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人材サービス(人材紹介・人材派遣)業界

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人材サービス(人材紹介・人材派遣)

(1)人材サービス(人材紹介・人材派遣)業界の概況

人材サービス業は、顧客企業のニーズに応じて人材を派遣したり、紹介・斡旋したりする事業だ。ビジネスの変化スピードが高まる中で、「新たな事業部門に適した人材を集めたい」「業務拡大に伴い早急に人員を確保したい」「勤怠管理を丸ごと委託したい」など顧客企業のニーズも多様化し、需要も高まっている。

矢野経済研究所の「2016年 人材ビジネス市場に関する調査」によると、2015年度の人材派遣業の市場規模は、前年度比5.0パーセント増の4兆1020億円で2年連続の拡大。大手コンビニチェーン全店の年間売上高を凌ぐ数字と言えば、その市場規模がわかるだろう。また、人材紹介業市場は前年度比13.5パーセント増の2100億円で、6年連続のプラス成長だ。
厚生労働省の「平成26年度 労働者派遣事業報告書の集計結果」によると、2014年度の派遣労働者数は263万人。前年度(251.5万人)比4.6パーセント増だ。好調が続く背景には、人材需要の高まりがある。厚生労働省によると2016年の平均有効求人倍率は1.36倍と1991年以来の高水準で、人手不足による企業の人材サービス需要は伸びている。また、2015年9月に施行された「労働者派遣法改正法(後述)」によって、企業側が派遣社員を活用しやすくなったことも追い風となっている。

他業種同様に、人材サービス業界でも海外進出する日本企業の増加に伴い、グローバル化の動きが強まっている。前出の「2016年 人材ビジネス市場に関する調査」によれば、2015年度のグローバル人材紹介業市場は257億円で、前年度より6.2パーセント増えた。国内大手人材サービス会社が海外の派遣大手を買収したり、事業提携したりと、さまざまなやり方で海外展開を進めている。また、外資系の人材サービス会社が日本に上陸するケースも目立ってきている。

人材サービス業界には、領域や職種を問わず幅広くサービスを行う企業もあれば、特定の業界に絞ってサービスを提供する企業もある。金融、ITなどに特化した企業は以前からあったが、最近では「農業」を担う人材の確保・育成に特化する新しい動きもある。また、50代後半以上の「シニア人材」を紹介するサービスも、今後の拡大が見込めそうな分野と見られている。

(2)人材サービス(人材紹介・人材派遣)業界の仕組み

人材サービス業界は、主に3つに大別できる。
「人材派遣」は、自社に登録している労働者の中から、顧客企業が求めるスキルを持つ人材を必要期間に応じて派遣する。
「人材紹介・斡旋」は、正社員や契約社員などの人材を求めている企業に適切な求職者を紹介する。
「アウトソーシング」は顧客企業から人事業務や経理業務、コールセンターなどの仕事を一括で請け負い、業務指示や労働者の管理も行う。コア業務以外をアウトソーシングすることで、顧客企業はスリム化を図り、コア業務に人材を集中できるなどのメリットがある。

また、どのような職種の人材(一般事務職系・製造職系・専門職系など)に強いかによって、区分することも可能だ。人材派遣会社の場合は、一般事務職系のニーズが最も大きい。一方、製造関連の職種を中心に扱う人材サービス会社は、アウトソーシングの分野に多い。そして、専門的な能力を持つ研究者や開発者を扱う人材サービス会社は、人材紹介によって医薬品メーカーの研究開発部門やIT系企業などに社員を送り込んでいる。

「平成26年度 労働者派遣事業報告書の集計結果」によれば、人材派遣サービスを手がけている国内企業は7万5000社程度。この業界は比較的中小企業が多いのが特徴だ。今後は、他社との統合・再編を進めることで経営力強化を目指すケースも増えそうだ。

(3)人材サービス(人材紹介・人材派遣)業界のHot Topics

有効求人倍率の改善は、業界の好調ぶりを象徴する出来事。人材サービスにかかわる法律の改正は、各社のビジネスに大きな影響を与えるため要チェックだ。

有効求人倍率が1倍を超える

「有効求人倍率」とは、公共職業安定所(ハローワーク)で扱った求人数を求職者数で割ったもの。景気が良くなるほど求人数が増え、求人倍率は高くなる。リーマン・ショック後は低迷していたが、2014年11月に1倍の大台を回復。それ以降も右肩上がりの傾向が続いている。

労働者派遣法改正法の施行

2015年9月30日に施行。従来は、企業がある部署で派遣社員を受け入れる場合、受け入れられる期限は最長で3年と制限されていた。しかし、改正後は別の人であれば同じ仕事をずっと派遣社員に任せることが可能になった。また、派遣社員が同じ人であっても部署が異なれば継続が可能になっている。

キャリア形成支援制度

労働者派遣法改正法により、派遣会社には、派遣社員がキャリア形成を目指す際の支援が義務づけられるようになった。派遣社員にとってはスキルアップをしやすい環境が整うと期待できる半面、派遣会社にとってはコスト増につながる恐れもある。

HRテック

HRテックとは、HR(Human Resourceの略。人的資源)とテクノロジー(技術)を組み合わせた言葉。人工知能やビッグデータ解析などの先端技術を活用し、採用・人材育成・人事評価などの質を高めていこうとするやり方を指す。

(4)関連業界とのつながり

人材サービス会社は、実に多彩な業界・企業に人材を送り込んでいる。そのため、どの業界ともかかわる可能性がある。

監修:日本総合研究所 吉田賢哉

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