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今と昔ではここまで違う 企業の人気40年の変化を振り返る

就職志望企業ランキングの変遷

経済成長期

1964年〜
企業の新卒採用活動早期化が顕著になり、「早稲買い」「苗代買い」などの新語が生まれる。
1967年〜
いざなぎ景気の真っ只中。企業の採用意欲は高く、新卒が売り手市場化。大学紛争が激化し、内定者の留年問題が発生。
1970年〜
学生が3年生の12月頃から会社訪問を始めるなど就活が早期化、「種モミ買い」といわれる。

順位 社名
1 日本航空
2 日本アイ・ビー・エム
3 丸紅飯田
4 東京海上火災保険
5 伊藤忠商事
6 三井物産
7 三菱商事
8 松下電器産業
9 住友商事
10 電通

順位 社名
1 東洋レーヨン
2 大正海上火災保険
3 丸紅飯田
4 伊藤忠商事
5 東京海上火災保険
6 三菱商事
7 旭化成工業
8 松下電器産業
9 住友商事
10 三和銀行

長期不況

1974年〜
第一次オイルショックにより不況に突入する。企業による内定取り消しも発生し問題になる。
1977年〜
円高不況で企業の倒産が続く。公務員試験に応募者が殺到するなど、学生は安定志向へ。
1980年〜
第二次オイルショック。この後、長期不況が続く。

1980年

順位 社名
1 東京海上火災保険
2 三井物産
3 三菱商事
4 日本航空
5 日本放送協会
6 サントリー
7 三和銀行
8 安田火災海上保険
9 日本生命保険
10 住友商事

1975年

順位 社名
1 日本航空
2 伊藤忠商事
3 三井物産
4 朝日新聞社
5 三菱商事
6 丸紅
7 東京海上火災保険
8 日本放送協会
9 日本交通公社
10 電通

バブル突入

1989年〜
「超売り手市場」といわれ、男子学生の内定社数は平均で2.26社に。
1990年〜
企業が学生を海外に招待するなど、内定者の囲い込みがエスカレート。

バブル崩壊

1992年
バブルが去り、売り手市場が崩壊。企業は「人材の質」重視へ。公務員志向が高まるなど、学生は安定性を重視する傾向に。

順位 社名
1 日本電信電話
2 ソニー
3 三井物産
4 三菱銀行
5 東京海上火災保険
6 三和銀行
7 東海旅客鉄道
8 住友銀行
8 日本航空
10 全日本空輸

1985年

順位 社名
1 サントリー
2 東京海上火災保険
3 三菱商事
4 住友銀行
5 日本電気
6 富士銀行
7 三井物産
8 日本アイ・ビー・エム
9 松下電器産業
10 日本生命保険

就職氷河期

1994年〜
「就職氷河期」という言葉が生まれ、その後さらに求人倍率が低下すると「超氷河期」ともいわれた。
1999年〜2000年
新卒採用市場では大卒求人倍率が0.99と1倍を割り込む。失業率も4.9%と高い水準に。
2002年〜
求人倍率や採用数は回復傾向を見せるものの、学生にとって厳しい環境が続く。働いておらず、教育も訓練も受けていない「ニート」の存在が話題になった。

順位 社名
1 ソニー
2 日本電信電話
3 日本放送協会
4 NTT移動通信網
5 サントリー
6 JTB
7 電通
8 博報堂
9 本田技研工業
10 資生堂

1995年

順位 社名
1 日本電信電話
2 東京海上火災保険
3 三菱銀行
4 三井物産
5 伊藤忠商事
6 東海旅客鉄道
7 三和銀行
8 三菱商事
9 第一勧業銀行
10 富士銀行

就職温暖期へ

2005年〜2006年
新卒市場では、横ばいを続けていた大卒求人倍率が前年の1.37から1.6に伸び、「雪解け」の兆候が見える。
2006年
就職市場温暖化、「売り手市場」化が進む。

【出典元】
データはリクルートワークス研究所による。1995年卒分までは「大学生男子の人気企業調査」、2000年卒分は「大学生の企業イメージ調査」、2005年卒分は「採用ブランド調査」より。1965年卒〜1995年卒分は男子学生のみ・文系のランキング、2000年卒、2005年卒については「男女計」の全体のランキング。表記している社名は、ランキング発表時のもの。

順位 社名
1 トヨタ自動車
2 電通
3 ジェイティービー
4 サントリー
5 日本航空
6 全日本空輸
7 東海旅客鉄道
8 日産自動車
9 博報堂
10 本田技研工業

識者の目線

これまでの人気企業ランキングの歴史を眺めてみてまず感じること。それは、人気の産業や企業が時代ごとに大きく移り変わっているということだ。そこで、時代と企業の関係に詳しい、リクルートワークス研究所の豊田義博氏に話を伺った。
「ランキングの上位に入っている会社は、その時代の象徴的な会社、というケースが多いんですね。だから時代が移り変われば、ランキングの中身も移り変わっていくことが多いんです。企業というのは、業績や人気に大きな波があるということ。わずか10年足らずでも、大きく変化するのが、企業をめぐる環境なんです」

そして学生の就職人気という点では、景気変動も大きなポイントになっているという。
「景気の振れ幅に人気が大きく反応していくのは事実でしょう。景気が冷え込んでくると、どうしても安定性の高い業界や堅実なイメージのある会社の人気が高まってくる。インフラや金融は、その典型例だと思います」

ただ、不況だからこそ、厳しい状態にある会社にあえて目を向ける選択肢もある、と豊田氏。
「新しく入ってくる人は、今の不況対策のために入るわけではないんですよ。景気がよくなる時代のための人員なんですね。採用人数が少なくなっていれば、むしろ入社後も大事にされるでしょうし、業績回復時には最前線で大きな仕事ができるチャンスも広がる。今が好調だからいい、というわけではないと私は思いますね」

その意味では、上位の会社は花形産業ではあるものの、今後に大きく伸びる、という視点が必ずしもあるわけではない。
「就職で大切なのは、自分から探しに行く姿勢です。実はランキングに入っていない“いい会社”も山のようにあるという事実に気づいてほしいんです。“いい会社”に出合うには、まず視野を大きく広げておくことです」

就職する企業で働くのは自分。人気企業を目指すのは構わないが、自分にとって本当にいい会社かどうか、という視点こそ大切。そうでなければ周りに流され、何を軸に就職活動すればいいのか、いつまでも決まらないという状態になりかねないのである。

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取材・文/上阪徹 イラスト/田中英樹 デザイン/ラナデザインアソシエイツ

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