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企業インタビュー

新卒採用を担当されている人事の方に「留学生の採用、グローバル人材の採用」をテーマに、インタビューを行いました。

「こんな人材を求めている」「選考で注目していること」「面接でアピールをしてほしいこと」など・・・ 新卒採用の現場で、面接官として日々感じていることを語っていただきました。 企業が海外留学生の皆さんに何を期待をしているのか?リアルな声をご紹介します。

大野 翔太郎様

国際協力のプロに求められる3つの力とは

国際協力機構(以下JICA)の職員には、「現場力・構想力・発信力」という3つの力が求められます。私自身は国際協力を「サービス業」だと捉えているのですが、支援は決して押し付けであってはいけない。現地の人々の中に飛び込んで、何が求められているのかを常に確認しながら課題を抽出し、その本質を見極めてベストな解決策を構想することが求められるのです。また、JICAの知見や援助哲学、活動の成果を国内外に発信して国際協力への理解を深め、さらには国際社会における日本のプレゼンスを高めていくことも私たちの大切な役割。3つの力は、そのために必要なものなのです。

もう少し詳しくお話すると、JICAは日本唯一の「ODA(政府開発援助)実施機関」です。青年海外協力隊派遣が一般的には知られていますが、JICAの開発途上国に対する国際協力の業務としては、日本の技術を伝えることにより人づくりを支援する「技術協力」、経済成長を促すための基盤となる道路や発電所といった経済インフラを整備する「有償資金協力」、学校や病院といった社会インフラを整備する「無償資金協力」があります。加えて、災害時の「国際緊急援助」など多様な活動を行っています。支援戦略を立案する上流工程から関わり、開発途上国の政府高官と国の10年後、20年後を議論することからスタート。自分の目で現地を見て、人々の話を聞き、鍵となる課題を見極めていきます。例えば電力不足が問題なら、その原因は発電所不足か送電線の未整備か、送電線が原因なら何が整備のネックなのか…と問題を分析し、前例に囚われず解決策を提示する。そのために、「現場力・構想力・発信力」が必要なのです。加えて、JICAでの仕事には、開発途上国の安定と発展が、ひいては日本へも貢献するという、日本を背負う使命感も重要になります。

「専門性」と「思い」も不可欠

また、支援の現場では「幅広い専門性」も求められます。例えば、私が1年目に担当したバングラディシュの橋梁改修案件では、現地運輸省の部課長といった“その道のプロ”を相手に何度も交渉を重ねました。私は文系学部卒なので運輸行政や土木事業は未知の分野でしたが、猛勉強して専門知識を獲得。こうしたことはJICAでは日常的に起こります。最初の10年間は仕事の幅を広げるために2~4年のスパンで異動を行い、その都度、各分野で非常に高い専門性が要求されますので、常に学び続けることが不可欠なのです。こうした中で、将来の自分の強みとなる「軸・専門性」を培っていきます。

もう1つ大切なのは、自分は何のために支援に関わるのかという「思い」や「目的」。これがないと、長期に渡るタフなプロジェクトを推し進めることはできません。私の場合は、高校時代に訪れたチベットで見た光景が原体験になっています。同じ町の中で、チベット民族と漢民族の居住区域には大きな格差がありました。国際社会から見向きもされない中で、格差に耐える人々がいる。チベットに限らず、こうした“声なき声”を何とかして広く世に伝えたい。この思いが、私の強い原動力になっているのです。

現在の実力よりも、学び続けることが可能かを重視

JICAでは、そうした“声なき声”を国際社会に発信するだけでなく、実際の支援にも関わることができます。たとえば、戦後復興という平和構築の分野では、私自身、約3年間のイラク駐在を経験しました。当時、イラクの治安は完全には落ち着いていませんでしたが、日本の民間企業よりもいち早く事務所を開設し、新しく生まれ変わるイラクの復興を支援するといった業務に携わりました。イラクに限らず、JICAの支援で全てが解決できるわけではなく、JICAの支援はあくまで開発途上国の発展の一助であり、開発途上国の人々自身が「やってもらう」ではなく、「自分たちの手で成長していくのだ」というオーナーシップを醸成していくことが最も大切な点です。また、将来的に途上国が発展するには、民間同士のビジネスが育つことが必要ですが、それには道路や港湾、電気、水道といったインフラが不可欠です。また、政情が不安定では民間企業が入っていくことは難しい。民間企業が簡単には入っていくことができない分野だからこそ、そのリスクを背負って人づくり、基盤整備といった協力により、開発途上国の経済成長、民間投資の土壌を整える。JICAはいわば、先兵部隊のような存在なのです。

国がまだ混沌としている中に入っていき、新しい国家に生まれ変わっていく躍動感に触れながら、途上国の人たちと一緒に開発を進めていく。そうした役割を担うだけに、前述したさまざまな力は高いレベルが求められます。とはいえ、最初から全ての専門性を兼ね備えている必要はなく、国内大生、留学生を問わず、「学び続け、成長し続けられること」ができるかが重要です。
生涯学び続けたい。そんな方にはうってつけの職場ではないでしょうか。

大野氏に聞きました「選考ポイント&入社後について」

Q 面接でよく聞くことは?
面接では、これまでにどんな経験をしてきたのかをお聞きします。知りたいのは経験の内容ではなく、そこから何を感じ取って、何を考え、どう成長したのかということ。留学経験も、ただ「留学しました」では海外旅行と変わりません。どんな洞察や学びを得て、それが今の自分にどう活きているのかを、具体的に話していただきたいと思います。
Q 留学経験があると有利?
必ずしも有利に働くことはありません。実際、2013年卒の採用実績では留学経験者は半数のみ。留学経験は本人の成長機会ではあるものの、最も重要なのは現場力・構想力・発信力を発揮できる素養や、今後の成長可能性などを判断し、このような結果となりました。社会に出て問われるのは、どんな経験をしたかではなく、その結果何を考え、どんな力を身に付けたのかということ。もし、就活のために留学を考える人がいるとすれば、それは本末転倒です。何のために留学するのかをよく考えて決断してください。
大野氏
Q 入構後のキャリアステップは?
最初の約10年間は2~4年ごとに意図的に異動を行い、さまざまな部署を経験します。これを興味関心の方向や適性を見極める期間とし、以降は「エキスパート職」と「マネジメント職」の2つのコースに分かれます。「エキスパート職」は、例えば「農業」などの特定分野で専門家として活躍する職種、「マネジメント職」は、JICAの事業や組織全体のマネジメントを担いながら国際協力のプロとして活躍する職種です。いずれに進むにしても、国際協力に関する幅広い知見が不可欠。若手のうちに得た多様な経験や知識、スキルを活かし、各人のあり方でプロフェッショナルを目指していくことになります。

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