼ぶのに対し、弁当や総菜など、家庭外で調理された食品を持ち帰って自宅で食べることを「中食(なかしょく)」と呼ぶ。フードサービス業界は、レストラン、ファストフード店、喫茶店、居酒屋などの「外食」を手がける企業と、いわゆる「デパ地下」で弁当や総菜などを販売して「中食」に携わる企業とに大きく分かれている。

一般社団法人日本フードサービス協会によると、2015年における外食産業(飲食店、集団給食、喫茶・酒場、料亭・バー、ファストフードなどの合計)の市場規模は25兆1816億円。東日本大震災が起きた2011年(22兆8282億円)以降、4年連続で成長を続けている。また、中食(日本フードサービス協会の分類では「料理品小売業」に該当する)の市場規模は7兆1384億円で、こちらは2008年(6兆777億円)以降、7年連続で成長中だ。もっとも、今後は国内で人口減少が進み、外食・中食業界では市場の劇的な拡大が期待しにくい状況だ。そこで、各社はさまざまな場面で改革を進めている。

まずは、新メニューの提案によって顧客層を拡大しようとする動きに注目したい。朝食専門メニューを提供して出勤前のビジネスパーソンに訴求するファストフード店や、高齢者向けに割引を行うファミリーレストランなどが代表的だ。また、中食の分野でも、減塩・低糖質などのメニューを提供して、健康が気になる人を呼び込もうとする企業がある。

次に、食の安全への対応も重要な課題。消費者の多くは、食の安全に強い関心を持っており、外食・中食産業にも、そのような消費者のニーズを守る姿勢が求められている。最近では、契約農家から安全な野菜を仕入れたり、植物工場で野菜を生産したりするなどの動きが活発化してきた。

訪日外国人の急増を受け、訪日外国人の取り込みに力を入れる企業も多い。例えば、外国人の団体客を積極的に誘致したり、外国語メニューを用意したりして売り上げ増につなげようとする企業も増加している。

(2)外食・レストラン・フードサービス業界の仕組み

外食・中食産業には、複数の店舗を展開する大手から、個人オーナーが経営する小規模なものまで、多様な企業がある。提供する食事の内容(ハンバーガー、丼物、カレー、中華、麺類、コーヒー、酒類など)や、主な顧客層(家族を対象としたファミリーレストラン、成人を対象にした居酒屋など)も、各社それぞれだ。

外食・中食産業では、基本的には他社から食材を仕入れて店舗で調理し、提供するスタイルを取る。なかには「セントラルキッチン」と呼ばれる調理施設で食材を一括して調理し、配送先の店舗で温めることで来店客に提供する仕組みを採用しているところもある。店舗での調理が省力化できることや、どの店でも一定品質の料理が提供できる点がメリットだ。

また、「フランチャイズ制」を採っている企業もある。これは、フランチャイズ本部が加盟者(法人・個人)に対してメニューやノウハウ、店舗名、商品を使う権利などを提供し、フランチャイズ本部はその対価を受け取る仕組みである。本部としては、コストを抑えながら短期間で店舗数を増やすことができ、ロイヤリティ(権利使用のために、加盟者が支払う対価)も得られるメリットがある。一方の加盟者側は、既存のノウハウを使い、本部の指導を受けながらビジネスをスタートできるのが利点だ。

消費者の食の好みには移り変わりがあることに加え、味の好みは十人十色だ。そこで外食・中食企業の中には、自社内に複数の店舗ブランドを抱えているところが多い。例えば、あるブランドは高級日本料理店、別のブランドは庶民的な居酒屋などのように住み分け、より多くの顧客をカバーしようとしている。また、複数のブランドを用意することで、売り上げが落ちてきた不人気店を素早く閉店させ、別ブランドに切り替えて営業することも可能だ。

この業界の最近の課題は、働き手の確保が難しくなっていること。背景には、景気回復によって他のさまざまな業界で人材ニーズが高まったことがある。各社は、福利厚生を整えたり残業を減らしたりして、従業員の待遇改善などを行っている。また接客の質を高めることは、他社との差別化を図るための有力な手段。そこで自社内で接客コンテストを開催するなどして、従業員の接客レベルの向上に工夫を凝らす企業もある。

(3)外食・レストラン・フードサービス業界のHot Topics

「二毛作店舗」の取り組み

「昼はカフェ、夜はバー」などのように、時間帯によって異なるスタイルで店舗を運営する企業がある。昼夜で業態を変えて来店客を飽きさせないようにする、時間帯ごとのニーズに合わせたメニューを出すなどが狙いだ。

日本食が世界で人気に

和食が2013年に「無形文化遺産」に登録されたのと前後して、さまざまな日本料理が世界で人気となっている。すしに代表されるようないわゆる「和食」だけでなく、ラーメン、牛丼、カレーライスなどのメニューが人気を呼び、続々と店舗数を増やしている外食企業もある。

高齢者向けのメニューが人気

中食業界では、通常よりも食材を小さくカットする、柔らかく調理するなどした高齢者向けの弁当や総菜を作り、自宅まで宅配するサービスを行っている企業もある。また、食の安全に消費者の関心が高まるなか、塩分や糖分を控えめにしたメニューの考案などに力を入れる企業もある。

(4)関連業界とのつながり

コンビニエンスストア

弁当や総菜など「中食」への注力を打ち出している。

食品メーカー

レストランや居酒屋などにとって、食材や酒類の仕入れ先である食品メーカー(ビール、酒メーカーも含む)は重要なパートナーだ。また、食品メーカーが運営している外食店もある。

監修:日本総合研究所 吉田賢哉

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